WBA世界ウェルター級王座決定戦
WBA世界 ウェルター級1位 |
ミゲール・コット(プエルトリコ) 戦績:27戦全勝22KO |
WBA世界 ウェルター級2位 |
カルロス・キンタナ(プエルトリコ) 戦績:23戦全勝18KO |
ミゲール・コット対カルロス・キンタナの試合内容
前チャンピオンのリッキー・ハットンがタイトルを返上により実現した好カード。減量苦で以前からウェルター級転向がうわさされていたミゲール・コットにとって、ウェルター級転向後、最初の試合がいきなりの王座決定戦です。
しかも、対戦相手が全勝の快進撃を続ける技巧派サウスポーのカルロス・キンタナ。「大丈夫かな、コット」と心配するファンは管理人だけではないと思います。全勝同士、プエルトリコ人同士の王座決定戦が幕を開けます。
試合は予想通り、1ラウンドからミゲール・コットが積極的に仕掛け、カルロス・キンタナが距離を取りながら応戦する展開。初めてカルロス・キンタナの試合を観戦していますが、すばらしいボクサーですね。特に、ボディーへの左ロングアッパーは強烈で効果的です。
3ラウンドにミゲール・コットのボディーをとらえたパンチはかなり効いていたと思います。並みの選手はもちろん、チャンピオンクラスでもダウンを奪えるほどの威力でした。
しかし、リングで戦っている相手は「闘争本能の塊」ミゲール・コット。1発もらったら、3発お返しするところは、超負けず嫌いですね。相手がうんざりするほどの手数こそ、コットの魅力です。
5ラウンド、ミゲール・コットがカルロス・キンタナの左腕に強烈な一撃をお見舞いし、カルロス・キンタナがたまらずダウン。さらにミゲール・コットが追撃して2度目のダウンを奪います。
何とか5ラウンドを乗り切ったカルロス・キンタナですが、5ラウンド終了後にギブアップを宣言し、勝負あり。ミゲール・コットが全勝対決を制して、見事に2階級制覇を達成しました。
以前のミゲール・コットは、ミッケル・ケスラーのようにディフェンスを大事にしながら戦い、強烈な左ボディーブローを中心に相手のスタミナを奪ってから確実に勝負を決めるスタイルでした。
最近はディフェンス重視のスタイルからオフェンス重視のスタイルへチェンジ。「うぎゃ!危ないよ、コット」という場面が増えましたが、スリリングな展開が増え、人気、実力とも完全にスーパースターの仲間入りを果たしましたね。
進化したミゲール・コットは「負けるかもしれない危うさを背中合わせの戦いで勝ち切るボクサー」だからこそ、ファンの心を惹きつけ、絶大な人気を誇るのだと思います。今後もミゲール・コットの試合から目が離せませんね。
試合結果
試合結果 | ミゲール・コットが5ラウンド終了TKO勝ち。2階級制覇達成しました。 |