八重樫東選手はローマン・ゴンサレスのプレッシャーを回避できるか？

井岡一翔選手と激しいパンチの応酬を繰り広げた八重樫東選手は「打ち合いを好むボクサー」というイメージが強いのですが、スピード（クイックネス）を武器に「打たせずに打つボクシング」ができる幅の広さを兼ね備えています。しかも、八重樫東選手のスピードは「フライ級ナンバーワン」と言っても過言ではありません。フライ級トップ戦線で活躍するボクサーで異色の存在です。

もし八重樫東選手が「とにかく打ち合うボクサー」だったら、ローマン・ゴンサレスに勝つ確率は限りなくゼロに近いと思います。でも、八重樫東選手の技術を考えると、前進するローマン・ゴンサレスに回転の速いパンチを当て、サッとポジションを変えてロープを背負わないボクシングを続けることは不可能じゃありません。日本が誇る八重樫東選手にしかできないボクシングです。

もちろん、ボクシングファンの皆さんがご存知のように、ローマン・ゴンサレスはめちゃめちゃ追い込む技術に優れたファイターです。ローマン・ゴンサレスのプレッシャーを感じながらロープに追い込まれ、最後は軽量級とは思えない強烈なパンチを上下に打ち分けられて、耐え切れずリングに沈んだボクサーはたくさんいます。ロープを背負わされると、正直なところ「万事休す」です。

【Roman Gonzalez's Facebook】

そんなこんなで、日本中のファンが期待する大一番は「戦う距離」が勝敗を左右するポイントになると予想しています。ローマン・ゴンサレスは「軽量級最強のファイター」ですが、手数で絶対に負けてほしくないなあ。さらに、八重樫東選手の左右のフットワークが、相手をロープに詰めるローマン・ゴンサレスのスムーズなシフトウエイトを上回ることができるかどうかも注目したいです。

ローマン・ゴンサレスのクリーンヒットを一発もらってしまうと、終わっちゃう可能性があるので、八重樫東選手のガードもポイントになりそうですね。八重樫東選手がアウトボクシングをするときは、パンチを出しやすいように、ガードを下げて戦うことが多いのですが、ローマン・ゴンサレス戦は、どんな作戦で勝負するんだろう？くうー、めちゃめちゃテンションが上がってきました！

大橋秀行会長と八重樫東選手がローマン・ゴンサレスと戦うことを表明したとき「男前すぎる！」とうれしく仕方がありませんでした。9月5日、八重樫東選手が「強すぎて対戦相手が見つからない」ローマン・ゴンサレスに勝てば、八重樫東選手はフライ級の「王様の座」に君臨することになります。

日本人のボクサーが世界の主役になってもいい頃だと思いませんか？毎年発表される「好きなスポーツ選手トップ10」にプロボクサーが入ってもいい頃だと思いませんか？たくさんの世界チャンピオンを輩出した日本ボクシング界に求められる「時代を変えるスーパースター」。八重樫東選手がローマン・ゴンサレスに勝てば、ファン待望の「The One」が誕生する夢の対決です！