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ミッケル・ケスラー

美しいボクシングを披露するスタイリッシュな北欧の強打者

デンマーク出身のミッケル・ケスラーはパワーでもテクニックでも相手を圧倒することができる攻防兼備のボクサーです。鋭い左ジャブから間髪入れずに放たれる右ストレートはミッケル・ケスラーの代名詞ですね。

もし「ボクシングの教科書」があるなら、間違いなく掲載されるタイプだと思います。序盤はガードを高く構えながら左ジャブを突いて確実にポイントを奪い、チャンスがあれば中盤から後半にかけて仕留める手堅いボクシングをします。

最短距離を走る左ジャブ、ノーモーションで打ち込む右ストレート、相手のパンチをブロックする鉄壁のガード。攻撃も守備もハイレベルで、パワーだけでなく、テクニックで相手をねじ伏せられることが大きな強みです。KO勝ちにこだわるタイプではありませんが、KO率は高いですよ。

デンマーク出身であることから「バイキング・ウォーリアー」や「ヒットマン」というニックネームが付いています。しかし、ミッケル・ケスラーのボクシングからは「荒っぽさ」の香りがしないんです。エレガントって言うのかな?スタイリッシュって言うのかな?相手を傷つける前に倒してしまう「ある種の美しさ」があります。

ミッケル・ケスラーが初の世界タイトルを手にしたのは2004年。マニー・シアカが持つWBA世界スーパーミドル級タイトルに挑戦し、8ラウンドTKO勝ちで、全勝のまま世界チャンピオンに輝きます。

さらに、2006年10年には、ドイツ出身のWBC世界スーパーミドル級チャンピオンのマルクス・バイエルと王座統一をかけて激突。ヨーロッパを代表するテクニシャン同士の大一番で、真価を発揮したボクサーはミッケル・ケスラーでした。

サウスポーのマルクス・バイエルに対して、序盤から左ジャブを連打。「サウスポーのバイエルにこれだけ左ジャブを打ち込めるなんて、すごいなあ」と感心していると、3ラウンド、ミッケル・ケスラーが強烈な右ストレートでマルクス・バイエルを一撃KO。王座統一に成功します。

ミッケル・ケスラーが圧倒的な勝利で王座を統一したことによって、WBOのタイトルを10年間守り続けているチャンピオンのジョー・カルザゲとの統一戦を期待する声が高まります。

2007年11月、ついにミッケル・ケスラー対ジョー・カルザゲの王座統一戦が実現。しかし、全勝チャンピオン同士のプライドをかけたドリームマッチで、ミッケル・ケスラーは「ウェールズの誇り」ジョー・カルザゲに判定負けを喫し、王座から陥落してしまいます。

プロ初黒星を喫したミッケル・ケスラーですが、2008年6月、空位となったWBA世界スーパーミドル級タイトルをディミトリー・サルティソンと争い、12ラウンドKO勝ちで再び世界タイトルを奪取。ジョー・カルザゲとの王座統一戦で失ったタイトルの奪還に成功します。

さらに、2008年10月、ランキング1位のダニロ・ホイスラーと初防衛戦を行い、3ラウンドKO勝ちでタイトル防衛に成功。ランキング1位の指名挑戦者を一蹴し、「ミッケル・ケスラーの強さ」を印象付けた試合でした。

その後、10年以上スーパーミドル級を引っ張ってきた第一人者のジョー・カルザゲがライトヘビー級へ転向を表明し、タイトルを返上。ミッケル・ケスラーの存在感がますます大きくなり、迎えた2009年11月、全勝のアンドレ・ウォードと対戦します。

ミッケル・ケスラー対アンドレ・ウォードの試合は「6人のボクサーでスーパーミドル級最強を決めるスーパーシックス・トーナメント」のグループリーグの初戦でした。ミッケル・ケスラーは優勝候補の筆頭。一方のアンドレ・ウォードはオリンピックの金メダリストです。

試合前の評価は「ケスラー有利」でした。しかし、ミッケル・ケスラーはアンドレ・ウォードのスピードに手を焼き、予想外の大苦戦。結果は、11ラウンド負傷判定負け。まさかの黒星を喫し、WBA世界スーパーミドル級タイトルを手放すことになりました。

アンドレ・ウォードに完敗を喫したミッケル・ケスラーは2010年4月、スーパーシックス・トーナメントのグループリーグの第2試合で、WBC世界スーパーミドル級タイトルを持つ全勝のカール・フロッチと激突。

本来のボクシングを取り戻したミッケル・ケスラーはカール・フロッチの強打を回避しながら、的確なパンチを叩き込み、試合を有利に進めます。結果は、12ラウンド判定勝ち。王座返り咲きを果たすと同時に、スーパーシックス・トーナメントの初勝利を手にしました。

ところが、その後、目の負傷が見つかり、スーパーシックス・トーナメントを辞退。1年以上のブランクを作りますが、2011年6月にカムバック。復帰戦でメディ・ブアドゥラを拳を交え、6ラウンドTKO勝ちを飾ります。

再起に成功したミッケル・ケスラーは2012年5月、母国デンマークでアラン・グリーンと激突。4ラウンドに強烈な左フックを叩き込み、会心のKO勝ち。失神してリングに崩れ落ちるアラン・グリーンの姿が目に焼き付く衝撃のノックアウトでした。

完全復活を果たしたミッケル・ケスラーは2012年12月、WBA世界スーパーミドル級チャンピオンのブライアン・マギーに挑戦。結果は3ラウンドTKO勝ちで王座返り咲きに成功。ミッケル・ケスラーの強烈な存在感が輝いたタイトル奪取でした。

世界チャンピオンに返り咲いたミッケル・ケスラーは2013年5月、イギリスへ乗り込み、WBCチャンピオンのカール・フロッチと激突。結果は無念の12ラウンド判定負け。カール・フロッチのパワーとタフネスに押し込まれ、リベンジを許した王座陥落でした。

デンマークが生んだスタイリッシュな「ヒットマン」ミッケル・ケスラー。「自分も相手も傷つく前に倒し切ってしまう美しいボクシング」で世界中のボクシングファンを魅了する「バイキング・ウォーリアー」は、再び世界の頂点へ返り咲くことができるでしょうか?ミッケル・ケスラーの最終章に注目しましょう。

ミッケル・ケスラーのプロフィール

誕生日 1979年3月1日
ニックネーム
  • バイキング・ウォーリアー
  • ヒットマン
戦績 49戦46勝35KO3敗
獲得タイトル
  • WBA世界スーパーミドル級タイトル
  • WBC世界スーパーミドル級タイトル
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