ライトヘビー級12回戦
元IBF世界ライト ヘビー級チャンピオン |
チャド・ドーソン(アメリカ) 戦績:31戦29勝17KO1敗1無効試合 |
前WBC世界ライト ヘビー級チャンピオン |
アドリアン・ディアコヌ(ルーマニア) 戦績:29戦27勝15KO2敗 |
チャド・ドーソン対アドリアン・ディアコヌの試合内容
長身でスピード豊かなサウスポーのチャド・ドーソンとカナダを拠点に戦うタフなファイターのアドリアン・ディアコヌが激突するライトヘビー級12回戦です。チャド・ドーソンもアドリアン・ディアコヌも元世界チャンピオン。再びベルトを腰に巻くため、どちらにとっても負けられないサバイバルマッチですね。
試合は懐に飛び込んで左右のフックを叩き込みたいアドリアン・ディアコヌに対して、懐の深いチャド・ドーソンが距離を取りながら鋭い右ジャブから左ストレートを叩き込んで突き放す展開で始まります。打ち合いを好むチャド・ドーソンですが、立ち上がりはアドリアン・ディアコヌのボクシングを観察している印象です。
「ドーソンが思い切り距離を取って戦ってるな。ディアコヌは何とか懐に飛び込みたいんだけど、どうするかな?」と試合の行方を見守る管理人。チャド・ドーソンは、この試合から名トレーナーのエマニュエル・スチュワートがセコンドについています。冷静な立ち上がりはエマニュエル・スチュワートの指示かもしれませんね。
序盤から中盤にかけては、チャド・ドーソンが前へ出てくるアドリアン・ディアコヌにカウンターを打ち込む展開が続きます。スピード、リーチ、体格(身長)で上回るチャド・ドーソンは自分の特徴を上手く活かした戦いで、アドリアン・ディアコヌの長所を消していますね。
その後もチャド・ドーソン優勢で進み、迎えた9ラウンド中盤。チャド・ドーソンが右アッパーを強振したところへ、アドリアン・ディアコヌが強烈な右ストレートのカウンターを顔面へ叩き込み、チャド・ドーソンの動きが一気に失速します。
「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。アドリアン・ディアコヌのパンチをまともにもらってしまったチャド・ドーソンは完全に動きが鈍ってきました。ときどきパンチをまともにもらってしまうチャド・ドーソンの悪い癖が出ちゃいましたね。
ヒヤリとする場面を作ってしまったチャド・ドーソンですが、その後はアドリアン・ディアコヌの攻撃を耐え切り、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は3人のジャッジすべてがチャド・ドーソンを指示。チャド・ドーソンがアドリアン・ディアコヌに12ラウンド判定勝ちを収め、元世界チャンピオン対決を制しました。
チャド・ドーソンのスピードとテクニックがアドリアン・ディアコヌの突進力を封じ込めた試合でしたね。スピード、テクニック、恵まれた体格のすべてを持ち合わせているチャド・ドーソンですが、この試合もパンチをまともにもらってしまう悪い癖が出てしまい、「素晴らしい資質を持っているけど、もろい」印象を与えてしまったかもしれません。
ただ、ボクサーとしての資質はピカイチなので、今後は安定感を高めながら、好不調の波をなくしたいですね。もし好不調の波がなくなれば、チャド・ドーソンが再び世界チャンピオンに返り咲く可能性はかなり高いと思います。
チャド・ドーソンは、この試合に勝利したことで、世界チャンピオンの最高齢記録を樹立したバーナード・ホプキンスに挑戦する権利を手にしました。バーナード・ホプキンスとチャド・ドーソンの試合は実質上のライトヘビー級最強決定戦。今から実現が楽しみです!
チャド・ドーソンが右ジャブを打ち続け、スピードを活かしたアウトボクシングに徹することができれば、さすがのバーナード・ホプキンスも苦しくなると思うのですが…。再起を果たしたチャド・ドーソンはスーパースターの階段を駆け上げることができるでしょうか?
チャド・ドーソン対アドリアン・ディアコヌの試合結果
試合結果 | チャド・ドーソンが12ラウンド3-0の判定勝ちで元世界チャンピオン対決に勝利。 【公式ジャッジの採点結果】
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