管理人の予想はティモシー・ブラッドリーのKO勝ち
6階級制覇チャンピオンのマニー・パッキャオと最激戦区スーパーライト級で快進撃を続けるティモシー・ブラッドリーが激突する大一番がいよいよ迫ってきました!「最強」のマニー・パッキャオに、無敗のティモシー・ブラッドリーが挑戦するめちゃめちゃ楽しみな好カードですね。
各階級に君臨する名立たるスーパースターを撃破して、ボクシング界の頂点にのぼりつめたマニー・パッキャオ。最強の称号「パウンド・フォー・パウンド」の最有力として、世界中のボクシング関係者とボクシングファンから最大級の評価と賛辞を送られている第一人者です。
一方、挑戦者のティモシー・ブラッドリーは、WBO世界スーパーライト級チャンピオンに君臨する勢いのあるボクサー。マニー・パッキャオほどの知名度はありませんが、過去にデボン・アレキサンダーやレイモント・ピーターソンを撃破した経験を持つ無敗のチャンピオンです。
「Ring Magazine」の公式サイトをチェックすると、ボクシング関係者の予想は「パッキャオ、圧倒的有利」。しかし、管理人は期待を込めて、ティモシー・ブラッドリーの勝利を予想してみたいと思います。
ボクシングの本場アメリカのウェブサイトやブログをチェックすると、「マニー・パッキャオがティモシー・ブラッドリーを圧倒する」という内容の記事が目立ちます。でも、「圧倒するほどの差があるのかな?」というのが管理人の正直な気持ちです。
実力はマニー・パッキャオが間違いなく上だと思います。しかし、相性を加味すると、どうでしょう?「ブラッドリーのKO勝ち」は「張り切りすぎな予想」という気もしますが、本気で「ブラッドリーが勝つかも」と思っています。
2005年3月にエリック・モラレス戦で喫した黒星を最後に、マニー・パッキャオは負けを知りません。その後は、一度敗北を味わったエリック・モラレスを含め、マルコ・アントニオ・バレラ、ファン・マヌエル・マルケス、オスカー・デラホーヤ、リッキー・ハットン、ミゲール・コット、アントニオ・マルガリート、シェーン・モズリーなど、名立たるスーパースターを次々と撃破しています。
マニー・パッキャオが勝利を飾ったボクサーの名前を改めてリストアップしてみると、マニー・パッキャオが「どれだけ特別な存在なのか」を再認識することができますね。実績だけを考えると、ティモシー・ブラッドリーはマニー・パッキャオの足元にも及ばないかもしれません。
しかし、皆さんご存知のように、ボクシングは実績で戦うスポーツではありません。「戦ってみなければわからない」と言われるように、過去の戦績や三段論法は通用しないところが、ボクシングのおもしろさであり、ボクシングの難しさでもあると思います。
管理人が「ティモシー・ブラッドリーの勝利」を予想した理由は、ティモシー・ブラッドリーのボクシングスタイルとティモシー・ブラッドリーの持つテクニックや持ち味がこれまで戦ってきたボクサーと違うからです。
ちなみに、マニー・パッキャオのトレーナーを務めるフレディ・ローチは「ブラッドリーのボクシングスタイルを考えると、パッキャオが負けることはない」と愛弟子の勝利を確信しているようです。
「年間最優秀トレーナー賞」を5度も受賞した名伯楽の見解に反旗をひるがえすようで、大変恐縮ですが、管理人は「パッキャオが負ける可能性は2005年以降で一番高いかも」と思っています。
手数で対抗できないボクサーはマニー・パッキャオに太刀打ちできない
2005年以降、マニー・パッキャオを最も追い詰めたボクサーは、ファン・マヌエル・マルケスだと思います。ファン・マヌエル・マルケスの特徴と言えば、連打とカウンター。自分から前進して攻撃できるだけでなく、後退しながらパンチを連打したり、カウンターを打ち込むことができるテクニックを持っている万能型のボクサーです。
ファン・マヌエル・マルケスは、マニー・パッキャオに打たれた後、主導権を渡さないよう必ず打ち返していました。一方、ファン・マヌエル・マルケス以外のボクサーは、マニー・パッキャオが攻撃に出てくると、まずガードを固めて攻撃に耐え、打ち終わりを待って反撃を狙っていました。
並のボクサーが相手なら、「打ち終わりを待って反撃」という作戦は有効だと思います。しかし、圧倒的な連打とスタミナを誇るマニー・パッキャオに「打ち終わりを待って反撃」という「攻防分離」の作戦は通用しないような気がします。しかも、マニー・パッキャオがスピードで上回っている場合、この作戦は致命的です。
例えば、マニー・パッキャオより体格で明らかに上回るアントニオ・マルガリートとジョシュア・クロッティ。攻防分離の作戦で勝負した結果、マニー・パッキャオの連打を浴び続け、防戦一方で全く攻撃に転じることができないまま、12ラウンドが過ぎてしまいました。
また、マニー・パッキャオのパンチを警戒して下がりすぎると、マニー・パッキャオの快進撃を支える鋭いステップインで、一歩二歩と踏み込まれ、仕留められてしまうか、逃げ回って12ラウンドが経過する結果になってしまいます。シェーン・モズリーが典型的な例だと思います。
つまり、手数で応戦できないボクサーは、どれだけパンチ力があっても、どれだけタフでも、「パックマン」マニー・パッキャオのスピードと手数とスタミナに圧倒され、逃げ場をなくした結果、飲み込まれてしまうのです。
逆に言うと、手数で対抗することができれば、プレッシャーに飲み込まれることなく、勝負できる可能性があります。マニー・パッキャオに自由に動けるスペースと考える時間を与え、気持ちよくボクシングをさせてしまうと、主導権を握ることは至難の業なので、ティモシー・ブラッドリーは手数でプレッシャーをかけて勝負したいところです。
マニー・パッキャオが最も苦戦したファン・マヌエル・マルケスは手数とカウンターで応戦するタイプでした。今回、マニー・パッキャオに挑戦するティモシー・ブラッドリーはスピードと手数で勝負するタイプです。
打ち出したら止まらない連打と素早い動きで頻繁にポジションを変えるティモシー・ブラッドリー。左右の違いはありますが、強豪を飲み込んできた「パックマン」に共通する魅力の持ち主です。マニー・パッキャオがこれまで出会うことのなかった新しいタイプの挑戦者に期待が高まります。