フロイド・メイウェザー対ロバート・ゲレロの試合内容(後編)
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フロイド・メイウェザーがリングを支配し始め、迎えた7ラウンド。ロバート・ゲレロがプレシャーを強め、勝負に出ます。しかし、フロイド・メイウェザーはロバート・ゲレロのパンチをかわしながら、的確なカウンターで応戦。ロバート・ゲレロの顔面が腫れ上がってきました。
「ゲレロも懸命に盛り返そうとしているんだけどなあ。メイウェザーがパンチの的確さ、スピード、ディフェンスのすべてで上回っている印象だよ。ゲレロじゃなかったら、倒れてもおかしくないクリーンヒットがまともに入るようになってきたね。メイウェザー、すごいなあ」と高度すぎるボクシング技術に賞賛の言葉を連発してしまいます。
【Photo:The Ring Magazine】
終盤に入っても、フロイド・メイウェザーがパンチを叩き込むシーンが続き、主導権を握ったまま試合終了のゴングを迎えます。採点の結果、3人のジャッジすべてがフロイド・メイウェザーを支持。フロイド・メイウェザーが12ラウンド判定勝ちで、王座統一に成功しました。
フロイド・メイウェザーのスピードとディフェンス技術が、ロバート・ゲレロの攻撃と気迫を無力化した試合でしたね。立ち上がりの2ラウンドを観戦したときは「おおお!ゲレロなら最後まで食らいつけるかも」と思ったのですが、ラウンドが進むにつれて、フロイド・メイウェザーのペースになりました。恐るべき適応能力です!
フロイド・メイウェザーの試合を語るとき「メイウェザーのチェンジ・オブ・ペース」がよく話題になります。フロイド・メイウェザーが立ち上がりの2ラウンドを対戦相手の戦力分析に使う傾向があることから、管理人の周りでは「360秒ギアチェンジ」と名付けています。
立ち上がりのフロイド・メイウェザーは、ガードを高く構えながら、できるだけ小さな動きで、対戦相手の攻撃を回避し、パンチの軌道や踏み込みの速度を観察しながら、対戦相手の戦力を分析することに時間を使います。立ち上がりは「頭脳」を駆使して戦っている印象です。
対戦相手の分析が終わると、一気に「史上最速のスピード」と「多彩なパンチ」を解き放ちます。フロイド・メイウェザーが気持ちよくボクシングをすると、動きに躍動感が出始め、リズムが生まれます。結果的に「めっちゃ速い!誰も追いつけないよ」となってしまいます。
フロイド・メイウェザーの「360秒ギアチェンジ」の恐ろしさは、対戦相手に一瞬「いける!」と思わせてしまうことです。でも、フロイド・メイウェザーがギアを上げると、パンチが届かなくなり、いつの間にかフロイド・メイウェザーの動きを見てしまいます。
その結果、後手に回り、主導権を奪われてしまいます。さらに、立ち上がりの攻撃でスタミナを使った反動、一瞬「いける」と思った反動が、フィジカルとメンタルの両方にダメージを与え、盛り返したくても、なかなか盛り返せない状態に追い込まれてしまいます。
試合前「アンドレ・ベルトを押し切ったゲレロなら、メイウェザーにプレッシャーをかけ続けられるかも。フィジカルもメンタルもめっちゃタフなボクサーだもん。メイウェザーが有利だと思うけど、接戦になるんじゃないかな?」と予想していました。
結果は、予想以上の大差でした。「天才」フロイド・メイウェザーが、逆境を乗り越え続けてきた「不死鳥」ロバート・ゲレロに羽ばたくことさえ許さない内容だったと思います。「パウンド・フォー・パウンド」フロイド・メイウェザーに死角はあるのでしょうか?
フロイド・メイウェザーの次戦は9月に予定されています。次なる刺客は「メキシコの至宝」サウル・アルバレスが濃厚です。フロイド・メイウェザー対サウル・アルバレスは、管理人が2013年に最も観戦したいドリームマッチです。「去年ならメイウェザー、来年ならアルバレス。今年なら、うーん、どっちだろう?」と思っています。ぜひ実現してほしいです!
世界中のファンが待ち望んだチャンピオン対決で、圧倒的な存在感をアピールしたフロイド・メイウェザー。王様のイスに座り続ける「天才」が「Money」のニックネームにふさわしい価値を証明した王座統一戦でした。最終章は残り5戦。全勝のままエンディングを迎えるかもしれませんね。
フロイド・メイウェザー対ロバート・ゲレロの試合結果
試合結果 | フロイド・メイウェザーが12ラウンド判定勝ち。王座統一に成功しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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