全勝のケル・ブルックが強打のディエゴ・チャベスとイギリスで10月に防衛戦
注目の全勝チャンピオンは難敵を撃破できるでしょうか?IBF世界ウェルター級チャンピオンのケル・ブルックが10月24日(日本時間10月25日)にイギリスのシェフィールドでWBA暫定タイトルを獲得した経験を持つディエゴ・チャベスと防衛戦をすることが発表されました。
いやー、すばらしいマッチメイクですね!35戦全勝の快進撃を続けるケル・ブルックはイギリスの中量級を引っ張る「スペシャルワン」。フィジカルの強さとバランスの良さを兼ね備えた攻防兼備のハードパンチャーです。パンチもフィジカルも強いのですが、ゴリゴリ攻めるタイプではなく、冷静に試合をコントロールしながらフィニッシュを狙うクレバーなボクサーですね。
一方、元WBA暫定チャンピオンのディエゴ・チャベスは、アルゼンチンが誇る好戦的なハードパンチャー。リーチが決して長いわけではありませんが、中間距離からパンチを当てる技術が高く、カウンターを狙うこともできる器用な強打者です。もちろん、最大の魅力はパワフルなインファイト!接近戦になると、一撃でも連打でも倒せる強打が上下に飛んできます。
【全勝王者のケル・ブルックは新時代のウェルター級の主役になれるか?】
ケル・ブルックとディエゴ・チャベスの勢いや開催地を考えると、母国イギリスで戦うケル・ブルックの有利を予想する声が多くなると思います。ケル・ブルックもディエゴ・チャベスもフィジカルが強いハードパンチャーですが、ケル・ブルックのほうが、体がひと回り大きく、リーチも長いので、いろいろな意味で「ブルックにアドバンテージがあるかな?」と思っちゃいます。
しかも、ディエゴ・チャベスは直近の4試合の戦績が1勝2敗1分で、アルゼンチン国外で開催された3試合で、ひとつも勝利がありません。でも「ブルックの楽勝か?」と質問されたら、管理人の答えは迷わず「ノー」です。個人的には、ディエゴ・チャベスは超激戦区ウェルター級のトップ戦線で活躍するボクサーの中で、最も過小評価されている選手のひとりだと考えています。
ディエゴ・チャベスは、キース・サーマンにKO負けしたイメージが強く残っているわけですが、ブランドン・リオス戦は反則負け、ティモシー・ブラッドリー戦は引き分けでした。プロ初黒星を喫したキース・サーマン戦を含めて、出来は決して悪くなかったと思います。逆に「すげえなあ。こんなに強いボクサーがいるんだ」とうれしくなる激闘でした。
もちろん、ディエゴ・チャベスがケル・ブルックにパンチを当てるためには、リーチ差を克服する必要があります。ケル・ブルックは力強いワンツー、飛び込んできたところへ打ち込むアッパー、さらにパンチを許さないクリンチを得意としているので、ディエゴ・チャベスにとって、難しい試合になることは間違いありませんが、ボディから顔面のフックへつなげてほしいなあ。
一方、ケル・ブルックは距離をしっかりとキープして、試合をコントロールしたいところです。ディエゴ・チャベスがガードを外せなくなって飛び込めない展開が続くと、ケル・ブルックのパンチだけが当たるワンサイドゲームになるかもしれません。ケル・ブルックは得意の右ストレートで突き放しながら、ディエゴ・チャベスが焦って出てきたところを狙いたいですね。
フロイド・メイウェザーの引退で、新時代へ突入した動乱のウェルター級戦線。いろいろなタイプのボクサーと防衛戦を重ねながらメガマッチを狙うケル・ブルックが地元ファンの期待に応える勝利を飾るのでしょうか?それとも、ディエゴ・チャベスが敵地のファンを沈黙させ、王座返り咲きを果たすのでしょうか?パワーとテクニックを兼ね備えた注目の強打者対決です!