WBO世界フェザー級王座決定戦
ランキング1位 | ゲイリー・ラッセル(アメリカ) 戦績:24戦全勝14KO |
ランキング4位 | ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ) 戦績:2戦1勝1KO1敗 |
ゲイリー・ラッセル対ワシル・ロマチェンコの試合内容
全勝の快進撃を続けるゲイリー・ラッセルとオリンピック2連覇を果たしたワシル・ロマチェンコが激突するWBO世界フェザー級王座決定戦。プロ3戦目となるワシル・ロマチェンコが勝てば、世界タイトル奪取の最短記録に並ぶ大一番です。オリンピック出身のサウスポー対決を勝ち抜き、世界チャンピオンに君臨するボクサーはどちらでしょうか?
試合は、鋭い右ジャブを連打しながらプレッシャーをかけるゲイリー・ラッセルに対して、ワシル・ロマチェンコが鋭い左ストレートのカウンターを合わせて、ゲイリー・ラッセルの右ジャブを封じる展開でスタートします。ワシル・ロマチェンコは1ラウンド中盤になると、プレッシャーを強めて、積極的に攻撃。ゲイリー・ラッセルがプレッシャーを感じている下がっている印象です。
「ロマチェンコの左ストレートのカウンターは絶妙だったね。ラッセルのジャブが出なくなっちゃったなあ。ロマチェンコが心理面の主導権を握ったかも。ラッセルがどうやって突破口を切り開くのか、楽しみだなあ」と立ち上がりの攻防に大きな拍手を送る管理人。ワシル・ロマチェンコが積極的に攻撃を仕掛けて、ゲイリー・ラッセルをうまく後手に回らせている印象です。
【Photo:Showtime】
一方、ゲイリー・ラッセルは、ワシル・ロマチェンコの左ストレートの威力が想像を上回っていたのでしょうか?ディフェンスを大事に戦っている印象です。手数は多いのですが、重心が後ろに残っているため、本来の速くて強いパンチでなく、手打ちのパンチが目立ちます。ゲイリー・ラッセルはもう少し距離を詰めて、ワシル・ロマチェンコのボディを叩いておきたいですね。
ワシル・ロマチェンコのペースで進み、迎えた5ラウンド中盤。ワシル・ロマチェンコが猛攻を仕掛け、左ストレートのカウンター、右ボディブローをゲイリー・ラッセルに叩き込み、的確なパンチで圧倒します。リズム良く戦っている影響でしょうか?ワシル・ロマチェンコのパンチの的中率がめちゃめちゃ高く、打たせずに打ちながら、スタミナの消耗を回避する理想的なボクシングです。
ワシル・ロマチェンコは7ラウンド残り30秒にも強烈な左アッパーと左ボディブローを連打!ゲイリー・ラッセルの動きが止まる破壊力です。ゲイリー・ラッセルはワシル・ロマチェンコのパンチに耐えながら、必死に反撃しているのですが、両者のダメージの違いが、スピードの違いにつながり、ゲイリー・ラッセルはどうしても後手になっちゃいますね。
【Photo:Showtime】
10ラウンドに入ると、ワシル・ロマチェンコのスタミナが落ちてきた影響で、ゲイリー・ラッセルが攻め込む時間が増えます。しかし、ワシル・ロマチェンコは、終了間際にスマッシュ気味の右アッパーを突き上げ、ゲイリー・ラッセルのアゴが跳ね上がります。ワシル・ロマチェンコは、ポイントがゲイリー・ラッセルに流れそうなラウンドで、うまくポイントをキープしていますね。
「いやー、ラストのスマッシュはめちゃめちゃ大きいよ。マイナス1ポイントのところが、プラス1ポイントだもん。ラッセルはもっと距離を詰めてボディから攻めて、ロマチェンコを失速させたいね。逆転するためにはダウンが必要だよ。ラスト2ラウンドでどれだけ攻め込むことができるかな?」と勝負の終盤に注目する管理人。11ラウンドと12ラウンドは大激闘が繰り広げられます。
逆転を狙って攻め込むゲイリー・ラッセルに対して、ワシル・ロマチェンコがフラフラになりながらも必死に応戦。ワシル・ロマチェンコが主導権を渡さないまま、打ち合いを続け、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。歴史的な大記録の更新が期待される大一番の勝敗は、3人のジャッジにゆだねられます。
【Photo:Showtime】
採点の結果、2人のジャッジがワシル・ロマチェンコを支持し、1人のジャッジが引き分け。プロ3戦目のワシル・ロマチェンコが全勝のゲイリー・ラッセルに12ラウンド判定勝ちを飾り、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。ワシル・ロマチェンコは、センサク・ムアンスリンが持つ世界タイトル奪取の最短記録に並び、ボクシングの歴史に名前を刻みました。
ワシル・ロマチェンコのテクニックと試合運びのうまさが、ゲイリー・ラッセルの攻撃力とスピードを封じ込めた試合でしたね。開始直後、ゲイリー・ラッセルの右ジャブに合わせて放ったワシル・ロマチェンコの左ストレートのカウンターが、試合の流れを決定する大きなポイントになった気がします。ゲイリー・ラッセルの右ジャブが一気に出なくなっちゃいましたね。
プロ3戦目で悲願の世界タイトル奪取を果たしたワシル・ロマチェンコ。「アマチュア最強どころか、フェザー級最強じゃないかな?相性を考えると、ノニト・ドネアとニコラス・ウォルタースでも捕まえることは簡単じゃないよね?ちょっと気が早いけど、ギジェルモ・リゴンドー戦が実現してほしいなあ」と激しく期待してしまうワシル・ロマチェンコの大偉業でした。すげえ!
ゲイリー・ラッセル対ワシル・ロマチェンコの試合結果
試合結果 | ワシル・ロマチェンコが12ラウンド判定勝ち。ボクシング史上最短となるプロ3戦目で世界タイトル奪取に成功しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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