フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの再戦がKO決着で終わる可能性は？

5階級制覇の実績を誇る「天才」フロイド・メイウェザーが9月13日（日本時間9月14日）に2階級制覇の実績を誇る強打のマルコス・マイダナと激突する再戦が近づいてきました。2014年5月の初対決から4か月。世界中のボクシングファンが「完全決着」を期待する因縁の再戦です。

フロイド・メイウェザー対マルコス・マイダナの初戦ですごく印象的だったシーンは「負けたマイダナが試合後のインタビューや記者会見で堂々としていたこと」です。超攻撃的なマルコス・マイダナは決定打こそ打ち込むことができませんでしたが、フロイド・メイウェザー戦に向けて取り組んできたボクシングを「出し切った感」があったのかもしれません。

マルコス・マイダナの「満足感」が「ボクシング界の王様」フロイド・メイウェザーのプライドをチクチクと刺激した結果、再戦が実現することになりました。フロイド・メイウェザーは「どんな攻撃であれ、どんな距離であれ、マイダナを完璧にコントロールできる」と思っていたはずです。ところが、待ち受けていた現実は「ボクシング界の王様」の想像を超える試練でした。

素人ファンが「こんなに近い距離で戦っても、マイダナの連打を許さないよ。メイウェザー、すげえ！」と熱狂したボクシングですら「ボクシング界の王様」を満足させることはできなかったようです。初戦で満たされなかったフロイド・メイウェザーは、再戦で「KOを狙う」と宣言。フロイド・メイウェザーにKO勝利を期待する不思議な気分に包まれています。

フロイド・メイウェザーの本音が「絶対にKOで勝つ」なのか「チャンスがあればKOで勝つ」なのか、試合が始まるまでわからないわけですが、フロイド・メイウェザーにとってもマルコス・マイダナにとっても「KO勝利こそ究極の目標」であることは間違いないと思います。同時に、再戦を楽しみにしている管理人にとっても「KO決着こそ究極のエンディング」です。

マルコス・マイダナにとって、最悪の負け方は、フロイド・メイウェザーにKOされることではなく、パンチが全く当たらないイライラした状態で12ラウンドを戦い続けることだと思います。マルコス・マイダナは「負けを恐れない戦士」なので「戦うことすら許してもらえないワンサイドの判定負けのほうが、力を出し切った末のKO負けより、はるかに悔しいはず」です。

フロイド・メイウェザーの実力を考えると、打たせないボクシングを最優先すれば、マルコス・マイダナを再戦でシャットアウトできる可能性はめっちゃ高いと思います。初戦は「せまい空間」で戦う時間が多かったフロイド・メイウェザーですが、マルコス・マイダナの戦力を知っている再戦は「広い空間」で戦うための材料がそろっています。

でも、フロイド・メイウェザーが空間を完璧に支配し、12ラウンド大差の判定勝ちを飾ったとしても、シビアなファンや関係者、メディアの評価に大きな変化は生まれない気がします。フロイド・メイウェザーとしても「満たされない再戦」は不本意なはずなので「最終的なノックアウトを頭に入れながら、ノックダウンを狙うシーン」が目に見える形で連続するとうれしいなあ。

再戦は、同じ期待がマルコス・マイダナにも当てはまります。善戦して評価を高めた初戦と違い、再戦は結果が問われます。初戦は、ファンも「マイダナ、すごいよ。善戦したなあ」で満足だったと思います。でも、再戦は、たとえ同じくらい善戦したとしても「やっぱり勝てなかったね」と思われてしまうはずです。置かれている立場は、マルコス・マイダナも同じですもんね。

マルコス・マイダナの性格とボクシングスタイルを考えると、マルコス・マイダナは再戦も超攻撃なボクシングで勝負してくると予想して間違いないでしょう。一方、フロイド・メイウェザーはラウンドが進むにつれてリングを広く使いながら「打たせずに打つボクシング」で勝負することが予想されます。ダメージを最小限に抑えながらスタミナを温存し、終盤のKO狙いが理想的でしょうか？

個人的に最も興味深いポイントが「メイウェザーが本当にKOを狙っているなら、フィニッシュブローは何だろう？」です。フロイド・メイウェザーが最後に狙っているパンチによって、試合の組み立て方が変わってくると思うので、フロイド・メイウェザーのフィニッシュブローにめちゃめちゃ興味津々です。マルコス・マイダナはオーバー・ハンド・ライトがカギになるのかな？

勝ったフロイド・メイウェザーと負けたマルコス・マイダナの表情が印象的だった初戦から4か月。世界が注目する因縁の再戦で存在感を見せつけるボクサーは連勝を狙うフロイド・メイウェザーでしょうか？リベンジを誓うマルコス・マイダナでしょうか？完全決着が期待される大一番。KO決着で幕を閉じると、ものすごいドラマですね。KO決着の条件がそろっている再戦です！