3団体世界ヘビー級王座統一戦
3団体統一世界 ヘビー級チャンピオン |
ウラディミール・クリチコ(ウクライナ) 戦績:63戦60勝51KO3敗 |
WBA世界 ヘビー級チャンピオン |
アレクサンデル・ポベトキン(ロシア) 戦績:26戦全勝18KO |
ウラディミール・クリチコ対アレクサンデル・ポベトキンの試合内容
ヘビー級の3本のベルトを手にするウラディミール・クリチコとクリチコ兄弟の唯一の対抗王者であるアレクサンデル・ポベトキンが激突する注目の王座統一戦。「ヘビー級最強」の称号をほしいままにするウラディミール・クリチコが、全勝のアレクサンデル・ポベトキンの挑戦を受ける大一番です。
兄のビタリ・クリチコと主要4団体のベルトを手中にしているウラディミール・クリチコが完全制覇を成し遂げるのでしょうか?それとも、アレクサンデル・ポベトキンが「クリチコ兄弟時代」に終止符を打つのでしょうか?世界中のボクシングファンが注目する頂上対決の幕開けを告げるゴングが鳴り響きます。
試合は、WBAレギュラーのチャンピオンであるアレクサンデル・ポベトキンが正面からズバッと3団体統一チャンピオンのウラディミール・クリチコの懐に飛び込み、オーバー・ハンド・ライトを狙う展開で始まります。試合前、作戦をベールに包んでいたアレクサンデル・ポベトキン。自分の持ち味を生かす「超正攻法」で積極的に攻撃を仕掛けています。
「おおお、ポベトキンの作戦は真っ向勝負だよ!ポベトキンはパンチが届きそうな距離まで近づくことができてるね。もしかすると、もしかするんじゃない?めっちゃ期待できるかも」とアレクサンデル・ポベトキンの攻撃に期待感が高まる管理人。ウラディミール・クリチコを目の前に、ズバッと踏み込める勇気と技術は、さすがアレクサンデル・ポベトキンですね。
一方のウラディミール・クリチコは、左ジャブと右ストレートで突き放し、アレクサンデル・ポベトキンが踏み込んでパンチを打とうとするタイミングで、上から抱え込んでクリンチ。アレクサンデル・ポベトキンが得意とする連打を封じるため、ウラディミール・クリチコはクリンチを徹底していますね。
試合は、アレクサンデル・ポベトキンのパンチが当たりそうな雰囲気で始まり、迎えた2ラウンド残り20秒。頭を振りながら飛び込むタイミングを計算するアレクサンデル・ポベトキンに対して、ウラディミール・クリチコがコンパクトな左フックを叩き込み、アレクサンデル・ポベトキンがダウンします。
「うそっ!軽い左フックだと思ったんだけど、ポベトキンがカクカクになる威力だよ。急所に当たると、小さいパンチでもめっちゃ効くね。ウラディミールのパンチはすごいなあ」と改めてウラディミール・クリチコの破壊力に驚く管理人。プロのリングでダウンした経験のないアレクサンデル・ポベトキンからコンパクトな左フックでダウンを奪いました。
3ラウンドに入ると、ダウンを奪われたアレクサンデル・ポベトキンがプレッシャーを強め、反撃に出ます。しかし、ウラディミール・クリチコが距離をキープしながら、飛び込んでくるタイミングで上から抱え込んでクリンチ。ウラディミール・クリチコはいつもよりディフェンスを大事に戦っている印象です。
アレクサンデル・ポベトキンは、ウラディミール・クリチコの強打を我慢しながら距離を詰めているのですが、パンチを出そうとするタイミングで、ウラディミール・クリチコにクリンチされてしまう苦しい展開。ウラディミール・クリチコが懐の深さを生かして、アレクサンデル・ポベトキンの持ち味を消し去っていますね。
ウラディミール・クリチコのペースで進み、迎えた7ラウンド30秒すぎ。ウラディミール・クリチコのワンツーがアレクサンデル・ポベトキンの顔面を直撃し、ウラディミール・クリチコが2度目のダウンを奪います。最後は、クリンチから投げ飛ばした印象でしたが、レフェリーは直前のワンツーのダメージを考慮して、ダウンと判断したようです。
一気に勝負に出るウラディミール・クリチコは、ダウンから立ち上がったアレクサンデル・ポベトキンに左フックを連打し、3度目のダウンを奪います。さらに、右ストレートから左フックで4度目のダウン!ウラディミール・クリチコのすさまじいパンチが、アレクサンデル・ポベトキンに降り注ぎます。
7ラウンドだけで3度のダウン、通算4度のダウンを喫したアレクサンデル・ポベトキン。「さすがに続行は厳しいかな?」と思ったのですが、アレクサンデル・ポベトキンが全勝の世界チャンピオンで、地元のロシアで戦っていることもあり、レフェリーは続行可能と判断したようです。
「ポベトキンはよく生き残ったね。でも、めちゃめちゃダメージが深いよ。逆に、ウラディミールは完全に主導権を握ったね。少し攻撃疲れが出ちゃったみたいなんで、フィニッシュに行かなかったけど、あと一発、右ストレートが当たれば、終わりそうな雰囲気だよ」と試合の行方に注目する管理人。ウラディミール・クリチコが唯一の対抗王者を圧倒し始めました。
8ラウンドに入ると、ダウンを奪われたアレクサンデル・ポベトキンが、捨て身で勝負に出ます。しかし、ウラディミール・クリチコが距離を取りながら、左ジャブ、左フック、右ストレートとクリンチを駆使して、アレクサンデル・ポベトキンに反撃のチャンスを与えません。
「ウラディミールが細心の注意を払いながら慎重に戦う展開は、ポベトキンにとって最悪の展開だよ。ウラディミールがKOを狙って前に出てくれば、ポベトキンのパンチも当たる可能性が増えそうなんだけどなあ。一方的になってきちゃったね」と両者のダメージの蓄積とスタミナの残り具合に注目する管理人。アレクサンデル・ポベトキンは限界ギリギリで戦っていますね。
終盤に入っても、ウラディミール・クリチコがアレクサンデル・ポベトキンをシャットアウトする展開が続き、試合終了のゴング。採点の結果、ウラディミール・クリチコが全勝のアレクサンデル・ポベトキンに大差の判定勝利を飾り、注目の王座統一戦に快勝しました。
ウラディミール・クリチコが懐の深さを生かして、アレクサンデル・ポベトキンの連打とスピードを完璧に封じ込めた試合でしたね。ウラディミール・クリチコがアレクサンデル・ポベトキンの攻撃をクリンチで封じたので、正直なところ、熱狂したり、興奮したりするような内容じゃなかったのですが、ウラディミール・クリチコの「負けない強さ」を実感できた試合でした。
敗れはしましたが、アレクサンデル・ポベトキンもあきらめずに最後までよく戦い抜いたと思います。アレクサンデル・ポベトキンがウラディミール・クリチコの懐に何度も飛び込んだ結果、クリンチが目立つ試合になったので、ある意味「誰もできなかったことをやった」と言えるかもしれません。過去の対戦相手は近づくことさえできませんでしたからね。
チャンピオン対チャンピオンの王座統一戦で、圧巻の強さを見せつけたウラディミール・クリチコ。「ポベトキンでも全く歯が立たなかったね。うーん、ベルトを独占するクリチコ兄弟に勝てるボクサーって誰だろう?」と悩んでしまう頂上対決でした。「純粋な強さ」を感じることはできない玄人好みの試合でしたが、ウラディミール・クリチコの「長期政権」はまだまだ続きそうです。
ウラディミール・クリチコ対アレクサンデル・ポベトキンの試合結果
試合結果 | ウラディミール・クリチコが12ラウンド判定勝ち。王座統一に成功し、再びクリチコ兄弟がヘビー級タイトルを独占しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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