回転の速い連打と抜群のフットワークで2階級制覇を成し遂げた「マジックマン」
アメリカ出身のポール・マリナッジは、回転の速い連打と抜群のフットワークでスーパーライト級とウェルター級の2階級制覇を成し遂げたスピード豊かなボクサーです。
ニックネームは「マジックマン」。対戦相手に的を絞らせない変幻自在のボクシングは、ポール・マリナッジのニックネームにふさわしいですね。なお、アメリカでは「ポーリー・マリナッジ」のリングネームで親しまれています。
ポール・マリナッジと言えば「KO率が低いボクサー」として有名です。スピードとテクニックで勝負する代表的なボクサー。回転の速い連打を数多く打ち込むことで主導権を握り、そのまま逃げ切るボクシングを得意としています。
KO率は低いのですが、手数が多く、最初から最後まで動き続けるので、おもしろい試合が多いんです。どちらかと言えば、玄人好みのボクサー。でも、出身地のニューヨークを中心に東海岸で人気が高いんです。
スピード豊かなボクシングでファンを魅了するポール・マリナッジは2001年7月にプロデビュー。デビュー戦で1ラウンドTKO勝ちを飾ると、勢いそのままに21連勝を記録し、2006年6月、初の世界タイトル挑戦のチャンスをつかみます。
挑戦するチャンピオンは全勝の快進撃を続けるミゲール・コットです。結果は、ポール・マリナッジの12ラウンド判定負け。ダウンの影響が最後まで響き、無念のプロ初黒星でタイトル奪取を成し遂げることはできませんでした。
初の世界戦で涙をのんだポール・マリナッジですが、再起戦で勝利を飾り、2007年6月、再び世界タイトル獲得のチャンスを手にします。
IBF世界スーパーライト級チャンピオンのラブモア・ヌドゥに挑戦したポール・マリナッジは大接戦の末、12ラウンド判定勝ちでタイトル奪取に成功。「マジックマン」が悲願の世界タイトルを手にした瞬間でした。
スピードを武器に頂点へのぼり詰めたポール・マリナッジは2008年1月の初防衛戦でハーマン・ヌゴージョ、2008年5月に行われた2度目の防衛戦でラブモア・ヌドゥに判定勝ちで防衛に成功。どちらも大接戦で、特に再戦となったラブモア・ヌドゥ戦は大苦戦でした。
紙一重で生き残ったポール・マリナッジは2008年11月、イギリスが誇る人気ボクサーのリッキー・ハットンと対戦。念願のビッグマッチを手にしたポール・マリナッジですが、結果は11ラウンドTKO負け。リッキー・ハットンのパワーに押し切られ、2敗目を喫してしまいます。
無念の敗戦を喫したポール・マリナッジは再起戦に勝利すると、ここからファン・ディアスやアミール・カーンの強豪と対戦。勝ち負けを繰り返しながらも、着実に実力と経験を積み重ねます。
円熟味を増したポール・マリナッジは2012年4月、2階級制覇をかけてWBA世界ウェルター級チャンピオンのビチェスラフ・センチェンコに挑戦。結果は、9ラウンドTKO勝ちで、2階級制覇に成功。会心の勝利で2本目のベルトを腰に巻きます。
2階級制覇を成し遂げたポール・マリナッジは2013年6月、若きスーパースターのエイドリアン・ブローナーと激突。鋭いジャブを連打し、善戦しますが、結果は無念の12ラウンド判定負け。試合後にリング上で行われたインタビューでエイドリアン・ブローナーに噛みつく姿が無念さを物語る悔しい王座陥落でした。
再起を目指すポール・マリナッジは2013年12月にベテランのザブ・ジュダーと対戦。2ラウンドにダウンを奪われたポール・マリナッジですが、得意の左ジャブを中心に回転の速い連打で盛り返して、12ラウンド判定勝ちを飾ります。ニューヨーク出身のベテラン対決で持ち味を発揮しながら、復活をアピールしたサバイバルマッチでした。
ベテラン対決で勝利を飾ったポール・マリナッジは2014年4月、無敗の快進撃を続けるIBF世界ウェルター級チャンピオンのショーン・ポーターと激突。王座返り咲きを狙ったポール・マリナッジでしたが、結果は無念の4ラウンドTKO負け。ショーン・ポーターの強打を浴び続け、持ち味を発揮することができず、リングに崩れ落ちた衝撃の黒星でした。
KO率が低いことから「非力」と揶揄(やゆ)されながら、抜群のスピードとテクニックを駆使してトップで戦い続ける「ジャブの帝王」ポール・マリナッジ。2階級制覇を成し遂げた「マジックマン」は変幻自在のボクシングで復活を目指し戦い続けます。
ポール・マリナッジのプロフィール
ニックネーム | マジックマン |
誕生日 | 1980年11月23日 |
戦績 | 39戦33勝7KO6敗 |
獲得タイトル |
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