ヒザに爆弾を抱えるセルヒオ・マルチネス！復帰に含みを持たせながら引退を示唆

決断の瞬間が迫っているようです！2階級制覇の実績を誇る「驚異の男」セルヒオ・マルチネスがテレビ番組に出演し、引退を示唆（しさ）するコメントを発表。ミゲール・コット戦の完敗から5か月「現役続行か、引退か」に揺れるアルゼンチンのスーパースターが心境を告白しました。

「ヒザの状態を考えると、引退することが最善の判断だと思う。もちろん、完敗した試合を最後に引退することは本意じゃないよ。できることなら、もう一度、勝利を味わいたい。でも、もう一度ヒザを手術してもベストなコンディションでリングに上がれるかどうかはわからない。ベストなコンディションで戦えないボクサーにとって、リングはとても危険な場所なんだ」

「私の進退について、ファンのみんなが心配してくれることに心から感謝したい。いつも応援してくれたファンのみんな、本当にありがとう。もう一度ボクシングがしたくなったら、復帰する可能性はあるけど、難しいかもしれないね。リングから離れたあとも人生が続くことを考えると、無駄なダメージは避けるべきだと思う。戦えないことは悔しいけど、正直な気持ちだよ」

電光石火のカウンターと芸術的なテクニックを駆使して世界中のボクシングファンを魅了したセルヒオ・マルチネス。長く苦しんだヒザの状態が悪く、苦悩の末、気持ちは引退で固まったようです。現役続行に含みを持たせた事実が、セルヒオ・マルチネスの悔しさを物語っていて、めちゃめちゃ切ないなあ。

WBC世界ミドル級チャンピオンだったセルヒオ・マルチネスは2014年6月、4階級制覇を目指してミドル級へ転向したミゲール・コットと対戦。結果は、10ラウンドTKO負けでした。試合前は「体格差がモロに出そうな試合だね。マルチネスがコットを圧倒するんじゃないかな？」と予想していたので、衝撃の王座陥落でした。

管理人は、ミゲール・コット、セルヒオ・マルチネス、ミッケル・ケスラーの大ファンで、セルヒオ・マルチネス対ミゲール・コットは「まさか、こんな日が来るなんて。どっちを応援していいのか、さっぱりわかんないなあ。KO決着で終わらないで！」と思いながら、夢のスーパースター対決のゴングが鳴る日を楽しみに待っていました。

ところが、結果は、セルヒオ・マルチネスの完敗。傷だらけでコーナーのイスに腰かけ、ギブアップした悲しげな表情が今もすぐに浮かんできます。オスカー・デラホーヤがマニー・パッキャオに完敗を喫したラストマッチのデジャブを見ているようで、言葉にできない切なさがこみ上げてきました。

セルヒオ・マルチネスの大ファンなので「世界で最もエレガントなサウスポー」のボクシングを観戦できなくなることは本当に残念です。でも、本人が語ったように、引退後も人生は続くので、引退は英断だと思います。リングの中で「ボクシングの美しさ」、リングの外で「人間の強さ」を教えてくれたスーパースターに心から感謝したいです！