手負いのノニト・ドネア!勢いを増すニコラス・ウォータースを撃破できるか?
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ノニト・ドネアが2ラウンド終了間際に強烈なコンビネーションブローを叩き込めば、ニコラス・ウォータースが3ラウンド終盤に鋭い右アッパーでダウンを奪う激動の展開で幕を開けたWBA世界フェザー級王座統一戦。5ラウンドに入ると、ニコラス・ウォータースがプレッシャーを強め、積極的にパンチを繰り出します。ニコラス・ウォータースは勝負に出ている印象です。
一方のノニト・ドネアは、ニコラス・ウォータースの前進を止めるため、力強いパンチを打ち込んで応戦。体重を思いきり乗せてパンチを強振するノニト・ドネアに対して、ニコラス・ウォータースは左ジャブから右ストレートを小さく強く打ち込んでいます。ニコラス・ウォータースのパンチの的中率がノニト・ドネアのパンチの的中率を完全に上回り始めましたね。
「ドネアは、体を預けて超接近戦で勝負するか、思いきり距離をキープして回復するか、どっちかに専念したほうがいいんじゃないかな?中途半端な距離で応戦すると、パンチをもらい続ける展開になりそうな雰囲気だよ」と思っていると、6ラウンド終了間際、ニコラス・ウォータースが強烈な右ストレートのカウンターを叩き込み、ノニト・ドネアが前のめりに崩れ落ちます!
【Photo:HBO】
「ぎょえー!めっちゃ効いてる!左フックを空振りして、体が流れたところへ得意のパンチが飛んできたね。続行は無理じゃないかな?レフェリー、ストップしてあげて」と思った瞬間、レフェリーが大きく両手を交差し、フラフラするノニト・ドネアの体を受け止めて勝負あり。ニコラス・ウォータースがノニト・ドネアに6ラウンドKO勝ちを飾り、王座統一戦に成功しました。
ニコラス・ウォータースのパワーとフィジカルの強さが、ノニト・ドネアのスピードと経験を上回った衝撃の結末でしたね。試合が決まった瞬間、一緒にテレビ観戦していた全員がソファーにもたれかかったまま放心してしまうくらいの大きな衝撃でした。集まった全員がノニト・ドネアのファンなので、魂の抜け方がハンパないです。みんな白目でぐったりしています。
序盤を観戦する限り、ノニト・ドネアの出来は決して悪くなかったと思います。特に、2ラウンドの左ジャブから崩して鋭いコンビネーションブローを上下に打ち分けるボクシングを目にしたときは「いける!」とテンションがめちゃめちゃ上がりました。スピードでかき回しながら、コンビネーションを上下に打ち分け続けることができそうな雰囲気はありました。
【Photo:HBO】
右アッパーでダウンを奪われたあと、トレーナーのノニト・ドネア・シニアは「フットワークを使うことを心がけよう」と指示を出していました。でも、ノニト・ドネアはダメージの影響で動けなかったんでしょうね。指示は絶対に届いていたと思うんですよ。ノニト・ドネアの反撃したいという気持ちが痛いくらい伝わってきたので、本当に切なかったです。
プロ初のKO負けを喫しちゃいましたけど、試合後のインタビューを含めて、ノニト・ドネアは最後の最後までスーパースターでした。過去の試合も含めたダメージがめっちゃ蓄積していると思うので、長めの休養を取って、リングに戻ってきてほしいです。ニコラス・ウォータースをダウン寸前まで追い込んだ2ラウンドの攻撃は間違いなく「フィリピンの閃光」でしたよ。
一方、大金星を手にしたニコラス・ウォータースは試合内容、試合後のインタビューを含めて文句のつけようがなかったです。アメリカのファンと関係者の評価がすごく高いボクサーなので、大きなイベントに出場する機会が増えれば、もっともっと人気が出そうですね。「ウォータースもドネアもめちゃめちゃ美しかったなあ」と特大の拍手を送った激動の新旧交代劇でした。
ノニト・ドネア対ニコラス・ウォータースの試合結果
試合結果 | ニコラス・ウォータースが6ラウンドKO勝ち。会心の勝利で王座統一に成功しました。 |