IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | キコ・マルチネス(スペイン) 戦績:34戦30勝22KO4敗 |
挑戦者 | 長谷川穂積(日本) 戦績:37戦33勝15KO4敗 |
キコ・マルチネスと長谷川穂積選手の試合内容
バンタム級とフェザー級で2階級制覇を達成した長谷川穂積選手が3階級制覇をかけて強打のキコ・マルチネスに挑戦するIBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ。長谷川穂積選手は、日本人ボクサー2人目となる3階級制覇を成し遂げ、再び世界の頂点に立つことができるでしょうか?
試合は、頭の位置を変えながら左ジャブを突き、飛び込むタイミングを狙うチャンピオンのキコ・マルチネスに対して、挑戦者の長谷川穂積選手がフットワークを生かしてポジションを変え、右ジャブから左ストレートを打ち込む展開で始まります。接近戦で打ち合いたいキコ・マルチネスに対して、長谷川穂積選手はカウンターを狙っている印象です。
2ラウンドに入ると、キコ・マルチネスがプレッシャーを強め、長谷川穂積選手をロープに追い詰めます。一方、長谷川穂積選手は、ロープを背にしながらカウンターを狙っています。お互いが足を止めた打ち合いとなり、迎えた2ラウンド30秒すぎ。キコ・マルチネスの左右のフックが長谷川穂積選手の顔面を直撃し、長谷川穂積選手の腰が落ちます。
長谷川穂積選手は、すぐにクリンチして、追撃を回避しようとしますが、キコ・マルチネスが強引にパンチを振り回し、長谷川穂積選手がダウン!すぐにダウンから立ち上がった長谷川穂積選手ですが、足に力が入っていない印象です。試合が再開されると、勝負を決めたいキコ・マルチネスが猛然とラッシュ!長谷川穂積選手はパンチを打ちながら何とか応戦しています。
「いやー、長谷川選手、よく耐えたなあ。あぶなかった。足を止めた打ち合いは、マルチネスの持ち味が発揮される展開なんで、できれば避けたいところだけど、長谷川選手のフットワークはどうだろう?動けるかな?」と心臓が口から飛び出しそうな管理人。しかし、長谷川穂積選手の足は思うように動かず、打ち合うことで、キコ・マルチネスの追撃を回避するしかないようです。
「足が動かないなら、覚悟を決めて打ち合うしかないかも。頑張れ、長谷川選手。顔面がガラ空きになるんで、リスクはあるけど、左ボディブローはめちゃくちゃ有効だよ。あ、マルチネスがボディを嫌がってる」と応援に熱が入る管理人。長谷川穂積選手が、みぞおちに左ボディブローを打ち込むたび、キコ・マルチネスの動きが一瞬止まります。
一方、打たれながら勝ってきたキコ・マルチネスは、必死に我慢しながら前進を続け、体重を乗せたパンチを振り回して応戦。どちらのパンチもクリーンヒットする壮絶な我慢比べになってきました。一進一退の攻防が続き、迎えた4ラウンド。長谷川穂積選手が偶然のバッティングで左のまぶたを大きくカットしてしまいます。出血が目に入る箇所をカットしちゃいましたね。
血が目に入り、戦いづらそうな長谷川穂積選手に対して、キコ・マルチネスはパンチを連打しながら距離を詰め、休む時間を与えません。キコ・マルチネスが長谷川穂積選手に強烈なプレッシャーをかける展開が続き、迎えた7ラウンド1分。キコ・マルチネスの左フックがカウンターとなり、長谷川穂積選手が力なくリングに手を突き、2度目のダウンを奪われてしまいます。
「あああ、長谷川選手はもう体に力が残ってないよ。いやー、続行は無理じゃないかな?これ以上パンチをもらう前にストップしてあげて」と思ったのですが、長谷川穂積選手はダウンから立ち上がり、レフェリーの判断は試合続行。3階級制覇、そして、世界チャンピオン返り咲きへ執念を見せる長谷川穂積は、不屈の闘志で戦うことを選びます。
しかし、最後は、キコ・マルチネスの連打を浴び、3度目のダウンを喫したところで、レフェリーが試合をストップ。キコ・マルチネスが長谷川穂積選手に7ラウンドTKO勝ちを飾り、2度目の防衛に成功しました。長谷川穂積選手の3階級制覇は達成されませんでした。
キコ・マルチネスの粘り強いボクシングが、長谷川穂積選手を飲み込んだ試合でしたね。2ラウンドに喫したダウンのときも最初にパンチをクリーンヒットさせたボクサーは、長谷川穂積選手だったのですが、キコ・マルチネスが我慢してパンチを打ち返し、試合の流れを引き寄せました。キコ・マルチネスのタフネスぶりを改めて知ることができた壮絶な我慢比べでした。
キコ・マルチネスと長谷川穂積選手の試合結果
試合結果 | キコ・マルチネスが7ラウンドTKO勝ち。長谷川穂積選手の3階級制覇は実現しませんでした。 |