アメリカボクシング界の期待を背負う「ゴースト」
ケリー・パブリックは中量級で久しぶりに登場したアメリカ出身の白人チャンピオンです。ボクシングファンから最も脚光を浴びている中量級で、長い間、アメリカ出身の白人チャンピオンが誕生しなかったため、チャンピオンになる前から「ホワイトホープ」と呼ばれ、世界タイトル獲得を期待されていました。
デビュー当初こそ、注目を集めるために「ホワイトホープ、ケリー・パブリック」として売り出した時期もありましたが、試合が進むにつれてグングンと評価を上げ、今や「ケリー・パブリック」の名前だけでお客さんを呼べるボクサーです(デビュー当時からめちゃめちゃ強かったですよ)。パブリックのニックネームは「ゴースト」で「とらえどころのないボクサー」という意味があるようですが、ボクシングスタイルは単純明快ですよ。
身長189センチ、リーチ190センチの体格的なアドバンテージを上手く活かして戦う攻撃重視のボクシングスタイルがパブリックの持ち味です。左ジャブで相手を起こして、強烈な右ストレートを叩き込み、相手をKOするという本当にわかりやすいボクシングなので、間違いなく人気ボクサーの仲間入りを果たすと思います。実際、85%を越える高いKO率はアメリカのボクシングファンだけでなく、世界中のボクシングファンを引き付ける大きな魅力になっていますね。
そのパブリックが初の世界タイトルに挑戦したのは2007年9月。元4団体統一世界ミドル級チャンピオン、バーナード・ホプキンスを倒した、ジャーメイン・テイラーが持つWBC、WBO世界ミドル級タイトルに挑戦したのですが、2ラウンドでテイラーの連打を浴び、ダウンを喫してしまいます。「このまま決まりそうだな」と思わずにいられない強烈な連打を浴びたパブリックですが、ここから驚異的な粘りを見せます。
パブリックはダウンを食らったにも関わらず、守って体力回復を図るのではなく、打ち合いながら体力回復を図ったのです。これにはビックリしました。テイラー相手に打ち合って体力回復を図ろうと考えるボクサーは世界中を探してもパブリック以外にいないでしょう。結果として、この作戦が見事に的中し、テイラーにパンチを打ち込みながら、体力回復に成功します。攻撃に出たことでテイラーに「パブリックはまだまだパンチがあるな」と思わせることができたのは大きかったですね。これでテイラーは不用意に攻撃することができず、結果的にパブリックは体力を回復することができました。もしパブリックが守って体力回復を図ろうとしたなら、そのままテイラーにやられていたと思います。パブリックはディフェンスが上手いボクサーではありませんからね。
パブリックのパンチをまともにもらったことと、序盤の攻撃で体力を使いすぎたことで、試合中盤に入ると、チャンピオン、テイラーが失速。結局、7ラウンド逆転のTKO勝利で、パブリックが初の世界戦挑戦で世界チャンピオンになりました。パブリックは、パンチ力、スタミナ、タフネスを持ち合わせているボクサーです。2008年2月に行われたテイラーとの再戦も判定で勝利し、今後は長期政権を築きそうな勢いです。2008年4月時点で、パブリックがミドル級最強なのは誰もが認めるところでしょう。
パブリックのボクシングは決して成熟していると言えないですが、驚異的な攻撃力と体力を持っているパブリックに勝つことは簡単ではないですよ。もしパブリックが負けるとすれば、バーナード・ホプキンスのような老獪なボクサーや、ロナルド・ライトのようなディフェンスが上手いボクサーにごまかされた場合だと思います。ただ、パブリックの攻撃力を食い止められるボクサーがミドル級には見当たらないので、「ゴースト時代」が到来したと言って問題ないでしょう。
ケリー・パブリックのプロフィール
| 本名 | ケリー・パブリック |
| 誕生日 | 1982年4月5日 |
| ニックネーム | ゴースト |
| 戦績 | 35戦34勝30KO1敗 |
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