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興奮のヘビー級バトル!ウラディミール・クリチコ対クブラト・プーレフ

3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチ

チャンピオン ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)
戦績:65戦62勝52KO3敗
挑戦者 クブラト・プーレフ(ブルガリア)
戦績:20戦全勝11KO

ウラディミール・クリチコ対クブラト・プーレフの試合内容

向かうところ「敵なし」の圧倒的な強さを誇示する3団体統一世界ヘビー級チャンピオンのウラディミール・クリチコが悲願の世界タイトル奪取に燃えるクブラト・プーレフを迎える注目のタイトルマッチ。最強のウラディミール・クリチコか?全勝のクブラト・プーレフか?決戦の舞台は、両雄が主戦場とするドイツ。「第2の故郷」で勝利を手にするボクサーはどちらでしょうか?

試合が始まると同時に飛び出したボクサーは、チャンピオンのウラディミール・クリチコ。いきなり距離を詰め、自慢の強打を叩き込もうとします。一方、挑戦者のクブラト・プーレフは、クリンチで攻撃を防ぎます。ウラディミール・クリチコが立ち上がりから思いきり攻撃するシーンは、めちゃめちゃ珍しいですね。全く予想外の立ち上がりです。

いつになく攻撃的なボクシングを披露するウラディミール・クリチコですが、「前へ前へ」の意識が強く、クブラト・プーレフの左ジャブを浴びてしまいます。「ありゃ?クリチコのバランスがおかしいなあ。クリンチのもみ合いもめっちゃ多いね。クリチコの苦手なスタミナ勝負になっちゃう可能性もあるよ」と思っていると、1ラウンド中盤、ウラディミール・クリチコの強打がさく裂します!

クリンチ直後、ウラディミール・クリチコが体重を乗せた左フックを強振!クブラト・プーレフからダウンを奪います。何とか立ち上がったクブラト・プーレフですが、ダメージが深く、フラフラしています。試合が再開されると、ウラディミール・クリチコが再び左フックを打ち込み、クブラト・プーレフがダウン。ウラディミール・クリチコが2度のダウンを奪う激動の幕開けです。

2ラウンドに入ると、ウラディミール・クリチコがプレッシャーを強め、パンチを叩き込みます。一方、クブラト・プーレフはクリンチで耐えながら、何とか追撃を回避。左ジャブから右ストレートの攻撃を得意とするウラディミール・クリチコが左ジャブをあまり使わずに左フックを多用する珍しい展開が続きます。

3ラウンドに入ると、ウラディミール・クリチコが左ジャブを使い始め、クブラト・プーレフも左ジャブから右ストレートのワンツーで応戦します。一進一退の攻防が続き「どっちのパンチも当たりそうな距離だね」と思っていると、ウラディミール・クリチコの左フックがまたまたさく裂し、クブラト・プーレフがダウン。ウラディミール・クリチコの左フックが決まりまくっています!

4ラウンドは、クブラト・プーレフが自分から攻めようと攻撃を仕掛け、ウラディミール・クリチコが応戦。両雄の距離が詰まり、迎えた5ラウンド残り1分。クブラト・プーレフが鋭いワンツーを打ち込み、ウラディミール・クリチコの顔面にヒットします。ウラディミール・クリチコはすぐにクリンチをして追撃を回避しましたが、打たれるシーンが目立ちますね。

「3度ダウンを奪われたプーレフだけど、逆転するだけのパンチは残ってるよ。試合が長引くと、まだまだわからないね。プーレフは終盤勝負に持ち込みたいなあ」と思ったのですが、クリンチの直後、ウラディミール・クリチコが強烈な左フックを強振。クブラト・プーレフの顔面にクリーンヒットし、クブラト・プーレフがバタンとリングへ崩れ落ちます!

「うぎゃ!ものすごい左フックが決まっちゃった」と思わず絶叫してしまう管理人。ダウンを奪われたクブラト・プーレフは必死に体を起こして立ち上がろうとしますが、闘志を体に伝えることはできず、勝負あり。ウラディミール・クリチコが粘るクブラト・プーレフに5ラウンドKO勝ちを飾り、統一タイトルの防衛に成功しました。

ウラディミール・クリチコが左フックを徹底する予想外の作戦でクブラト・プーレフを撃破した試合でしたね。試合前は「たとえ左ジャブの突き合いになってもパワーで上回るクリチコがラウンドが進むにつれて主導権を握るんじゃないかな?」と思っていました。ウラディミール・クリチコが左ジャブの突き合いを避ける展開は全く予想していなかったので、めちゃめちゃ驚きました。

試合内容に関しては「左ジャブの突き合いになると、リーチの長いプーレフの左ジャブも当たるんで、アドバンテージがある踏み込みの速さと左フックで勝負したのかな?クリチコは被弾を極端に嫌うボクサーだもんね」と感じました。もしかすると、痛めた腕のケガの影響もあって、ワンツーより左フックで勝負するほうが得策だと判断したのかもしれませんね。

結果だけを考えると「ワンツーは互角だったけど、左フックの差でクリチコが勝ったね。左フックが2人の決定的な差だったなあ」が率直な感想です。でも、結果と違って、内容は熱戦で「クリチコが倒れるかも」という雰囲気もありました。そんなこんなで、敗れたクブラト・プーレフにも大きな拍手を送りたいです。相手が相手だったので目立ちませんでしたが、めっちゃ懐が深いですね。

ウラディミール・クリチコ戦の奮闘を考えると、クブラト・プーレフが再びタイトル戦線に顔を出す可能性は十分にあると思います。難敵をリングに沈め、改めて「ヘビー級最強」を証明したウラディミール・クリチコ。またまた「クリチコじゃなかったら、プーレフが世界チャンピオンになってもおかしくないんだけどなあ」と気の毒になってしまう「最強チャンピオン」の防衛劇でした。

ウラディミール・クリチコ対クブラト・プーレフの試合結果

試合結果 ウラディミール・クリチコが5ラウンドKO勝ち。
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WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
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