WBC世界ヘビー級タイトル挑戦者決定戦
WBCランキング2位 | ブライアント・ジェニングス(アメリカ) 戦績:18戦全勝10KO |
WBCランキング3位 | マイク・ペレス(キューバ) 戦績:21戦20勝12KO1分 |
ブライアント・ジェニングス対マイク・ペレスの試合内容
WBCランキング2位のブライアント・ジェニングスと3位のマイク・ペレスがWBC世界ヘビー級タイトルへの挑戦権をかけて激突する注目の無敗対決。粘り強いボクシングが持ち味のブライアント・ジェニングスか?サウスポーのマイク・ペレスか?決戦の幕開けを告げるゴングが鳴り響きます。
試合は、プレッシャーをかけながらカウンターを狙うサウスポーのマイク・ペレスに対して、ブライアント・ジェニングスが左ジャブを突きながら距離をキープする展開で始まります。リーチの長さで上回るブライアント・ジェニングスが懐の深さを最大限に生かそうとしていますね。
一方、マイク・ペレスは距離を詰めながら誘うことで、リーチの差を埋めようとしている印象です。ただ、ブライアント・ジェニングスがディフェンス重視の作戦で、無理をして攻め込もうとしないので、マイク・ペレスは戦いづらそうですね。ブライアント・ジェニングスもマイク・ペレスもテクニシャン。ヘビー級の挑戦者決定戦ですが、めちゃめちゃ静かな立ち上がりです。
【Photo:HBO】
「ジェニングスもペレスもテクニシャンだけど、スタイルは正反対だね。特に、ディフェンスの違いはおもしろいなあ。ジェニングスは長い手を使って、すっぽりと顔面とボディを隠しているね。逆に、ペレスはノーガードになる時間が多いよ。ジェニングスの軽いパンチをジャッジが評価するかどうかで、採点が割れるかも」と思わず考えてしまう緊迫の立ち上がりです。
中盤に入ると、ブライアント・ジェニングスが距離を詰め、体を密着させた状態の打ち合いが展開されます。一撃のパワーはマイク・ペレスのほうが上回っていると思うのですが、ブライアント・ジェニングスがブロックしながら反撃のパンチを打ち返すので、マイク・ペレスの攻撃が薄れている印象です。逆に、ブライアント・ジェニングスのパンチはクリーンヒットしていますね。
「ディフェンスの違いが『見た目の印象の違い』につながっているかも。軽いけど、パンチを当てているジェニングスのほうが好印象だよ。ペレスはもっと手数がほしいね」と思っていると、8ラウンド残り40秒、ブライアント・ジェニングスのカウンターの右フックがクリーンヒットし、マイク・ペレスの動きが鈍ります。ブライアント・ジェニングスは狙い通りの試合運びですね。
【Photo:HBO】
一進一退の攻防が続き、迎えた最終ラウンド。お互いが最後の力を振り絞って、パンチを打ち込みます。「接戦の可能性が高いと思うんで、どっちも最終ラウンドのポイントを取りたいよ」と思っていると、マイク・ペレスがブライアント・ジェニングスに頭突きをしてしまい、1ポイント減点されてしまいます。マイク・ペレスの気合いが空回っちゃいましたね。
試合は、お互いがパンチを交換する展開が続き、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。勝敗は3人のジャッジにゆだねられ、2人がブライアント・ジェニングス、1人がマイク・ペレスを支持。ブライアント・ジェニングスがマイク・ペレスに12ラウンド判定勝ちを飾り、WBC世界ヘビー級タイトルに挑戦する権利を獲得しました。敗れたマイク・ペレスは無念のプロ初黒星です。
ブライアント・ジェニングスが懐の深さを生かした粘り強いボクシングで、マイク・ペレスのテクニックを封じ込めた試合でしたね。最終ラウンドの減点がなければ、引き分け。1ポイントの減点が勝敗を分ける結果になりました。ヘビー級の挑戦者決定戦にしては、かなり静かな試合内容でしたが、お互いの「負けたくない気持ち」がめっちゃ伝わってきた興味深い挑戦者決定戦でした。
ブライアント・ジェニングス対マイク・ペレスの試合結果
試合結果 | ブライアント・ジェニングスが12ラウンド判定勝ち。WBC世界ヘビー級タイトル挑戦権を獲得しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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