IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン | ゾラニ・テテ(南アフリカ) 戦績:22戦19勝16KO3敗 |
挑戦者 | ポール・バトラー(イギリス) 戦績:17戦全勝8KO |
ゾラニ・テテ対ポール・バトラーの試合内容
長身で懐の深いサウスポーのゾラニ・テテが、2階級制覇を目指す全勝のポール・バトラーと拳を交えるIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ。日本の井上尚弥選手がチャンピオンに君臨する階級で、異色の輝きを放つゾラニ・テテは存在感をアピールできるでしょうか?
試合は、ガードを高く構えて距離を詰め、右ストレートと左フックを狙う挑戦者のポール・バトラーに対して、チャンピオンのゾラニ・テテが右ジャブを連打しながら左ストレートと左アッパーを連打する展開で始まります。2人の距離がめちゃめちゃ違いますね。
「テテは本当に懐が深いなあ。バンタム級の世界チャンピオンだったバトラーはスーパーフライ級で大きいほうだと思うんだけど、パンチが届かないよ。バトラーはどうやって距離を詰めるんだろう?」と立ち上がりの攻防に興味津々の管理人。サウスポーのゾラニ・テテは、右ジャブで突き放して、ポール・バトラーが飛び込んできたところへ左アッパーを叩き込んでいます。
序盤は、ゾラニ・テテが中間距離でポール・バトラーをコントロールする展開が続き、迎えた5ラウンド。ポール・バトラーがファイタースタイルに切り替え、プレッシャーを強めます。しかし、ゾラニ・テテがワンツーとクリンチを駆使して、反撃のチャンスを与えません。
「テテがクリンチする前に、バトラーが左ボディブローを打てると理想的なんだけどなあ。バトラーは被弾を覚悟で距離を詰めないと、流れが変わらないかもしれないね」とポール・バトラーの反撃に期待する管理人。ポール・バトラーは流れを変えるため、必死に懐へ飛び込もうとしているのですが、ゾラニ・テテがクリンチを使って、ことごとくチャンスの芽を摘んでいます。
ポール・バトラーが試行錯誤する展開が続き、迎えた8ラウンド中盤。ゾラニ・テテが軽く右ジャブを突き、ポール・バトラーが少し下がったところへ強烈な左アッパーを叩き込みます。パンチをまともにもらってしまったポール・バトラーがガクンと崩れ落ちてしまうダウンです。
「うわっ、決まった!」と思わず叫んでしまう一撃です!ポール・バトラーは何とかダウンから立ち上がりましたが、コンディションを確認したレフェリーが試合をストップ。ゾラニ・テテが8ラウンドTKO勝ちを飾り、IBF世界スーパーフライ級タイトルの初防衛に成功しました。
長身サウスポーのゾラニ・テテが持ち味を存分に発揮して、全勝のポール・バトラーを圧倒しましたね。ゾラニ・テテは右ジャブから左ストレート、飛び込んできたところへ左アッパーの比較的シンプルなボクシングを貫くタイプで、攻撃のバリエーションが豊富なわけではないと思うのですが、誰が戦っても簡単じゃない典型的なタイプですね。
ゾラニ・テテは、ひとつの作戦、ひとつのリズムに徹底する強さがありますね。しかも、サウスポーですよ。もしゾラニ・テテにパワーがなければ、ポール・バトラーのように、ゴリゴリと攻め込んで、攻め落とせるチャンスもあると思うのですが、クリンチで止められちゃうからなあ。「テテはスーパーフライ級の台風の目になるかも」と感じた見事な初防衛戦でした。
ゾラニ・テテ対ポール・バトラーの試合結果
試合結果 | ゾラニ・テテの8ラウンドTKO勝ち。 |