WBC世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 山中慎介(日本) 戦績:19戦17勝12KO2分 |
挑戦者 | マルコム・ツニャカオ(フィリピン) 戦績:37戦32勝20KO2敗3分 |
山中慎介選手とマルコム・ツニャカオの試合内容
圧巻のKO劇で世界を震撼させたWBC世界バンタム級チャンピオンの山中慎介選手が、指名挑戦者のマルコム・ツニャカオを迎えて3度目の防衛戦を行います。日本のボクシングジムに所属するボクサーが激突する楽しみなサウスポー対決ですね。
試合は、右ジャブを突きながら得意の左ストレートを打ち込むタイミングを狙うチャンピオンの山中慎介選手に対して、挑戦者のマルコム・ツニャカオが右ジャブから力強い左ストレートを積極的に打ち込む展開で始まります。
「おおお、ツニャカオが積極的に左ストレートを打ってるよ。山中選手は右ジャブでリズムを作るタイプなんで、右ジャブに左ストレートを合わせて、山中選手が得意とする左ストレートにつなげさせない作戦かな?山中選手の左ストレートをかなり研究してる印象だね」と序盤の主導権争いに注目する管理人。
2ラウンドに入ると、山中慎介選手が少しずつ距離をつかみ始め、迎えた3ラウンド残り30秒。マルコム・ツニャカオが左ストレートを打とうとしたタイミングで、山中慎介選手がカウンターの左ストレートを打ち込み、ダウンを奪います。
「すげえ!全く迷いのない左ストレートのカウンターだよ。ツニャカオが思い切りよく踏み込んだ分だけダメージを緩和したと思うけど、かなり効いてるんじゃないかな?」と山中慎介選手の一撃に大興奮の管理人。
試合が再開されると、山中慎介選手は焦ることなく距離を詰め、残り5秒、左ストレートを連打して2度目のダウンを奪います。山中慎介選手の「伝家の宝刀」が試合の流れを一気に引き寄せましたね。
4ラウンドに入ると、山中慎介選手が右ジャブを突きながら左ストレートを狙います。一方のマルコム・ツニャカオは、フットワークを使いながら距離を保ち、ダメージの回復に努めます。マルコム・ツニャカオがパンチを強振しながら距離を保とうとするので、山中慎介選手は踏み込みにくそうですね。
5ラウンドに入ると、マルコム・ツニャカオが積極的にパンチを打ち込み、勝負に出ます。マルコム・ツニャカオは「守ると、パンチがドンドン飛んでくるので、勝てない」と感じているようです。さすがは元世界チャンピオンですね。
一方、山中慎介選手は左ストレートを上下に散らしながら、無理をせず冷静に戦っている印象です。マルコム・ツニャカオが捨て身で攻撃をしてくるので、ディフェンスを大事に戦いながら、得意の左ストレートを顔面に打ち込むタイミングを狙っていますね。
7ラウンド開始直後には、マルコム・ツニャカオが強烈な右フックをスイング!「うぎゃ、あぶない!」と山中慎介選手のマウスピースが飛び出すパンチの破壊力にドキッとする管理人。マルコム・ツニャカオが思い切りよく振り抜く右フックはめっちゃ危険ですね。
8ラウンドは、お互いが鋭い右ジャブを突き合う息詰まる展開。一撃の破壊力は山中慎介選手のほうが上回っていると思うのですが、挑戦者のマルコム・ツニャカオが手数を増やして、積極的に攻撃を仕掛けてくるので、完全に主導権を握ることができません。
「ツニャカオ、さすがに手強いよ。倒れてもおかしくないカウンターが入っているんだけどなあ」と思い始めた10ラウンド開始直後、山中慎介選手の左ストレートがマルコム・ツニャカオの顔面を打ち抜き、マルコム・ツニャカオの右まぶたから激しい出血が始まります。
視界を失ったマルコム・ツニャカオに対して、山中慎介選手は強烈な左ストレートと右アッパーを叩き込み、勝負に出ます。一方、マルコム・ツニャカオはあえて至近距離で戦うことで、視界の悪さを最小限に抑えていますね。ものすごい攻防が繰り広げられています。
「山中選手もすごいけど、ツニャカオもめっちゃ勇敢だよ。さすがの山中選手も倒しきれないかもしれないなあ」と思い始めた12ラウンド。チャンピオンの山中慎介選手がめっちゃ気合いの入った表情で飛び出し、攻勢をかけます。
「あ、山中選手が倒しに行ってる!仕留めたい、仕留めたいよ、山中選手!」と大きな声援を送っていると、12ラウンド中盤、山中慎介選手の左ストレートがマルコム・ツニャカオの顔面をとらえ、最終ラウンドでダウンを奪います!
2階級制覇へ執念をみせるマルコム・ツニャカオはダウンから立ち上がりますが、ダメージと出血を確認したレフェリーが試合をストップ!山中慎介選手が粘るマルコム・ツニャカオに12ラウンドTKO勝ちを飾り、3度目の防衛に成功しました。
冷静に戦い抜いた山中慎介選手が最後の最後で秘めた感情をむき出しにして、マルコム・ツニャカオの執念をねじ伏せた試合でしたね。マルコム・ツニャカオの執念がすさまじくて「倒すことはさすがに無理かも」と思っていたのですが、「山中選手、すごすぎる!」としか言えない勝利ですね。
山中慎介選手が勝ったことで、統一戦が現実味を帯びてきましたね。個人的に、レオ・サンタクルス戦を楽しみにしていたのですが、王座を返上して一足早く階級を上げちゃったので、アンセルモ・モレノとの頂上対決が実現するとうれしいなあ。
圧巻の勝利で3度目の防衛に成功した山中慎介選手。最終ラウンドのリング中央へ歩み寄る山中慎介選手の表情に「世界チャンピオンの静かなるプライド」を感じた名勝負でした。勝った山中慎介選手はもちろん、敗れたマルコム・ツニャカオにも大きな拍手を送りたいです!
山中慎介選手とマルコム・ツニャカオの試合結果
試合結果 | 山中慎介選手が12ラウンドTKO勝ち。3度目の防衛に成功しました。 |