WBO世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 亀田和毅(日本) 戦績:29戦全勝18KO |
挑戦者 | プンルアン・ソー・シンユー(タイ) 戦績:48戦46勝31KO2敗 |
亀田和毅選手とプンルアン・ソー・シンユーの試合内容
亀田和毅選手がラスベガスに乗り込んで、強打のプンルアン・ソー・シンユーの挑戦を受けるWBO世界バンタム級タイトルマッチ。全勝の快進撃を続ける亀田和毅選手は、王座返り咲きに燃えるプンルアン・ソー・シンユーを撃破し、2度目の防衛に成功することができるでしょうか?
試合は、ガードを高く構えて真っ向から距離を詰めようとする挑戦者のプンルアン・ソー・シンユーに対して、チャンピオンの亀田和毅選手が鋭い左ジャブを突きながら大きく左右に動き、コンパクトな右ストレートと力強いアッパーを上下に打ち込む展開で始まります。
「お!亀田選手は理想的な立ち上がりじゃない?亀田選手のパンチだけが当たる展開が続くと、挑戦者に焦りが生まれると思うんで、ますますパンチが当たりやすくなりそうな雰囲気だね。強いパンチに気をつけて、主導権を握りたいよ」と亀田和毅選手のボクシングに拍手を送る管理人。亀田和毅選手は持ち味のスピードを最大限に生かした理想的なボクシングですね。
【Photo:Showtime】
一方、プンルアン・ソー・シンユーはガードの上を打たせながら必死で距離を詰めようとします。しかし、パンチを当てようとすると、亀田和毅選手に回り込まれてしまう苦しい展開。プンルアン・ソー・シンユーは「真っ向から距離を詰めてパンチを強く打ち込むタイプ」の正直なボクサーなので、亀田和毅選手のような瞬発力のあるテクニシャンは苦手なのかもしれませんね。
亀田和毅選手のペースで進み、迎えた4ラウンド序盤。プンルアン・ソー・シンユーのショートの右ストレートが顔面をとらえ、亀田和毅選手の腰が落ちます。「うぎゃ、やばい!」と思わず叫んでしまう破壊力です。しかし、亀田和毅選手は、フットワークとブロッキングを駆使して追撃を回避。さらに、体に力が戻ってくると、パンチを打ち返して、追撃のチャンスを与えません。
「いやー、すばらしい!亀田選手、よく耐えたね。ピンチで追撃させなかったことで、精神的なダメージを与えることができたかもしれないなあ。5ラウンド、勝負だよ。主導権を奪い返したい!」と応援に力が入る管理人。5ラウンドは、真っ向から飛び込んでくるプンルアン・ソー・シンユーに対して、亀田和毅選手の鋭いパンチがヒットする展開が続きます。
7ラウンドに入ると、挑戦者のプンルアン・ソー・シンユーが力強いパンチを連打して勝負に出ます。亀田和毅選手も足を止めて上下に強烈なパンチを打ち込んで応戦。「よし!亀田選手、いいよ。打ち勝って押し返したいなあ」と思っていると、7ラウンド中盤、亀田和毅選手が強烈な左ボディブローを叩き込み、プンルアン・ソー・シンユーが苦悶(くもん)の表情を浮かべながら崩れ落ちます。
【Photo:Showtime】
「よいしょ!決まったんじゃない?立ち上がれないでしょ」と大喜びしていると、プンルアン・ソー・シンユーの表情を確認したレフェリーが試合をストップし、勝負あり。亀田和毅選手がプンルアン・ソー・シンユーを完璧な左ボディブローでリングに沈め、7ラウンドTKO勝ちを飾りました。
亀田和毅選手がスピードと手数でプンルアン・ソー・シンユーの強打を封じ込めながら、最後は、得意の左ボディブローで鮮やかに倒した見事な勝利でしたね。4ラウンドのピンチを乗り切った冷静なボクシング、7ラウンドの勝負どころで打ち勝った積極的なボクシング。亀田和毅選手の進化を感じることができた、めちゃめちゃ収穫の多い防衛戦だったと思います。
亀田和毅選手が披露したボクシングは、日本人の特徴のひとつである「俊敏性」を攻守に生かした戦い方で、日本人ボクサーがアメリカで勝ち抜くために必要な「打たせずに打つためのヒント」が詰まっている気がします。タフネス勝負、体力勝負の対極に位置するボクシングで、少しずつダメージを与えながら、最後に倒してアピールする見事な試合運びでした。
亀田和毅選手は23歳と若いのですが、ボクシングに対する迷いが全くないところが大きな魅力。攻守に「和毅選手のボクシング」が確立され始めているのかもしれませんね。これからも迷うことなく信じる道を突き進みながら、ボクシングの精度をガンガン高めてほしいです。日本の若き全勝チャンピオンがラスベガスで日本人ボクサーの強さを証明した圧巻の防衛戦でした。
亀田和毅選手とプンルアン・ソー・シンユーの試合結果
試合結果 | 亀田和毅選手が7ラウンドTKO勝ち。2度目の防衛に成功しました。 |