WBA・WBC世界ウェルター級&WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチ

フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの再戦の試合内容

初対決から4か月、ボクシング界の頂点に君臨する「最速のスピードスター」フロイド・メイウェザーと「無骨なパードパンチャー」マルコス・マイダナが激突する因縁の再戦。世界中のボクシングファンが注目する「柔と剛の頂上対決」はどんなエンディングを迎えるのでしょうか？

試合は、初戦と違い、お互いがリング中央で左ジャブを突きながらフェイントをかけ合う展開で始まります。チャンピオンのフロイド・メイウェザーは大きく距離を取りながら鋭い左ジャブを打ち込みます。一方、挑戦者のマルコス・マイダナは、ガムシャラに突進するわけでなく、ガードを固めながら距離を詰め、右フックを狙っている印象です。

「メイウェザーが初戦より大胆に動きながら、リングを広く使ってるね。マイダナは意識して攻撃をセーブしてるみたい。珍しく後半勝負を狙っているのかな？もっとプレッシャーをかけたほうがメイウェザーは嫌だと思うんだけどなあ」と予想より静かな立ち上がりに驚く管理人。距離を取って戦うと、フロイド・メイウェザーのテクニックとスピードが目立ちますね。

【Photo:Showtime】

フロイド・メイウェザーのペースで進み、迎えた3ラウンド終了間際。フロイド・メイウェザーの右ストレートに対して、マルコス・マイダナが右ストレートのカウンターを叩き込み、フロイド・メイウェザーがロープへ吹っ飛びます。「あ、効いた！あれだけまともにカウンターをもらったメイウェザーを初めて見ちゃったよ」と思わず絶叫してしまう一撃です。

「ちょうどメイウェザーのコーナーだったんで、ダメージをうまくごまかしたけど、マイダナはチャンスだよ！」と期待していると、4ラウンドに入り、マルコス・マイダナが猛然と襲いかかります！一方、フロイド・メイウェザーはダメージの影響でしょうか？フットワークが使えない印象です。ブロッキングとクリンチ、上半身の動きを駆使して、マルコス・マイダナの攻撃をかわします。

「メイウェザー、すげえ！マイダナはもっと攻撃したいよ。パンチがクリーンヒットしなくてもいいんで、回復する時間を与えないように攻め続けたい！あれ？疲れちゃったかな？」と白熱の攻防に思わずソファーから立ち上がってしまいます。フロイド・メイウェザーは表情とは裏腹に、めっちゃ苦しい状況だったと思うのですが、圧巻の対応力ですね。5ラウンドに入ると、反撃を開始します。

【Photo:Showtime】

5ラウンド以降は、フットワークを取り戻したフロイド・メイウェザーが主導権を握る展開が続きます。フロイド・メイウェザーはマルコス・マイダナの弱点のボディに強いパンチを打ちながら、速いパンチを顔面に集めます。ボディブローを露骨に嫌がるマルコス・マイダナは自分から下がってしまう最悪のパターン。フロイド・メイウェザーのパンチと動きのスピードに対応できません。

イライラが頂点に達したマルコス・マイダナは8ラウンド残り30秒、フロイド・メイウェザーのグローブに噛みつき、まさかの「ドヤ顔」。レフェリーのケニー・ベイレスから見えない暴挙だったので、試合が続行されましたが、台無しになるところでした。試合前のマイク・タイソンの「再戦はダーティな作戦が必要になるかも」という予言が的中しちゃいましたね。

マルコス・マイダナは10ラウンドにフロイド・メイウェザーを押し倒して1ポイントの減点。試合終盤は、マルコス・マイダナが突進してパンチを打ち込もうとしますが、フロイド・メイウェザーが無理をせずに距離をキープし、試合終了のゴングが鳴り響きます。日本語で「大混乱」を意味する「Mayhem（メイヘム）」と名付けられた再戦の勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。

【Photo:Showtime】

結果は、3人のジャッジすべてがフロイド・メイウェザーを支持。フロイド・メイウェザーが世界中のボクシングファンが注目した因縁の再戦に12ラウンド判定勝ちを飾り、マルコス・マイダナに連勝しました。勝ったフロイド・メイウェザーはデビューからの連勝を47に伸ばしています。

フロイド・メイウェザーが最大の武器であるスピードと駆け引きのうまさを駆使して、マルコス・マイダナの攻撃を封じ込めた試合でしたね。初戦と違って、フロイド・メイウェザーがロープを背負うシーンを意識して減らしたことで、マルコス・マイダナの手数を減らし、試合の主導権を握った印象でした。強引に飛び込むマルコス・マイダナが、飛び込めない展開に驚きました！

お互いの手の内を知っている再戦で、改めて「速さ、うまさ、賢さ」を見せつけたフロイド・メイウェザー。頂点に君臨する「王様の底力」に「マインドゲームになっちゃうと誰も勝てないよ。4ラウンドの大ピンチをしれっと切り抜けた適応力と冷静な試合運びが圧巻だったなあ」と感じた因縁の再戦でした。出来は決して良くなかったと思うのですが、勝っちゃうもんなあ。すごい！

フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの再戦の試合結果