IBF世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | アムナット・ルエンロエン(タイ) 戦績:14戦全勝5KO |
挑戦者 | ゾウ・シミン(中国) 戦績:6戦全勝1KO |
アムナット・ルエンロエン対ゾウ・シミンの試合内容
オリンピックで3大会連続のメダル、2大会連続の金メダルを獲得したゾウ・シミンがプロ7戦目でアムナット・ルエンロエンのIBF世界フライ級タイトルに挑戦する注目の全勝対決。ゾウ・シミンは、中国ボクシング界の未来を左右する大一番を勝ち抜き、プロのリングでも頂点に君臨することができるでしょうか?それとも、アムナット・ルエンロエンが3度目の防衛に成功するのでしょうか?
試合は、挑戦者のゾウ・シミンが左ジャブを突いた瞬間、チャンピオンのアムナット・ルエンロエンが強烈な右ストレートを打ち込む驚きの展開で始まります。「おおお!アムナットのメッセージが込められた右ストレートだね。いきなり、おもしろくなったよ」とテンションが急上昇。ゾウ・シミンの左ジャブを封じるためのアムナット・ルエンロエンの右ストレートですね。
左ジャブが中心のゾウ・シミン。左ジャブに加えて、強い右ストレートを打ち込むアムナット・ルエンロエン。「アムナットのほうが精神的に有利っぽいなあ。このまま主導権を握れるかな?」と思っていると、2ラウンド1分、アムナット・ルエンロエンがバランスを崩したタイミングで、ゾウ・シミンが左フックを当て、ダウンを奪います。
「なぬっ!アムナットは痛いなあ。逆に、ゾウは落ち着けるんじゃないかな?いやー、めっちゃおもしろくなってきたよ」と急展開に大興奮の管理人。1ラウンドをチェックする限り「左ジャブの突き合いは、アムナットが一枚上手かな?」と思ったのですが、懐へ飛び込むことができれば、ゾウ・シミンの回転の速い連打が突破口になるかもしれません。
しかし、前半は、アムナット・ルエンロエンがフリッカー気味の左ジャブと右ストレートでゾウ・シミンを突き放す展開が続きます。「手数の少ないスローペースは、アムナットのリズムだよね?ゾウはリズムを作る意味でも、手数がほしいなあ」とゾウ・シミンの奮起に期待する管理人。ゾウ・シミンが、アムナット・ルエンロエンの戦略に少しずつハマっている印象です。
後半に入ると、ゾウ・シミンがファイタースタイルに切り替え、距離を詰めようとします。しかし、手数が少なく、飛び込むタイミングでカウンターを打ち込まれてしまいます。試合はアムナット・ルエンロエンのペースで進み、12ラウンド終了のゴング。勝敗は3人のジャッジにゆだねられます。
採点の結果、3人のジャッジすべてがアムナット・ルエンロエンを支持。アムナット・ルエンロエンがゾウ・シミンに12ラウンド判定勝ちを飾り、3度目の防衛に成功しました。中国のボクシングファンの期待を背負ったゾウ・シミンの世界タイトル初挑戦は、無念のプロ初黒星で終わりました。
アムナット・ルエンロエンが、試合運びのうまさを見せつけて、ゾウ・シミンを撃破した全勝対決でしたね。結果論になっちゃうんですけど、ゾウ・シミンの左ジャブに合わせて、1ラウンド開始直後に放ったアムナット・ルエンロエンの右ストレートが流れを作っちゃった気がしました。ゾウ・シミンは自分のスタイルで戦うことができない悔しいプロ初黒星になっちゃいましたね。
試合前「ゾウが勝って、軽量級の大きな市場が中国に定着すると、うれしいなあ。日本人のボクサーが参戦する機会が増えると最高だね」と密かに期待していたのですが、アムナット・ルエンロエンの牙城は崩せませんでしたね。改めて「スローペースになって、スタミナに余裕を与えちゃうと、アムナットのうまさが目立つなあ」と感じた全勝対決でした。
アムナット・ルエンロエン対ゾウ・シミンの試合結果
試合結果 | アムナット・ルエンロエンの12ラウンド判定勝ち。 【公式ジャッジの採点結果】
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