ボクシングの名トレーナー、フレディ・ローチが語る3人の愛弟子
数多くのボクサーを世界チャンピオンを導き、5度の「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したボクシング界随一の名トレーナー、フレディ・ローチ。「The Ring Magazine」の公式サイトで、フレディ・ローチは、ビッグマッチを控える3人のスーパースター、マニー・パッキャオ、アミール・カーン、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアについて語りました。
フレディ・ローチが最初に語ったボクサーは、フレディ・ローチを「マスター」と慕う6階級制覇チャンピオンのマニー・パッキャオ。納税問題で母国フィリピンの国税庁に告発されるなど、リング外の問題が大きくなってしまった愛弟子を「税金の問題っていうより政治的な問題が、パッキャオを混乱させているようだね。パッキャオと話をしたけど、動揺した様子は全くなかったよ」と気遣っています。
2012年6月9日(日本時間6月10日)にティモシー・ブラッドリーと対戦するマニー・パッキャオ。爆発的な連打を誇るティモシー・ブラッドリーは「マニー・パッキャオの最も危険な対戦相手」と見られていますが、フレディ・ローチは「無敗の強敵と戦えることはすばらしいことだよ。エキサイティングな試合になるだろうね」と愛弟子のビッグマッチを楽しみにしているようです。
【Photo:The Ring Magazine】
続いては、レイモント・ピーターソンと大接戦の末、王座を失ったアミール・カーン。失ったタイトル奪取をかけて、5月19日(日本時間5月20日)にラスベガスでレイモント・ピーターソンと再戦を行う「イギリスのキング」にシンプルなアドバイスをしたようです。
「初戦はロープを背負いすぎてしまい、ピーターソンに力強いボディーを打たせてしまったね。再戦はポジショニングがカギになるはず。ロープを背負わず、リング中央でボクシングすることが大切だよ」とアミール・カーンの持ち味であるスピードを最大限に生かして戦う必要性を語りました。
ラストは、メキシコで絶大な人気を誇る「伝説の続き」フリオ・セサール・チャベス・ジュニア。マルコ・アントニオ・ルビオ戦でWBC世界ミドル級タイトルの2度目の防衛に成功したフリオ・セサール・チャベス・ジュニアを次のように称賛しました。
【Photo:The Ring Magazine】
「ルビオ戦のパフォーマンスは本当によかったね。正直なところ、もっとアウトボクシングするつもりだったんだ。でも、チャベス・ジュニアが『ルビオのパンチは全く効かない』と主張したので、チャベス・ジュニアが好きな接近戦の打ち合いで勝負した。すばらしい内容で勝利を手にしたことに満足しているよ」と愛弟子の成長を喜びました。
おしまいに、フレディ・ローチは、将来のフリオ・セサール・チャベス・ジュニアのビッグマッチについて、「一番戦ってほしい相手はサウル・アルバレスだね。チャベス・ジュニア対アルバレスは、現在考えられる2番目に大きなビッグマッチだと思うよ。その勝者が、将来セルヒオ・マルチネスと対戦するとおもしろいね」と語りました。
ボクシング界を席巻するスーパースターから絶大な信頼を寄せられているフレディ・ローチ。世界で最も有名なボクシングの名トレーナーは、愛弟子を勝利に導き、昨年ロベルト・ガルシアに奪われた「トレーナー・オブ・ザ・イヤー」を取り戻すことができるでしょうか?いつかフレディ・ローチの愛弟子、マニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーの「現在考えられる最大のビッグマッチ」が実現するとうれしいなあ。