WBC世界クルーザー級タイトルマッチ

クシシュトフ・ウロダルチェク対グリゴリー・ドローズドの試合内容

WBC世界クルーザー級チャンピオンのクシシュトフ・ウロダルチェクが、世界タイトル初挑戦となるグリゴリー・ドローズドを迎えた7度目の防衛戦。クシシュトフ・ウロダルチェクは、グリゴリー・ドローズドを撃破し、タイトルを死守することができるでしょうか？

試合は、お互いがガードを高く構え、左ジャブを突く探り合いでスタートします。ディフェンスを大事に戦っているクシシュトフ・ウロダルチェクに対して、挑戦者のグリゴリー・ドローズドは左ジャブを突きながら右ストレートを打ち込むタイミングを狙っているようです。

「ウロダルチェクは完全にディフェンス重視だね。逆に、ドローズドは攻撃へ出るために様子を探っている印象だよ。ドローズドが強く出ると、試合が動きそうな雰囲気だけど、探り合いが続くかな？」と両雄の作戦に注目する管理人。序盤は、お互いが左ジャブを中心にディフェンスを大事に戦う展開が続きます。めちゃめちゃ静かな立ち上がりですね。

プロボクシングの階級で2番目に重いクルーザー級のタイトルマッチとは思えない左ジャブの突き合いが続き、迎えた4ラウンド。グリゴリー・ドローズドが右ストレートを積極的に打ち始めます。一方、クシシュトフ・ウロダルチェクはブロックを固めて被弾を回避。グリゴリー・ドローズドが強いパンチを打っているわけではないのですが、ポイントにつながっている印象です。

「ウロダルチェクの手数が少ないんで、ポイントは、ドローズドに流れているかな？ドローズドも決して手数が多いわけじゃないんで、ウロダルチェクがもう少しパンチをまとめると、ポイントを取れそうなラウンドもあるんだけどなあ」とチャンピオンの奮起を期待する管理人。中盤に入ると、クリンチが増え、お互いが相手のパンチを警戒するシーンが続きます。

グリゴリー・ドローズドのペースで迎えた7ラウンド終盤、偶然のバッティングにより、グリゴリー・ドローズドが右のまぶたをカット！8ラウンドに入り、クシシュトフ・ウロダルチェクがプレッシャーを強めます。しかし、クシシュトフ・ウロダルチェクが距離を詰めようとするタイミングで、グリゴリー・ドローズドが先手でパンチを打ち込み、主導権を渡しません。

8ラウンド終盤には、グリゴリー・ドローズドが右ストレートを打ち込み、クシシュトフ・ウロダルチェクからダウンを奪います。9ラウンド以降もグリゴリー・ドローズドのペースで進み、クシシュトフ・ウロダルチェクに反撃のチャンスを与えることなく、試合終了のゴング。勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。

採点の結果、3人のジャッジすべてが大差でグリゴリー・ドローズドを支持。グリゴリー・ドローズドがクシシュトフ・ウロダルチェクに12ラウンド判定勝ちを飾り、初の世界タイトル挑戦で、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。敗れたクシシュトフ・ウロダルチェクは無念の王座陥落です。

グリゴリー・ドローズドが先に先に攻撃を仕掛けることで、クシシュトフ・ウロダルチェクの特徴を消し去った試合でしたね。クルーザー級とは思えない静かな展開が続きましたが、グリゴリー・ドローズドのうまさが伝わってくる世界タイトル奪取だったと思います。序盤の主導権争いを勝ち抜く大切さを教えてくれる静かな重量級バトルでした。

クシシュトフ・ウロダルチェク対グリゴリー・ドローズドの試合結果