IBF世界ライトヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | バーナード・ホプキンス(アメリカ) 戦績:63戦53勝32KO6敗2分2無効試合 |
挑戦者 | カロ・ムラート(ドイツ) 戦績:27戦25勝15KO1敗1分 |
バーナード・ホプキンス対カロ・ムラートの試合内容
48歳で世界チャンピオンに君臨するバーナード・ホプキンスが、世界タイトル初挑戦のカロ・ムラートを迎えて、IBF世界ライトヘビー級タイトルの初防衛戦を行います。「戦う伝説」バーナード・ホプキンスが、タイトル奪取に燃えるカロ・ムラートと激突する楽しみな新旧対決ですね。
試合観戦レビューの前に、大きな話題となった入場シーンから振り返りましょう!48歳のバーナード・ホプキンスはカロ・ムラート戦からイメージチェンジを宣言。公開練習で「エイリアン」のマスク姿を披露し、一撃強打で対戦相手を沈めていた頃の「死刑執行人」から「エイリアン」へニックネームを変更することを発表しました。
バーナード・ホプキンスと言えば、目出し帽をかぶり、腕をクロスさせたあと、首をかき切るポーズがおなじみですが、「死刑執行人」のニックネームに別れを告げた「戦う伝説」は「緑のエイリアン」に変身!会場に詰めかけたファンが、いっせいに写真を撮影するシーンは思わず笑ってしまいました。2014年に観戦した世界戦で最も「ほんわか」してしまった入場シーンです!
【Photo:Showtime】
お茶目すぎるバーナード・ホプキンス。でもでも、試合開始のゴングが鳴ると、百戦錬磨の職人ぶりを序盤から発揮します。正攻法のボクシングで世界タイトル奪取を狙うカロ・ムラートに対して、巧みなフェイントと絶妙なポジショニングで的を絞らせず、的確なカウンターを浴びせます。
立ち上がりの率直な感想は「ムラートが実力者なことは間違いないんだけど、ホプキンスが最も得意なタイプかも。ムラートは序盤から勝負に出ないと『ホプキンスワールド』に引きずり込まれちゃうんじゃないかな?」です。3ラウンド序盤、カロ・ムラートの左フックがヒットしますが、5ラウンド中盤、バーナード・ホプキンスがお返しの右ストレートを叩き込みます。
「ホプキンスの右ストレートと同じくらい、ボディブローが効果的だなあ。ホプキンスがボディを連打するなんて珍しいね。ムラートも粘り強く戦っているんだけど、ラウンドが進むにつれて、パンチをもらうシーンが増えてきちゃったなあ」と両者のボクシングに注目する管理人。バーナード・ホプキンスが上下のコンビネーションでカロ・ムラートを攻め立てます。
【Photo:Showtime】
バーナード・ホプキンスが流れを引き寄せ始めた7ラウンド1分。強烈な左フックがカロ・ムラートの顔面にクリーンヒットし、カロ・ムラートが後退します。次の瞬間、バーナード・ホプキンスが猛然とラッシュ!これだけ強いパンチを集めるバーナード・ホプキンスは久しぶりです!会場に詰めかけたファンが総立ちになって、バーナード・ホプキンスに声援を送っています。
勢いに乗るバーナード・ホプキンスは8ラウンド終盤にもカロ・ムラートに連打を浴びせます。飛ばしすぎた影響で、9ラウンドと10ラウンドに失速したバーナード・ホプキンスですが、粘るカロ・ムラートの反撃を封じ込め、12ラウンド終了のゴング。判定の結果、バーナード・ホプキンスがカロ・ムラートに12ラウンド判定勝ちを飾り、世界タイトル防衛に成功しました。
バーナード・ホプキンス対カロ・ムラートの試合結果
試合結果 | バーナード・ホプキンスが12ラウンド判定勝ち。 【公式ジャッジの採点結果】
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バーナード・ホプキンスがアグレッシブな強気のボクシングでカロ・ムラートに打ち勝った試合でしたね。ニックネームの変更がピタッと当てはまる「異次元の戦いぶり」を観戦しながら「まさにエイリアンだよ。全盛期のムラートが押し負けちゃうんだもん。48歳って年齢が信じられないなあ」と驚きまくりの36分間でした。めっちゃバイタリティあふれる防衛戦でしたね。
後半は、バーナード・ホプキンスが攻撃にシフトしたことで、珍しくクリーンヒットをたくさんもらっちゃいましたが、最後まで「ホプキンスがKOで勝つかも」とハラハラドキドキでした。誰の目にもわかる形でKOを狙いに行ったバーナード・ホプキンスの勇姿がめっちゃ印象に残っています。
【Photo:Showtime】
もうひとつ印象に残ったことは、試合と全く関係ないのですが、トレーナーのナジーム・リチャードソンがバーナード・ホプキンスの「エイリアンポーズ」に付き合ってたんですよ。しかも、意外とノリノリでした。めっちゃ「いい人」じゃないですか!入場から試合終了まで、いろんな意味で「戦う伝説」バーナード・ホプキンスの狙い通りの防衛戦だったのかもしれませんね。
最年長の世界タイトル防衛記録がかかる大一番で見事なイメージチェンジを披露したバーナード・ホプキンス。ボクシングの歴史を塗り替え続ける「戦う伝説」は試合後に「パウンド・フォー・パウンド」フロイド・メイウェザーに対戦を要求し、新しい野望を激白しました!2014年も「生まれ変わった戦う伝説」から目が離せませんね。