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大偉業なるか?ノニト・ドネアが5階級制覇をかけてシンピウェ・ベチェカと激突

WBA世界フェザー級タイトルマッチ

チャンピオン シンピウェ・ベチェカ(南アフリカ)
戦績:28戦26勝15KO2敗
挑戦者 ノニト・ドネア(フィリピン)
戦績:34戦32勝21KO2敗

シンピウェ・ベチェカ対ノニト・ドネアの試合内容

ボクシング史上7人目の5階級制覇を狙うノニト・ドネアが日本のボクシングファンにおなじみのシンピウェ・ベチェカに挑戦するWBA世界フェザー級タイトルマッチ。ノニト・ドネアは初登場となるマカオを舞台に大偉業を達成することができるでしょうか?

試合は、中間距離から鋭い左ジャブを上下に打ち分けるチャンピオンのシンピウェ・ベチェカに対して、挑戦者のノニト・ドネアがシンピウェ・ベチェカのパンチに合わせて、カウンターを狙う展開で始まります。ノニト・ドネアは普段よりガードを高く構えている印象です。

「ベチェカの左ジャブはめちゃめちゃ長いなあ。ドネアは右ストレートをかぶせて、ベチェカがパンチを出しづらい状況を作ろうとしていると思うんだけど、ベチェカがひるむことなく、攻めているね。パンチの交換が多い試合になるかもしれないなあ」と思っていると、1ラウンド終了直後、ノニト・ドネアがヒザからリングに崩れ落ち、苦悶(くもん)の表情を浮かべます。

「あれ?ドネアがダウンしちゃった。当たったパンチがわからなかったなあ。何が起きたんだろう?」と頭にクエスチョンマークが何個も浮かぶ管理人。どうやら、シンピウェ・ベチェカの頭がノニト・ドネアに当たったようです。ノニト・ドネアは左のまぶたを大きくカットしてしまいました。出血も激しく、オープニングラウンドで早くも逆境に立たされてしまいます。

2ラウンドに入り、ノニト・ドネアが左ジャブを連打したり、距離を取ったり、目線を変えながら、攻撃を組み立てようとしますが、シンピウェ・ベチェカの頭が中盤と終盤に再び当たってしまいます。頭が立て続けに同じ箇所に当たり、ノニト・ドネアの出血がさらに激しくなっちゃいました。

「ドネアがめっちゃイライラしてるね。冷静さを失わないといいんだけどなあ」とノニト・ドネアのコンディションに注目する管理人。左サイドの視界が心配になるくらいの出血です。3ラウンドに入ると、ノニト・ドネアがフットワークを使い始め、鋭い左ジャブと左フックを打ち込んで、シンピウェ・ベチェカを後退させます。

「お!ドネアらしさが出てきたかな?ドネアがスピードを生かして先に攻めると、ベチェカは見ちゃうんで、どうしても手数が減っちゃうね。ドネアは小さく強く攻めたいよ。逆に、ベチェカは遅れてもいいんで、絶対にパンチを返したいね。序盤のヤマ場だよ」と激しい攻防に注目する管理人。ノニト・ドネアが左ジャブを使い始めたことで、パンチが当たるようになってきました。

4ラウンドに入ると、シンピウェ・ベチェカが左ジャブを突きながらプレッシャーをかけ、勝負に出ます。主導権を簡単に渡さない見事な作戦ですね。プレッシャーをかけながら、パンチを上下に打ち分けるシンピウェ・ベチェカは4ラウンド1分すぎ、ノニト・ドネアをロープへ詰めて、打ち下ろしの右ストレートと左ボディブローを連打します!

「すげえ!完璧な攻撃だよ。ドネアはベチェカの右ストレートが見えてないかも。苦しい試合になってきたなあ」と思っていると、ノニト・ドネアが反撃の左フックを一閃!コンパクトな左フックをまともに浴びてしまったシンピウェ・ベチェカがリングに崩れ落ちます。

「出たっ、久しぶりのフィリピーノ・フラッシュ!めちゃめちゃコンパクトで強い左フックだったね。接近戦で打たれたら、よけられないよ。一発で流れをひっくり返しちゃったね」と会心の左フックに大興奮の管理人。ダウンから立ち上がったシンピウェ・ベチェカですが、ダメージが深く、明らかに動きが鈍っていますね。足に力が入っていない印象です。

一気に攻めたいノニト・ドネアは、追撃の左フックを当てますが、大きいパンチを狙いすぎてしまったのか、効果的に追撃することができません。しかも、ノニト・ドネアが左目の血をグローブで拭いた仕草を見たレフェリーが、ドクターに傷のチェックを要請。シンピウェ・ベチェカに休む時間を与えてしまいます。ノニト・ドネアはコンパクトに攻めて、もっとダメージを与えたかったですね。

「ドネアの良いところと悪いところが出たラウンドだったね。逆に、ベチェカはよく耐えたなあ。たぶん、ドネアはパンチが見えてないんで、長丁場になれば、回復したベチャカが反撃する可能性もあるんじゃないかな?」と思っていると、5ラウンド開始直後、レフェリーが試合をストップ。ノニト・ドネアの傷が深く、続行不可能と判断したようです。

突然の試合終了に驚いちゃいましたが、レフェリーが試合終了を宣言したので、勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。採点の結果、3人のジャッジすべてが、ノニト・ドネアを支持。ノニト・ドネアがシンピウェ・ベチェカに5ラウンド負傷判定勝ちを飾り、5階級制覇を達成しました。

いやー、あまりに突然の終了でビックリしちゃいました。ノニト・ドネアの立ち上がりは決して良くなかったと思うのですが、少しずつ良さが出てきて「ドネアのエンジンがかかり始めて、激しさが増しそうな雰囲気だよ」と期待感が高まった直後のストップだったので、消化不良な試合になっちゃいましたね。でも、偶然のバッティングなので、しょうがないですね。

思わぬ形で5階級制覇を達成した「フィリピンの閃光」ノニト・ドネア。「全体的に大味な印象だったけど、久しぶりのフィリピーノ・フラッシュはすごかったなあ。コンパクトな左フックでもフェザー級のボクサーを倒せることを証明したね」とノニト・ドネアの破壊力を改めて実感できた記念すべき試合でした。ノニト・ドネアが再戦を約束していたので、完全決着に期待しましょう!

シンピウェ・ベチェカ対ノニト・ドネアの試合結果

試合結果 ノニト・ドネアが5ラウンド負傷判定勝ち。ボクシング史上7人目となる5階級制覇を達成しました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 49-46
  • 49-46
  • 49-46
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