ビッグマッチを狙うアミール・カーンか？再び大物食いを狙うクリス・アルジェリか？

ビッグマッチと2階級制覇を狙う「イギリスのキング」アミール・カーンが5月29日（日本時間5月30日）にニューヨーク州ブルックリンでクリス・アルジェリと対戦する注目のサバイバルマッチに向けたコメントを発表。敵地アメリカへ乗り込み、勝利をつかむことができるでしょうか？

「アメリカで試合ができることは、私にとって、いつでも大きな喜びだよ。アルジェリは手数が多くて、スピードのある、すばらしいボクサーだよ。彼のようなトップレベルのボクサーに勝つことで、私の実力をアメリカのファンにも認めてもらいたい。大事な大事な試合だね」

圧巻のスピードを誇る「イギリスのキング」アミール・カーン。絶大な人気を誇るスピードスターは、過去に何度もフロイド・メイウェザーに対戦を直訴しています。でも、フロイド・メイウェザー陣営から「人気はあるけど、実績が足りない」と突き放され、夢はかなわず。クリス・アルジェリ戦で、すばらしいパフォーマンスを披露して、9月の対戦相手に名乗りをあげたいですね。

一方、2014年に大躍進を遂げたクリス・アルジェリは「大事な再起戦だ。初の世界タイトルを獲得したニューヨークで復活をアピールしたいね」と気合い十分。セルゲイ・コバレフのトレーナーを務めるジョン・デビッド・ジャクソンを迎え、ルスラン・プロボドニコフ戦に続く大物食いを虎視眈々（こしたんたん）と狙っています。1年前に誰も想像できなかったマッチメイクですね。

アミール・カーンは、あと一歩のところで、痛恨の黒星を喫したり、試合内容がパッとしなかったりで、念願のフロイド・メイウェザー戦を実現できていません。一方、クリス・アルジェリは、あっと言う間に「大出世」を果たし、マニー・パッキャオ戦を実現しました。世界的な知名度の高さは、圧倒的にアミール・カーンなんですけど、歩んできた道のりは不思議ですよね。

フロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオが決まったときに「カーンがメイウェザーに挑戦するチャンスが生まれたかも。メイウェザー対パッキャオの勝者が3本のベルトを統一するでしょ。カーンは6月までにIBFチャンピオンのケル・ブルックに挑戦して、ベルトを奪いたい！4本のベルトをかけた王座統一戦なら、現実味があるんじゃないかな？」と地味に期待していました。

残念ながら、アミール・カーン対ケル・ブルックは実現せず。さらに、フロイド・メイウェザーが、マニー・パッキャオ戦のあと、世界タイトルの返上を示唆。「ほかのボクサーにもチャンスを与えてやりたい」と頂点に立つ王様だけが許される余裕のコメントを発表しました。弱肉強食の世界、すげえ！ウェルター級とスーパーウェルター級はめちゃくちゃ激戦区なんだけどなあ。

そんなこんなで「イギリスの王様」アミール・カーンは何度も対戦を直訴している「ボクシング界の王様」フロイド・メイウェザーに「手土産」を持参できないまま「最終テスト」の舞台へ上がることになりました。クリス・アルジェリは、12ラウンド勝負を想定してリングへ上がる、手数の多いテクニシャン。誰が戦ってもKOすることが本当に難しいアウトボクサーです。

フロイド・メイウェザー戦を切望するアミール・カーンは、難敵のクリス・アルジェリを捕まえ、強烈なインパクトを残すことができるでしょうか？「カーンのスピードがあれば、アルジェリを捕まえられるはず。でも、判定勝ちじゃ、メイウェザー戦は難しいだろうなあ。KO勝ちが絶対条件だよ」とアミール・カーンの逆襲を楽しみにしています。一発逆転はあるかな？