相手を下がらせたボクサーが主導権を握るわかりやすい展開か?
マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの試合予想(前編)を読む
気になる試合展開ですが、管理人は「最終的に『連打で追い詰められたボクサーが負け』のわかりやすい展開になるんじゃないかな?」と予想しています。お互い上半身を振りながら、パンチを打ち込むタイミングを狙う息詰まる展開になると思います。
サウスポーのマニー・パッキャオは、右ジャブだけでなく、左ストレートをリードパンチとして使い、リッキー・ハットン戦で披露した右フックを狙いながら序盤を戦うかもしれません。序盤でペースを握ることができれば、中盤以降は得意の左ストレートでKOを狙ってくるでしょう。
一方のティモシー・ブラッドリーは左ジャブを突きながら低い姿勢で飛び込み、左右のフックを狙うと思います。理想は、マニー・パッキャオの意識を左下(マニー・パッキャオから見て右サイドとボディー)に集めておいてジュニア・ウィッター戦でダウンを奪ったオーバー・ハンド・ライトで勝負を決めたいところでしょう。
ボクシングファンの皆さんはご存知のように、マニー・パッキャオはロープを背負うと、ガードを固めて棒立ちのまま相手の攻撃に耐えようとする癖があります。マニー・パッキャオに欠点があるとしたら、逆に言うと、ティモシー・ブラッドリーに勝機があるなら、この瞬間だと思います。
もちろん、圧倒的なスピードと手数を誇るマニー・パッキャオをロープに詰めることは大変な作業です。管理人の知る限り、マニー・パッキャオが自分からロープを背にした場合を除いて、ロープに追い詰め、防戦一方に追い込んだボクサーはファン・マヌエル・マルケスただひとり。まさに至難の業です。
しかし、ティモシー・ブラッドリーがマニー・パッキャオをロープに詰めて連打する展開に持ち込めないようだと、マニー・パッキャオが有利に試合を進めると思います。これまでの挑戦者のように「パックマン」に飲み込まれてしまうでしょう。
反対に、もしティモシー・ブラッドリーがファン・マヌエル・マルケスと同じように、マニー・パッキャオをロープに追い詰め、連打するチャンスがあると、マニー・パッキャオのブロックを打ち破る可能性は十分にあると思います。
ティモシー・ブラッドリーは決してKO率が高いボクサーではありません。しかし、安全運転をするタイプのボクサーなので、KO率以上に攻撃力はあると思います。体重を乗せてパンチを打つことができれば、世界中が驚愕するシーンが生まれるかもしれません。
マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーの戦力を比較すると、一撃のパンチ力はマニー・パッキャオが一枚上手だと思います。しかし、ディフェンスはティモシー・ブラッドリーが少し上手。連打のスピード、フットワークのスピード、手数、スタミナは互角に近いと思います。
ティモシー・ブラッドリーは体幹が強いタフなボクサーです。クリンチで押し負けることもないでしょう。しかも、重心が低いので、マニー・パッキャオはティモシー・ブラッドリーの頭に気をつけながら戦う必要があります。マニー・パッキャオにとって、決して戦いやすいボクサーではないと思います。
ティモシー・ブラッドリーが、序盤から手数で応戦して、マニー・パッキャオが余裕を持って動ける時間とスペースを奪うようなボクシングを展開することができれば、世界中が驚く光景が広がるかもしれません。そのためにも、ティモシー・ブラッドリーはマニー・パッキャオをロープに詰めたいですね。
左右の違いこそあれ「似た者同士」のマニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリー。持ち味のスピードと連打を生かして相手を後退させ、主導権を握るボクサーはどちらでしょうか?「どちらか一方が派手に倒される危険な戦い」の予感をビシバシ感じる管理人でした。