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最軽量級の名勝負!高山勝成と小野心の日本人対決

IBF世界ミニマム級タイトルマッチ

チャンピオン 高山勝成(日本)
戦績:33戦26勝10KO6敗1無効試合
挑戦者 小野心(日本)
戦績:24戦17勝2KO5敗2分

高山勝成選手と小野心選手の日本人対決の試合内容

最軽量級のミニマム級で頂点に君臨するIBFチャンピオンの高山勝成選手が、悲願の世界タイトル奪取を狙うサウスポーの小野心選手を迎えて、2度目の防衛戦を行います。最軽量級を舞台に繰り広げられた日本人対決は、お互いのプライドがスパークする大熱戦になりました。

試合は、前後左右に動きながら飛び込んでパンチを打ち込むチャンピオンの高山勝成選手に対して、挑戦者の小野心選手が右ジャブと右フックを使って距離をキープしながら左ストレートを打ち込むタイミングを狙う展開で始まります。高山勝成選手の俊敏な動きが印象的な立ち上がりです。

序盤は、チャンピオンの高山勝成選手が軽快なフットワークで小野心選手をあおる展開が続きます。一方、挑戦者の小野心選手は、ラウンドが進むにつれて、高山勝成選手の動きに慣れてきたようで、踏み込んでくる高山勝成選手を右フックで回して、左ストレートのカウンターを叩き込みます。

「おおお、すごい主導権争い!小野選手が半身に構えて、距離をキープすると、さすがの高山選手も簡単に攻め込めないなあ。高山選手はどうやって、リーチ差を埋めるのかな?」と激しい主導権争いに大興奮の管理人。距離を詰めると高山勝成選手、距離をキープすると小野心選手のボクシングが生きる攻防が繰り広げられています。

チャンピオンの高山勝成選手は、左ジャブだけでなく、右ストレートもリードパンチに使いながら、パンチをダブルで打ち込むタイミングで、グッと踏み込み、距離を詰めている印象です。小野心選手はサウスポーで、しかも、リーチが長いので、高山勝成選手は、かなり距離感を感じていると思うのですが、距離の詰め方が絶妙ですね。さすがは経験豊富な高山勝成選手です。

一方、小野心選手も負けていません。俊敏な高山勝成選手に対して、必ずパンチを打ち込んで、簡単に攻め込ませないボクシングを披露しています。試合後半に入ると、小野心選手の左ストレートが、高山勝成選手の顔面にヒットする場面が増えてきました。休んだボクサーが一気に主導権を失ってしまいそうな、過酷な我慢比べが続いています。

お互いのパンチがクリーンヒットする場面が増え、どちらの顔面も腫れ上がる大熱戦が繰り広げられ、迎えた10ラウンド中盤。もみ合いの末、小野心選手の体がロープに絡まり、上半身がリング外へ飛び出してしまいますが、レフェリーの判断は試合続行。次の瞬間、レフェリーをちらりと見て、続行を確認した高山勝成選手が強烈なフックを連打!小野心選手からダウンを奪います。

「うわっ!接戦でダウンの2ポイントは大きいなあ。勝敗を左右する可能性もあるんじゃないかな?」と予想外のダウンシーンに驚く管理人。ダウンを奪われた小野心選手はポイントを奪い返すため、攻撃に出ますが、逆に、10ラウンド終盤、高山勝成選手の強烈なフックをもらってしまいます。

悲願の世界タイトル奪取を目指す小野心選手は、ラスト2ラウンドで必死に盛り返そうと前進!しかし、高山勝成選手がフットワークを使いながらカウンターを打ち込み、主導権を渡しません。どちらもめちゃめちゃ疲れていることは間違いないと思うのですが、ダメージが蓄積している分だけ、小野心選手のほうが体が動かない印象です。

最終ラウンドは、高山勝成選手が力強いパンチとコンパクトな連打を駆使して、小野心選手を後退させ、2度目のダウンを奪います。一気に勝負を決めたい高山勝成選手はKOを狙って追撃!しかし、小野心選手がフラフラになりながらも最後の最後まで戦い抜き、試合終了のゴングが鳴り響きます。

大熱戦の勝敗は3人のジャッジにゆだねられ、3人のジャッジすべてが高山勝成選手を支持。高山勝成選手が粘る小野心選手から2度のダウンを奪う12ラウンド判定勝ちで、IBFミニマム級タイトルの2度目の防衛に成功しました。

お互いが死力を尽くして戦い抜いた名勝負でしたね!勝った高山勝成選手はもちろん、敗れた小野心選手にも特大の拍手を送りたいです!結果的に、高山勝成選手の経験とスピードが、小野心選手の執念を上回りましたが、中盤から終盤にかけて必死に盛り返した小野心選手の頑張りが最軽量級の日本人対決を名勝負に昇華させた大きな要因だったと思います。高山勝成選手も小野心選手もすげえ!

防衛に成功した高山勝成選手は、日本人初となるボクシング主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)のすべての世界タイトル奪取を目標に掲げています。残るベルトはWBOだけ。世界を転戦して活躍を続ける高山勝成選手が「グランドスラム」を達成したら、ものすごいドラマだと思いませんか?最も「グランドスラム」が似合う日本人ボクサーだと思います。ぜひ王座統一戦の実現を!

高山勝成選手と小野心選手の日本人対決の試合結果

試合結果 高山勝成選手が12ラウンド判定勝ち。2度目の防衛に成功しました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 117-109
  • 115-111
  • 115-111
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