WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ
チャンピオン | ルスラン・プロボドニコフ(ロシア) 戦績:25戦23勝16KO2敗 |
挑戦者 | クリス・アルジェリ(アメリカ) 戦績:19戦全勝8KO |
ルスラン・プロボドニコフ対クリス・アルジェリの試合内容
涙の世界タイトル奪取を成し遂げたWBO世界スーパーライト級チャンピオンのルスラン・プロボドニコフが、全勝のクリス・アルジェリを迎えた初防衛戦。爆発的な攻撃力を誇るルスラン・プロボドニコフの連打がさく裂するのでしょうか?それとも、クリス・アルジェリが懐の深さを生かして主導権を握るのでしょうか?両雄の激突は、予想をはるかに上回る激闘になりました。
試合は、低い姿勢から距離を詰め、左右のフックを強振するチャンピオンのルスラン・プロボドニコフに対して、挑戦者のクリス・アルジェリがガードを高く構え、ディフェンスを大事にしながら鋭い左ジャブで応戦する展開で始まります。ルスラン・プロボドニコフは、長身で、フットワークに優れたクリス・アルジェリにパンチを当てるため、ボディブローを多用していますね。
「プロボドニコフのボディブローがめっちゃ強烈だよ。アルジェリはブロックだけで守ろうとすると、サンドバッグ状態になっちゃうんで、回転の速い左ジャブを連打して、右ストレートか左フックで前進を止めたいね」と思っていると、1ラウンド中盤、ルスラン・プロボドニコフの左フックが顔面にクリーンヒットし、クリス・アルジェリが、ものすごい勢いで後ろに倒れます。
【Photo:HBO】
「うぎゃ、すごい左フック!あああ、アルジェリの目がめっちゃ腫れてる。アルジェリは大ピンチだよ」とルスラン・プロボドニコフの先制攻撃に大きな拍手を送る管理人。ボディブローを中心に攻撃を組み立てていたルスラン・プロボドニコフが、クリス・アルジェリの左フックに合わせて、強烈な左フックを打ち込みました!相打ち覚悟の左フックでしたね。
クリス・アルジェリがダウンから立ち上がり、試合が再開されると、ルスラン・プロボドニコフがすかさず距離を詰め、強烈なパンチを連打!1ラウンド残り1分、ルスラン・プロボドニコフがクリス・アルジェリをロープに詰めて、上下にパンチを打ち分け、2度目のダウンを奪います。ルスラン・プロボドニコフの持ち味が爆発したオープニングラウンドです。
2ラウンドに入ると、2度のダウンを奪われたクリス・アルジェリが左右に大きく動きながら左ジャブを連打し、的を絞らせないボクシングを披露します。一方、ルスラン・プロボドニコフはクリス・アルジェリの回転の速い左ジャブに手を焼いている印象です。クリス・アルジェリの手数が増えた影響で、ルスラン・プロボドニコフが簡単に踏み込めなくなってきました。
【Photo:HBO】
「アルジェリの左ジャブはすごいよ。プロボドニコフの顔面が、あっと言う間に腫れちゃったね。2ラウンドが終わった時点で、2人とも顔面がすごいことになってる。予想以上の我慢比べになってきたなあ」と序盤の主導権争いに大興奮の管理人。一発強打のルスラン・プロボドニコフと手数のクリス・アルジェリ。お互いの持ち味が発揮される一進一退の攻防が繰り広げられています。
3ラウンド以降は、被弾を覚悟で前進を続けるルスラン・プロボドニコフに対して、クリス・アルジェリが左ジャブを連打しながら左右に大きく動くボクシングで応戦。一撃の破壊力は、ルスラン・プロボドニコフが間違いなく上回っていますが、クリーンヒットの数はクリス・アルジェリが上回っていますね。どちらもめっちゃ苦しいと思うのですが、お互いに一歩も引きません。
中盤は、クリス・アルジェリが距離をキープしながら、前進するルスラン・プロボドニコフの顔面とボディにパンチを打ち分ける展開が続きます。ルスラン・プロボドニコフのボクシングに慣れてきた影響でしょうか?クリス・アルジェリが体重を乗せてパンチを打ち込むシーンが増えてきましたね。追い込まれているボクサーはクリス・アルジェリですが、先手先手でパンチを打ち込みます!
【Photo:HBO】
終盤に入ると、クリス・アルジェリがクリンチを使い始め、ブロッキング、フットワーク、クリンチの3つを駆使して、ルスラン・プロボドニコフの攻撃を全力で回避します。一発のルスラン・プロボドニコフ、手数のクリス・アルジェリという流れが続き、試合終了のゴング。お互いの顔面が腫れ上がる死力を尽くした大激闘の勝敗は、3人のジャッジにゆだねられます。
結果は、2人のジャッジがクリス・アルジェリ、1人がルスラン・プロボドニコフを支持。1ラウンドに2度のダウンを奪われたクリス・アルジェリが執念で盛り返し、ルスラン・プロボドニコフに12ラウンド判定勝ちを飾りました。クリス・アルジェリは初の世界戦でタイトル奪取に成功です!
クリス・アルジェリが左ジャブとフットワークを駆使して、ルスラン・プロボドニコフの追撃を許さず、勝利を引き寄せた試合でしたね。ルスラン・プロボドニコフが1ラウンドに2度のダウンを奪ったときは「終わっちゃうかも」と思ったのですが、クリス・アルジェリが驚異の粘りを発揮。久しぶりに「冷静に激しく盛り返した大逆転だったなあ」と感じたクリス・アルジェリの初戴冠でした。
ルスラン・プロボドニコフ対クリス・アルジェリの試合結果
試合結果 | クリス・アルジェリが12ラウンド判定勝ち。全勝のまま世界タイトル奪取に成功です。 【公式ジャッジの採点結果】
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