爆発的な攻撃力で世界中のボクシングファンを魅了する生粋の倒し屋
アルゼンチン出身のマルコス・マイダナは、強打で相手をねじ伏せる超攻撃的なボクシングを武器に世界中のボクシングファンを熱狂させている生粋のファイターです。1ラウンドからKOを狙う荒々しい豪快なファイトスタイルがマルコス・マイダナの代名詞ですね。
マルコス・マイダナのボクシングはとてもシンプル。パンチを打ちながら前進を続けて打ち合いに持ち込み、自慢の強打を打ち込んで対戦相手をリングに沈めます。
下がるとモロい一面がありますが、前に出ると凄まじい強さを発揮します。相手が誰であろうと、真正面から猛然と打ち合い、超激戦区のスーパーライト級で頂点に輝いたボクサーがマルコス・マイダナなんです。
決して器用なボクサーとは言えないマルコス・マイダナですが、パンチの破壊力と当て勘、そして力強いパンチを連打できる能力は超一級品。ディフェンスの甘さを補うだけの攻撃力を秘めています。
ディフェンスが甘いため、ダウンを奪われることも多いのですが、ダウンから必ず立ち上がり、攻撃しながら回復できるタフネスを持ち合わせています。
マルコス・マイダナの試合を観ると、中盤に「あ、マイダナ、打ち疲れた。飛ばし過ぎちゃったな」と思っても、少し休むと回復するんです。この驚異的な回復力はマルコス・マイダナの特筆すべき能力だと思います。
早いラウンドのKO勝ちが多い速効型のファイターですが、試合終盤で相手を倒すだけのパンチとスタミナを秘めているので、対戦相手は少しも気を抜けないんです。
爆発的な攻撃力を誇るマルコス・マイダナが初の世界タイトルに挑んだのは2009年2月。25戦全勝で、抜群のテクニックを誇るアンドレアス・コテルニクに挑戦しますが、結果は12ラウンド僅差の判定負け。世界タイトル獲得に失敗し、プロ初黒星を喫してしまいます。
しかし、その4か月後、ビクター・オルティスとWBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦を行います。
倒し倒されの壮絶な打ち合いの末、マルコス・マイダナがビクター・オルティスに6ラウンドTKO勝ちで悲願の世界タイトル獲得に成功。マルコス・マイダナの強打がスーパースター候補のビクター・オルティスを粉砕したすばらしい試合でした。
3度の暫定タイトル防衛を重ねたマルコス・マイダナは2010年12月、チャンピオンのアミール・カーンと王座統一をかけて激突します。
1ラウンドにダウンを奪われたマルコス・マイダナは試合終盤に盛り返しましたが、結果は僅差の負けで王座を失ってしまいます。なお、この王座統一戦はBWAA(全米ボクシング記者協会)の年間最高試合に選ばれた激闘でした。
2敗目を喫したマルコス・マイダナですが、いずれも僅差の判定負けで、評価は落ちるどころか、グングン上昇。そして迎えた2011年4月、マルコス・マイダナは再びWBA世界スーパーライト級暫定タイトルを獲得するチャンスを手に入れ、4階級制覇を目指すエリック・モラレスと拳を交えます。
大熱戦の末、マルコス・マイダナがエリック・モラレスに判定勝ちを飾り、暫定タイトルを獲得。エリック・モラレスの強打と経験に苦しめられながらも、マルコス・マイダナが底力を発揮して執念でタイトル奪取を成し遂げた試合でした。
2012年2月、ビッグマッチを求めてウェルター級へ戦いの場を移したマルコス・マイダナは強豪のデボン・アレキサンダーと対戦。序盤からKOを狙うマルコス・マイダナですが、デボン・アレキサンダーのカウンターとクリンチに自慢の攻撃力を封じ込められ、大差の判定負けを喫してしまいます。強打がテクニックにひれ伏した完敗でした。
再起を目指すマルコス・マイダナは2012年9月、メキシコが誇る強打者のヘスス・ソト・カラスと激突。ヘスス・ソト・カラスのボディー攻撃に苦しむ場面もありましたが、結果は8ラウンドTKO勝ちで存在感をアピールしました。
復活を果たしたマルコス・マイダナは2013年6月にホセシト・ロペスと対戦。大激闘が予想された勇敢なボクサー対決は、6ラウンドTKO勝ちでマルコス・マイダナに軍配。激しいパンチの応酬の末、ホセシト・ロペスをパワーでねじ伏せた快勝でした。
連続KOで復活を果たしたマルコス・マイダナは2013年12月、全勝の快進撃を続けるWBA世界ウェルター級チャンピオンのエイドリアン・ブローナーと激突。結果は12ラウンド判定勝ちで2階級制覇を達成。「勝つならKOしかない」の予告通り、立ち上がりから攻め続けて2度のダウンを奪った会心の勝利は、激戦区ウェルター級の主役に躍り出る大金星でした。
大金星を手にしたマルコス・マイダナは2014年5月、ボクシング界の頂点に君臨するフロイド・メイウェザーと王座統一をかけて激突。宣言通り、序盤から攻撃にシフトし、体重を乗せたパンチを振り回しますが、フロイド・メイウェザーに決定的なダメージを与えることはできず、12ラウンド判定負け。善戦およばず、フロイド・メイウェザーの牙城を崩すことはできませんでした。
初戦の激闘が高く評価されたマルコス・マイダナは2014年9月、念願の勝利を目指してフロイド・メイウェザーに再挑戦します。しかし、再戦の結果も初戦と同じ12ラウンド判定負け。初戦と比べてパンチを打たせてもらえない展開、パンチが当たらない展開が続き、イライラした状態で12ラウンドを戦うことになってしまった無念の黒星でした。
勝っても負けても魂を揺さぶるファイトで世界中のボクシングファンを熱狂させるマルコス・マイダナ。戦いながら着実に強くなってきた「生粋の倒し屋」は「叩き上げ」の雑草魂をエネルギーに変え、スーパースターが勢ぞろいする激戦区でアメリカンドリームを実現することができるでしょうか?攻撃的なボクシングを貫くマルコス・マイダナの果てない夢に注目です!
マルコス・マイダナのプロフィール
誕生日 | 1983年7月17日 |
戦績 | 40戦35勝31KO5敗 |
獲得タイトル |
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