WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | 内山高志(日本) 戦績:21戦20勝17KO1分 |
挑戦者 | 金子大樹(日本) 戦績:24戦19勝12KO2敗3分 |
内山高志選手と金子大樹選手の試合内容
圧巻の勝利を重ねるWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志選手が、日本タイトルを返上し、初の世界タイトル奪取にかける金子大樹選手を迎えて、8度目の防衛戦を行います。日本人離れしたリーチを誇るボクサー対決は序盤から息詰まる攻防となりました。
試合は、ガードを高く構え、左ジャブを突きながら前進する挑戦者の金子大樹選手に対して、チャンピオンの内山高志選手がフットワークを使い、前後左右に動きながら、パンチを打ち込む展開で始まります。どちらも相手の右ストレートを警戒しながら主導権を握ろうとしている印象です。
「金子選手、すごくいい立ち上がりじゃない?内山選手に対して、自分からプレッシャーをかけて自分のボクシングができてるよ。内山選手はいつも通り慎重な1ラウンドだね。『大砲』を当てるためにも、左ジャブの突き合いが、ひとつのポイントになるかもしれないなあ」と一進一退の立ち上がりに興味津々の管理人。お互いに一歩も引かない「積極的な探り合い」が続いています。
3ラウンドに入ると、金子大樹選手がプレッシャーを強めます。一方の内山高志選手は金子大樹選手のボディへパンチを集め、前進を食い止めようとしますが、金子大樹選手が我慢して接近戦で勝負し、ショートのフックを叩き込みます。さすがの内山高志選手も戦いづらそうです。
4ラウンドに入ると、今度は内山高志選手がプレッシャーをかけ、積極的に右ストレートを打ち込みます。「いやー、金子選手は下がらず、踏ん張りたいなあ。下がっちゃうと、内山選手が一気に襲いかかってくるよ」と思っていると、1ラウンド中盤、金子大樹選手の右ストレートが内山高志選手の顔面をとらえ、内山高志選手の動きが鈍ります。
「あ、効いた!」と思った瞬間、金子大樹選手がすかさず追撃。しかし、内山高志選手がクリンチをして連打を許さず、ピンチを乗り切ります。内山高志選手の経験が、金子大樹選手に追撃を許しませんでしたね。5ラウンドに入ると、内山高志選手はフットワークと左ジャブで巧みに使い、主導権を握り返します。距離ができると、内山高志選手の左ジャブとフットワークが生きますね。
6ラウンドは、内山高志選手が的確な左フックをクリーンヒットさせ、金子大樹選手を懐へ入れません。一方、金子大樹選手はクリーンヒットをもらう場面が増え、顔面が少しずつ腫れ始めてきたようです。左フック、右ストレート、左アッパーと多彩なパンチを使い分けるチャンピオン。パンチのバリエーションで上回る内山高志選手が少しずつ主導権を握り始めたようです。
「金子選手、苦しいと思うけど、勝負だよ。強引に距離をつぶして、パンチを体に当てたいなあ。逆に、内山選手は的確なパンチを上下に打ち分けて、一気に主導権を握りたいね」と思っていると、8ラウンド、金子大樹選手が強いパンチを打ち込みながら懐へ飛び込み、勝負に出ます。
金子大樹選手の左ジャブが内山高志選手の顔面を跳ね上げる場面がありましたが、内山高志選手はうまく回り込みながら金子大樹選手の突進を回避し、強烈な左フックと右ストレートを叩き込みます。しかし、金子大樹選手が内山高志選手の強打に耐えながら前進を続けます。
「的確なカウンターを叩き込んでいる内山選手もすごいけど、強打に耐えながら攻め続けている金子選手もすごいよ。終わってもおかしくないパンチが入っているんだけどなあ」と思っていると、10ラウンド残り30秒、金子大樹選手が内山高志選手をロープに詰めて、強烈な右フックを叩き込み、内山高志選手がダウンします。
「すげえ!会心の右フックだよ!体の柔らかい内山選手じゃなかったら、立ち上がれなかったんじゃないかな?金子選手、逆転のチャンスだよ」と思わぬダウンに驚きまくりの管理人。ダウンを奪った金子大樹選手は11ラウンド、猛然とラッシュし、内山高志選手を追い回します。
しかし、内山高志選手がフットワークを使って、距離をキープしながら、強烈な右ストレートと左フックのカウンターを打ち込みます。距離を保つだけじゃなくて、強いパンチで前進を食い止める判断力と実行力は、さすが内山高志選手ですね。逆に、金子大樹選手のほうがフラフラしている印象です。11ラウンドはボクシングの美学が凝縮された、すばらしいラウンドでした!
最終ラウンドは、まさに死闘!的確なカウンターを叩き込むチャンピオンの内山高志選手に対して、挑戦者の金子大樹選手が最後まで逆転を目指して前進を続けます。一進一退の攻防は試合終了のゴングが鳴り響くまで続き、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。
採点の結果、3人のジャッジすべてがチャンピオンの内山高志選手を支持。会場に集まったファンの大きな拍手が降り注ぐ大熱戦は、内山高志選手がダウンを奪われながらも金子大樹選手に12ラウンド判定勝ちを飾り、8度目の防衛に成功しました。
めちゃくちゃ感動的な激闘でしたね!特に、11ラウンドは2013年の年間最高ラウンドのトップ5に入る激闘でした。内山高志選手がダウンを奪われた瞬間「うわっ、右がまともに入っちゃったよ!大逆転じゃない?」と思いましたが、内山高志選手がテクニックと経験を駆使して見事に耐え抜きましたね。パンチ力だけでなく、技術と判断力に優れた内山高志選手の真髄を見た試合でした。
勝った内山高志選手だけでなく、敗れた金子大樹選手にも大きな拍手を送りたいです!敗れはしましたが、まだ25歳の金子大樹選手にとって、めちゃくちゃ大きな財産になったと思います。もう一度、世界タイトル挑戦のチャンスがめぐってくるといいなあ。今回の激闘を目にしたら、金子大樹選手が世界のベルトを巻く姿を見たいですもんね。ハートも体格も申し分のない、すばらしい逸材ですよ!
大激闘の末、8度目の防衛に成功した内山高志選手。「ダウンを奪われちゃったけど、内山選手の打たれ強さやダウン後の対応力を改めて見せつけた試合だったんじゃないかな?2014年は『日本代表』として戦う姿が見たい!日本だけじゃなくて、世界に大きな感動を届けてほしいなあ」と激しく期待してしまう大熱戦でした。日本ボクシング界を引っ張ってほしいです!
内山高志選手と金子大樹選手の試合結果
試合結果 | 内山高志選手が12ラウンド判定勝ち。8度目の防衛に成功しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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