どう猛な連打と驚異のタフネスで頂点を極めたイギリスの「コブラ」
イギリス出身のカール・フロッチは、一撃一撃に力を込めて放つパワフルな連打と驚異のタフネスを誇る勇敢なボクサーです。負けん気がめちゃめちゃ強く、真っ向から立ち向かう好戦的なボクシングで世界中のボクシングファンを熱狂させています。
リーチが長く、懐の深いカール・フロッチは、左ジャブを連打し、右ストレートを打ち込む中間距離の打ち合いを得意としています。ワンツーでダメージを与えて、一気に懐へ飛び込んで強烈な左右のフックを連打!必殺のパターンで、数々の強豪をリングに沈めてきました。
バランスを無視して「今打てるパンチを打つ」ボクシングを実践するので、カール・フロッチのボクシングはスタイリッシュと対極に位置します。しかし、パンチの当て勘と勝負どころを嗅ぎ分ける能力に優れ、自分のボクシングを徹底的に貫く強さがあるんです。
また、苦戦慣れしているので、「どう戦えばピンチを脱出できるのか」を体で覚えているボクサーなんです。打たれたら必ず打ち返して簡単に主導権を与えず、驚異的な打たれ強さとスタミナで徐々に自分のペースに巻き込んで、最終的に勝ち切ってしまう強さがあります。
相手にとって最も厄介なカール・フロッチのニックネームは「コブラ」。チャンスのニオイを嗅ぎつけると、猛然と相手に襲いかかる「どう猛な連打」はカール・フロッチ最大の武器です。噛みついたら相手を仕留めるまで離さないボクシングは、ニックネームにピッタリですね。
好戦的なボクシングで世界中のボクシングファンを魅了するカール・フロッチは2002年3月にプロデビュー。4ラウンドTKO勝ちで初白星を飾ると、ここから怒涛の23連勝を飾り、一躍スーパーミドル級のトップ戦線へ躍り出ます。
飛ぶ鳥を落とす勢いのカール・フロッチは2008年12月、ジョー・カルザゲが返上したWBC世界スーパーミドル級タイトルをかけて、全勝のジャン・パスカルと激突。結果は、カール・フロッチが12ラウンド判定勝ちを飾り、全勝のまま世界タイトル奪取に成功します。
悲願の世界タイトルを手にしたカール・フロッチは、同じイギリス人のジョー・カルザゲとの対戦を熱望していましたが、ジョー・カルザゲが2009年2月に全勝のまま引退を発表し、スーパーファイトを実現することはできませんでした。
ターゲットの引退で、路線を変更したカール・フロッチは2009年4月に世界タイトルの初防衛をかけてジャーメイン・テイラーと激突。3ラウンドにダウンを奪われたカール・フロッチですが、12ラウンド逆転のTKO勝ちを飾り、注目の英米対決を制して初防衛に成功します。
全勝の快進撃を続けるカール・フロッチは2009年10月、6人のトップボクサーがスーパーミドル級最強をかけて激突するビッグイベント「スーパーシックス・トーナメント」へ参戦。グループリーグ初戦でアンドレ・ディレルに12ラウンド僅差の判定勝ちをおさめ、白星スタートを飾ります。
アンドレ・ディレルに勝利して幸先の良いスタートを切ったカール・フロッチですが、2010年4月、敵地デンマークで攻防兼備のミッケル・ケスラーと対戦し、12ラウンド判定負けでプロ初黒星を喫してしまいます。カール・フロッチの強打がミッケル・ケスラーのテクニックに封じられた試合でした。
プロデビューから27戦目でプロ初黒星を喫したカール・フロッチは2010年11月に空位のWBC世界スーパーミドル級タイトルをかけてアルツール・アブラハムと対戦。12ラウンド判定勝ちでタイトル奪還に成功と同時に「スーパーシックス」の決勝トーナメント進出を決めました。
世界チャンピオンに返り咲いたカール・フロッチは2011年6月に「スーパーシックス」の決勝進出をかけてベテランのグレン・ジョンソンと対戦。激しい打撃戦の結果、カール・フロッチが12ラウンド判定勝ちを飾り、タイトル防衛と決勝進出を決めました。
「スーパーシックス」決勝戦の相手は全勝の快進撃を続けるWBAチャンピオンのアンドレ・ウォード。2011年12月、「スーパーシックス」の優勝と王座統一をかけた大一番に挑んだカール・フロッチですが、結果は12ラウンド判定負けで、無念の黒星を喫してしまいます。
ビッグイベントの優勝にあと一歩手が届かなかったカール・フロッチですが、2012年5月に地元イギリスで行われた世界タイトルマッチで真価を発揮します。全勝のルシアン・ビュテに挑戦し、衝撃の5ラウンドTKO勝ちで王座返り咲き。圧倒的な存在感をアピールした印象的な再起戦でした。
ルシアン・ビュテに鮮烈な勝利を飾ったカール・フロッチは2012年11月の初防衛戦でユーセフ・マックと対戦。立ち上がりからユーセフ・マックを圧倒し、3ラウンドKO勝ちで初防衛に成功。実力差を見せつけた圧巻の勝ちっぷりでした。
初防衛に成功したカール・フロッチは2013年5月、初黒星を喫したWBAチャンピオンのミッケル・ケスラーと王座統一戦で激突。結果は大熱戦の末、12ラウンド判定勝ち。王座統一に成功すると同時に、初黒星を喫した因縁のライバルにリベンジを果たしました。
宿敵にリベンジを果たしたカール・フロッチは2013年11月に全勝ホープのジョージ・グローブスを迎え、防衛戦を行います。1ラウンドでダウンを奪われたカール・フロッチですが、絶体絶命のピンチを攻撃的なボクシングで乗り切ると、少しずつペースを奪い返し、9ラウンド逆転のTKO勝ち。ピンチを乗り切る経験と驚異のタフネスを見せつけた大熱戦でした。
逆転で新旧対決を勝ち抜いたカール・フロッチは2014年5月、ジョージ・グローブスと再戦します。結果は、カール・フロッチの8ラウンドTKO勝ち。百戦錬磨のカール・フロッチが、8万枚のチケットが完売した注目のメガマッチで、若きスーパースター候補のジョージ・グローブスを右ストレートでリングに沈め、因縁に終止符を打った大興奮の名勝負でした。
どこまでも好戦的なボクシングを貫く勇敢なハートと相手をトコトン追い詰める強烈な連打で世界の頂点を極めたカール・フロッチ。噛みついたら離さない「コブラ」は、さらなるビッグマッチで強烈な輝きを放つことができるでしょうか?フィジカルもメンタルもめっちゃタフなボクサーです!
カール・フロッチのプロフィール
ニックネーム | コブラ |
誕生日 | 1977年7月2日 |
戦績 | 34戦32勝22KO2敗 |
獲得タイトル |
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