WBA世界フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | クリス・ジョン(インドネシア) 戦績:51戦48勝22KO3分 |
挑戦者 | シンピウエ・ベチェカ(南アフリカ) 戦績:27戦25勝15KO2敗 |
クリス・ジョン対シンピウエ・ベチェカの試合内容
10年間で18度の防衛に成功している無敗チャンピオンのクリス・ジョンが悲願の世界タイトル奪取を目指すシンピウエ・ベチェカと激突するWBA世界フェザー級タイトルマッチ。クリス・ジョンが勝てば、フェザー級の最多防衛記録に並ぶ大一番です。
試合は、ガードを高く構えて左ジャブを突きながら距離を詰めるチャンピオンのクリス・ジョンに対して、挑戦者のシンピウエ・ベチェカが下がりながら距離をキープして、鋭いワンツーと力強い左右のフックで応戦する展開で始まります。
「ジョンが積極的に攻撃してるけど、ベチェカがパンチを打って前進を止めようとするんで、さすがのジョンも簡単に飛び込めないみたい。距離の探り合いが続くかもしれないなあ」と立ち上がりの攻防に注目する管理人。クリス・ジョンの攻撃に対して、シンピウエ・ベチェカが必ずパンチを打ち返す一進一退の攻防が続いています。
3ラウンドに入ると、真っ向から飛び込んでくるクリス・ジョンに対して、シンピウエ・ベチェカが左ジャブから左フックを狙うリズムボクシングを展開します。接近戦を得意とするクリス・ジョンですが、なかなかシンピウエ・ベチェカの懐へ飛び込むことができません。
「ジョンが距離を詰めてパンチを集めようとするんだけど、ベチェカが思い切り距離を取ったり、打ち返したり、ジョンのプレッシャーをうまくいなしながら戦ってるね。ジョンはボディを攻めて、ベチェカのフットワークを封じたいね」と思っていると、5ラウンド残り1分、シンピウエ・ベチェカのパンチがクリス・ジョンをとらえ、クリス・ジョンがヒザを突きます。
クリス・ジョンがダッキングしようとしたところへシンピウエ・ベチェカが右フックが飛んできて、腕が後頭部に当たったので、レフェリーはダウンを認めませんでしたが、クリス・ジョンの動きが鈍っていますね。シンピウエ・ベチェカは一気に攻勢を強め、力強いパンチを振り回します。
5ラウンド残り10秒、シンピウエ・ベチェカにクリンチしようするクリス・ジョン。しかし、足に力が入らず、ヨロヨロと倒れてしまいます。5ラウンドをダウンなしで乗り切ったクリス・ジョンですが、ダメージはめちゃくちゃ深いですね。逆に、シンピウエ・ベチェカは絶好のチャンスです。
6ラウンドに入ると、クリス・ジョンが前へ出て、攻撃することで追撃を防ごうとします。一方のシンピウエ・ベチェカは左ジャブを突きながら距離をキープし、残り30秒、強烈な右ストレートを顔面に叩き込み、左右のフックを強引に連打して、ダウンを奪います。
「うわっ、めっちゃ効いてる!」と思わず絶叫してしまう管理人。チャンピオンのクリス・ジョンはダウンから立ち上がりましたが、自分の体を支えることが精一杯の状況です。シンピウエ・ベチェカの攻撃をギリギリで耐え抜き、6ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
「ジョンはギリギリで耐えたけど、1分間で回復するかな?ベチェカは7ラウンドの開始から攻めたいよ」と思っていると、6ラウンド終了後、クリス・ジョン陣営が棄権。シンピウエ・ベチェカが10年間で18度の防衛に成功したクリス・ジョンにプロ初黒星をつけ、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。
いやー、ビックリしました!試合前は「オーストラリア開催だけど、ジョンが有利じゃないかな?序盤でリードして、逃げ切りそうな気がするなあ」と予想していたので、クリス・ジョンが負けたことに思い切り驚いてしまいました。逆に言うと、シンピウエ・ベチェカの作戦が見事でしたね。
プロ初黒星を喫したクリス・ジョンは後日、引退を発表。10年で18度もフェザー級タイトルを防衛した「インドネシアの英雄」がリングに別れを告げました。日本人の挑戦者も5回挑んでいるので、日本のボクシングファンにとっても、おなじみのチャンピオンでしたね。たくさんの熱戦をありがとうございました。アジアのチャンピオンが引退すると、さみしいなあ。
クリス・ジョン対シンピウエ・ベチェカの試合結果
試合結果 | シンピウエ・ベチェカが6ラウンド終了TKO勝ち。王座陥落となったクリス・ジョンは引退を発表しました。 |