ライトヘビー級12回戦
WBC・WBO 世界ミドル級チャンピオン |
ケリー・パブリック(アメリカ) 戦績:34戦全勝30KO |
元4団体統一 世界ミドル級チャンピオン |
バーナード・ホプキンス(アメリカ) 戦績:55戦48勝32KO5敗1分1無効試合 |
試合内容
2本のベルトを持つ世界ミドル級チャンピオンのケリー・パブリックと元4団体統一世界ミドル級チャンピオンのバーナード・ホプキンスが激突する新旧スーパースター対決です。「ミドル級に敵なし」という状態のパブリックがホプキンスの土俵であるライトヘビー級に体重を上げて「戦う伝説越え」を目指します。
ケリー・パブリックはアメリカを代表する超人気ボクサー。34戦全勝30KOのパーフェクトレコードが証明するように、KOの山を築いてきた攻撃的なボクシングが持ち味です。一撃、連打のどちらでも相手を倒せるパンチを持っています。決して器用なボクサーではありませんが、身長189cm、リーチ191cmの恵まれた体格を活かして全勝街道を突き進むスーパースター候補です。
一方のホプキンスはボクシング史上初めて4団体のタイトルを統一した「戦う伝説」。1995年に獲得したIBF世界ミドル級タイトルを10年に渡って20度防衛した名チャンピオンで、ゴールデンボーイ、オスカー・デラホーヤに唯一KO勝ちしているボクサーです。デラホーヤに次ぐ人気を誇るパブリックがホプキンスを超えられるか注目ですね。
試合は序盤からベテランのホプキンスがペースを握ります。ミドル級では大柄なパブリックですが、最近、ライトヘビー級を主戦場をしているホプキンスは体格で全く負けていません。それどころか、筋肉量はホプキンスのほうが多く、前へ出てくるパブリックに対して、力強いパンチをカウンターで打ち込みます。
この試合のホプキンスはパンチの威力だけでなく、手数、動きのスピードなど、全盛期を彷彿とさせるボクシングを展開し、パブリックを圧倒。特にいきなりの右ストレートから左フックのコンビネーションブロー、左右のボディーブロー、クリンチワークが素晴らしく、ミドル級で敵なしのパブリックに全くボクシングをさせません。
パブリック陣営は、ホプキンスがこれほどコンディションを整えてリングに上がってくるとは予想できなかったでしょう。ホプキンスの出来は間違いなく、ここ数年で一番良いです。オスカー・デラホーヤをKOした試合以上の出来だと思います。ホプキンスからすれば、パンチ力はあるけど、左ジャブから右ストレートの正直なボクシングを主武器とするパブリックは戦いやすいボクサーなのでしょうね。
12ラウンドには、ホプキンスがパブリックをダウン寸前に追い込む場面を作るなど、試合は終始ホプキンスのペースで進み、ホプキンスが3-0の大差の判定でパブリックを下しました。敗れたパブリックは35戦目でプロ初黒星。スーパースター候補がベテランの老獪なボクシングに潰されてしまう典型的な試合でしたね。
自信満々でホプキンスに挑んだパブリック陣営ですが、ホプキンスが主戦場とするライトヘビー級で対戦したのは完全なミスだったと思います。確かに最近のホプキンスは以前と比べてパンチ力が衰えていますが、パンチを当てる上手さ、ボディーワーク、クリンチワークなどは健在です。ライトヘビー級ではパブリックとホプキンスの体格差がほとんどなかったのもパブリック陣営としては厳しかったですね。
ただ、敗れはしましたが、パブリックが今後のボクシング界を背負うボクサーのひとりであることには変わりないので、十分に体を休めてダメージを抜いて、復帰後は1試合1試合大切に戦ってほしいです。どんな強いボクサーでも負けることはありますから。ホプキンスの老獪さ、経験がパブリックの勢い、強さを上回った新旧スーパースター対決でした。
試合結果
試合結果 | バーナード・ホプキンスが3-0大差の判定でケリー・パブリックに快勝。管理人の採点は119-107でバーナード・ホプキンスの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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