究極の全勝対決!フロイド・メイウェザー対リッキー・ハットン(前編)を読む
7ラウンドに入ると、フロイド・メイウェザーが作戦を変更します。これまで押し合いになると、リッキー・ハットンに押し込まれてロープを背負っていたメイウェザーが押し返してロープを背負わなくなります。ハットンの残りの体力を計算に入れて、押し返せると判断したのでしょう。こうなると、ハットンは今まで以上に押し合いに力を使うため、体力を消耗しやすくなります。
8ラウンドに入ると、これまで守勢に回っていたメイウェザーが一気に攻勢に転じます。7ラウンドまでほどんど打たなかったボディーブローを連打し、体力的に苦しいハットンに追い詰めながら、1分過ぎにはボディーを連打した後、右ストレートのカウンターをハットンの顔面へ打ち込みます。ハットンの腰が一瞬落ちるほどの威力で、この試合一番のビッグパンチです。
ハットンの体力を奪いながら、ダメージを与えるボディーブローは最高のパンチと言えるでしょう。素晴らしい作戦です。さらに、攻撃の手を強めるメイウェザーは、残り40秒でハットンをロープへ追い詰め、顔面、ボディーへすさまじい連打を浴びせます。タフなハットンでなければ、ダウンしてもおかしくないほどのラッシュです。
9ラウンド開始のゴングが鳴ると、なんとハットンから攻撃を仕掛けます。8ラウンドあれだけの攻撃を受けながら、ポイントを取り返そうとするハットンの闘争心には本当に頭が下がります。しかし、ダメージのため、踏み込みの速さ、突進力が衰えたハットンに対して、メイウェザーは得意のフットワークと左ジャブで応戦し、体力を回復しながら、ポイントを奪取します。
両者の意地がぶつかり合いながら迎えた10ラウンド。究極の全勝対決がクライマックスを迎えます。ラウンド開始から突進するハットンに対して、メイウェザーは距離を保ちながらカウンターを狙います。そして、1分過ぎ、衝撃の光景が目の前に広がります。
ハットンが意図的にコーナーに下がったメイウェザーに向かって飛び込んできたところに、メイウェザーがタイミング抜群の完璧な左フック。パンチはハットンのテンプルを直撃し、ハットンはそのままコーナーポストに叩きつけられます。ハットンのダウンに興奮する超満員の会場。意識もうろうとする中、何とか立ち上がったハットンですが、メイウェザーがこのチャンスを逃すはずがありません。
レフェリーのジョー・コルテスさんが試合を続行すると同時にメイウェザーが攻撃を仕掛けます。ハットンは必死にクリンチをして、このピンチを乗り切ろうとしますが、最後は強引にクリンチを振りほどいたメイウェザーが再び左フックをハットンのテンプルに打ち込んだところでレフェリーストップ。メイウェザーがハットンを10ラウンドTKO勝ちで破り、世界中のボクシングファンが注目した全勝対決に勝利しました。
メイウェザー、ハットンのどちらも闘志溢れる素晴らしい試合で、本当に感動しました。全勝のスーパースターがお互いの持ち味を引き出し、何と形容していいのか言葉が浮かびません。ボクシングは勝者と敗者の明暗がはっきりと分かれるスポーツですが、この試合を観たボクシングファンにとって「どちらが勝者でどちらが敗者か」はあまり意味をなさないかもしれません。
試合後、お互いを称え合うメイウェザーとハットンの姿を観て、胸を熱くしたボクシングファンは管理人だけではないでしょう。あれだけ激しく戦ったボクサー同士がお互いの健闘を祝福し合うところにボクシングの美学があります。メイウェザー、ハットン、ボクシングの歴史に残る名勝負をありがとう!
試合結果
| 試合結果 | フロイド・メイウェザーが10ラウンドTKO勝ちで全勝の米英対決に快勝。 |
