ミドル級12回戦
元2階級制覇チャンピオン | セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン) 戦績:52戦48勝27KO2敗2分 |
WBC世界ミドル級1位 | マシュー・マックリン(イギリス) 戦績:31戦28勝19KO3敗 |
セルヒオ・マルチネス対マシュー・マックリンの試合内容
圧倒的なスピードと卓越したテクニックを武器に「ミドル級最強」の称号を手にするセルヒオ・マルチネスがタフなファイターのマシュー・マックリンと激突する新旧人気ボクサー対決です。「パウンド・フォー・パウンド」のひとりに数えられるセルヒオ・マルチネスに注目ですね。
試合は、リング中央でドッシリと構えて左ジャブを突くマシュー・マックリンに対して、サウスポーのセルヒオ・マルチネスがガードを下げて左右に動きながら鋭い右ジャブを突く展開で始まります。セルヒオ・マルチネスは左ストレート、マシュー・マックリンは右ストレートを打ち込むタイミングをはかっているようです。
【Photo:The Ring Magazine】
「スピードはマルチネスが一枚も二枚も上手だね。マックリンは下(ボディー)から食いついて、しつこく攻撃することができるかな?」と思っていると、2ラウンド中盤、マシュー・マックリンの左ジャブに合わせて、セルヒオ・マルチネスが鋭い左ストレートのカウンターを叩き込みます。
セルヒオ・マルチネスの左ストレートをアゴにもらい、大きくバランスを崩すマシュー・マックリン。抜群の当て勘を誇るセルヒオ・マルチネスが得意とする、いきなりの左ストレートですね。タフなマシュー・マックリンでなければ、ダウンしてもおかしくないパンチです。
【Photo:The Ring Magazine】
4ラウンド中盤には、マシュー・マックリンが踏み込んだ瞬間、セルヒオ・マルチネスがショートの左アッパーを突き上げ、マシュー・マックリンの腰が沈みます。フロイド・メイウェザーと並び、飛び抜けた「空間支配力」を誇るセルヒオ・マルチネスだからこそ打てるパンチですね。
5ラウンドに入ると、マシュー・マックリンが左ジャブから入るボクシングから右ストレートから入るボクシングに切り替え、勝負に出ます。いきなりの右ストレートがセルヒオ・マルチネスの顔面をとらえるなど、マシュー・マックリンのパンチが当たり始めました。
「マックリンの右ストレートのタイミングも合ってきたね。マルチネスの左とマックリンの右。どっちが先に大砲を当てるかな?」と試合の行方に注目する管理人。6ラウンドに入ると、セルヒオ・マルチネスがマシュー・マックリンのパンチを警戒して、上半身を小刻みに振り始めました。
一進一退の攻防で迎えた7ラウンド残り30秒、セルヒオ・マルチネスの右足とマシュー・マックリンの左足が引っかかり、セルヒオ・マルチネスがバランスを崩した瞬間、マシュー・マックリンが右フックを打ち込み、セルヒオ・マルチネスがリングに右手をついてしまいます。
レフェリーの判断はノックダウン!スリップダウンと判断するレフェリーもいると思いますが、パンチが当たっていたので、レフェリーはノックダウンと認めたようです。予想外のダウンを奪われたセルヒオ・マルチネスは、8ラウンドに入ると、攻撃を強め、失ったポイントを取り戻しにいきます。
「マルチネスがものすごいプレッシャーをかけてきたよ。ハートの強いマックリンが下がりっぱなしだもん。リングで向き合うと、相当な圧力を感じるんだろうな」とセルヒオ・マルチネスの猛攻に圧倒される管理人。7ラウンドにダウンを奪われたセルヒオ・マルチネスですが、8ラウンド、9ラウンドでポイントを取り戻しましたね。
10ラウンドに入ると、セルヒオ・マルチネスが一気に手数を増やして、マシュー・マックリンを守勢に追い込みます。セルヒオ・マルチネスを相手に大善戦をみせるマシュー・マックリンですが、ダメージの影響とスタミナ切れの影響で動きが鈍ってきましたね。
11ラウンドに入ると、セルヒオ・マルチネスがフットワークを駆使してマシュー・マックリンのパンチが届かない距離へ移動しながら、鋭い右ジャブからカウンターの左ストレートを狙います。マシュー・マックリンも最後の力を振り絞って前進し、反撃しています。
「めちゃめちゃ壮絶な試合になったきたぞ。どっちが倒れてもおかしくないよ」と思っていると、11ラウンド残り20秒、マシュー・マックリンが左フックを打とうとした瞬間、セルヒオ・マルチネスが強烈な左ストレートを叩き込み、マシュー・マックリンがダウン!
【Photo:The Ring Magazine】
「すげえ、カウンター!これは、めちゃめちゃ効いた!」と絶叫する管理人。セルヒオ・マルチネスの「伝家の宝刀」をモロにアゴにもらい、ロープまで吹っ飛ばされたマシュー・マックリンですが、勝利への執念をみせ、必死に立ち上がります。
「マックリン、すげえな。とんでもないタフネスと闘争心だよ」とダウンから立ち上がったマシュー・マックリンに拍手を送る管理人。しかし、勝利を信じて立ち上がったマシュー・マックリンを待っていたものは、「驚異の男」のニックネームを持つセルヒオ・マルチネスの左ストレートでした。
ダウンを奪ったセルヒオ・マルチネスは、立ち上がったマシュー・マックリンに対して、力強いパンチを連打!最後は、マシュー・マックリンが左フックを打とうとした瞬間、再び、左ストレートのカウンターを打ち込み、2度目のダウンを奪います。
またしても深いダメージから立ち上がったマシュー・マックリンですが、11ラウンド終了後、マシュー・マックリンのトレーナーを務めるバディ・マクガートが棄権を申し入れ、勝負あり。セルヒオ・マルチネスがマシュー・マックリンに11ラウンド終了TKO勝ちを飾り、「驚異の男」の底力をみせつけました。
【Photo:The Ring Magazine】
セルヒオ・マルチネスもマシュー・マックリンも実力を出し切った素晴らしい試合でしたね。テクニシャンのセルヒオ・マルチネスが最後は気迫でマシュー・マックリンをねじ伏せた結末が、試合の壮絶さを物語っていると思います。手に汗握る死闘でした!
大激戦の末、勝利を手にした「驚異の男」セルヒオ・マルチネス。「スーパーシックス」を制した「神の子」アンドレ・ウォードや「伝説の後継者」フリオ・セサール・チャベス・ジュニアとのビッグマッチが期待されています。個人的には、アンドレ・ウォードとの高速の超絶テクニシャン対決が観たいです!
セルヒオ・マルチネス対マシュー・マックリンの試合結果
試合結果 | セルヒオ・マルチネスが11ラウンド終了TKO勝ち。 |