スーパーライト級10回戦
元3階級制覇 チャンピオン |
マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ) 戦績:73戦65勝43KO7敗1無判定 |
ブラジル同級 | アダイルトン・デ・ヘスス(ブラジル) 戦績:30戦26勝21KO4敗 |
試合内容
「童顔の暗殺者」のニックネームを持つ元3階級制覇チャンピオンのマルコ・アントニオ・バレラがブラジルの強打者アダイルトン・デ・ヘススを迎えて再起戦を行います。アミール・カーンに完敗を喫して以来の復帰戦となるマルコ・アントニオ・バレラ。メキシコ人ボクサー初の4階級制覇を目指して新しいボクシングの伝説をうち建てることができるでしょうか?
試合は1ラウンドからマルコ・アントニオ・バレラが主導権を握る展開で始まります。マルコ・アントニオ・バレラは左ジャブから得意の左フックを顔面、ボディーへ打ち分け、アダイルトン・デ・ヘススにジワリジワリとプレッシャーをかけています。顔面、ボディーへ打ち分けるボクシングはマルコ・アントニオ・バレラの真骨頂ですね。
一方、アダイルトン・デ・ヘススは左ジャブから右ストレートを打ち込んで反撃したいところですが、マルコ・アントニオ・バレラのボディーブローが相当効いているのか、フットワークを使って距離を取りながらディフェンスを重視した戦いに追い込まれています。
スピードとパンチ力だけを比べると、マルコ・アントニオ・バレラよりアダイルトン・デ・ヘススのほうが上だと思うのですが、経験、テクニックで上回るマルコ・アントニオ・バレラがアダイルトン・デ・ヘススのボクシングを完全に封じ込める展開が続いています。
特にマルコ・アントニオ・バレラの左の使い方とフェイントが素晴らしいですね。左ジャブ、左フックを顔面、ボディーへ使い分けながらアダイルトン・デ・ヘススの勢いを封じる上手さはさすがマルコ・アントニオ・バレラです。
また、「パンチを打つぞ」と肩を揺らしたり、目を動かしたりするフェイントはマルコ・アントニオ・バレラの経験が生みだしているテクニックですね。アダイルトン・デ・ヘススはマルコ・アントニオ・バレラのフェイントに翻弄され、どうしても後手後手に回ってしまいます。
試合はこのままマルコ・アントニオ・バレラのペースで進み、10ラウンド終了。3人のジャッジすべてがマルコ・アントニオ・バレラを支持し、マルコ・アントニオ・バレラがアダイルトン・デ・ヘススに判定勝ちを収め、4階級制覇へ向けた再起戦に快勝しました。
マルコ・アントニオ・バレラの経験とテクニックがアダイルトン・デ・ヘススのパワーとスピードを凌駕した試合でしたね。全盛期のマルコ・アントニオ・バレラを知るボクシングファンにとっては少し物足りない内容だったかもしれませんが、再起戦であることを考慮すると、合格点を与えられる内容だったと思います。
ただ、スーパーライト級で4階級制覇を目指そうとすると、「体格的に相当厳しいかな?」というのが管理人の本音です。ひとつ下のライト級でも体格的、スピード的に厳しい気がしますが、スーパーライト級より現実味があるでしょうか。
2011年1月に37歳を迎える今もなお4階級制覇への衰えぬ情熱で戦い続けるマルコ・アントニオ・バレラ。「童顔の暗殺者」はメキシコ人ボクサー初の4階級制覇を達成することができるでしょうか?世界中のボクシングファンがマルコ・アントニオ・バレラの最終章に注目しています。
試合結果
試合結果 | マルコ・アントニオ・バレラが10ラウンド3-0の大差の判定勝ちで再起戦に勝利。 【公式ジャッジの採点結果】
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