WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ジャーメイン・テイラー(アメリカ) 戦績:28戦27勝17KO1分 |
挑戦者 | ケリー・パブリック(アメリカ) 戦績:31戦全勝28KO |
試合内容
10年間ミドル級の頂点に君臨し続けたバーナード・ホプキンスに2度勝利し、新しいミドル級の旗手となったジャーメイン・テイラーが31戦全勝28KOのケリー・パブリックを迎えたWBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチです。「テクニックのジャーメイン・テイラー」と「パワーのケリー・パブリック」という正反対の特徴を持つボクサー同士の激突に心躍りますね。
試合開始からパンチを出して積極的に攻撃したはチャンピオンのジャーメイン・テイラー。いつもは相手の様子を見て、静かな立ち上がりが多いジャーメイン・テイラーですが、この試合は相手が前に出ると強い強打者のケリー・パブリックということもあり、前へ出させないよう序盤から力を入れてパンチを打っています。
一方のケリー・パブリックはジャーメイン・テイラーのスピードとプレッシャーに戸惑っているのか、予想より静かな立ち上がりです。2ラウンドに入ると、チャンピオンのジャーメイン・テイラーがますます攻撃を強め、1分すぎに左ジャブから右ストレートをケリー・パブリックの顔面へ打ち込み、ケリー・パブリックの足がぐらつきます。
畳みかけるジャーメイン・テイラーは左右のフックを10連打し、挑戦者のケリー・パブリックがダウン!これほどアグレッシブなジャーメイン・テイラーを観たのは初めてですね。さらに、立ち上がったケリー・パブリックに対して、チャンピオンのジャーメイン・テイラーがパンチを集め、「あと一歩でKOできそうだなあ」という場面を作ります。
「テイラーのラッシュもすごかったけど、パブリックもよく耐えたなあ。3ラウンドで勝負がつくかも」と予想外の展開に興奮する管理人。ところが、3ラウンド、試合のペースを握ったのは挑戦者のケリー・パブリックでした。前へ出て必死にパンチを出しながらダメージ回復をはかるケリー・パブリックに対して、ジャーメイン・テイラーは応戦することなく、下がりながら左ジャブを突いて戦います。
「あれ?テイラー、2ラウンドのラッシュで疲れちゃったかな?」とチャンピオンの失速に驚く管理人。こうなると、ケリー・パブリックの攻撃的なボクシングが活きてきます。動きの鈍いジャーメイン・テイラーを追い回し、得意の右ストレートを顔面へ打ち込みます。ダウンを奪われたケリー・パブリックより、ダウンを奪ったジャーメイン・テイラーのほうが失速している感じですね。
「こんな展開初めて観たなあ。想像以上にパブリックのパンチ力って強力なのかも?プレッシャーもすごいんだろうなあ」と改めて挑戦者の破壊力、威圧感に驚く管理人。4ラウンド以降は、挑戦者のケリー・パブリックが前へ出ながら試合を支配する展開が続き、迎えた7ラウンド。衝撃の光景が目の前に広がります。
ラウンド開始からケリー・パブリックが左ジャブを突きながらジャーメイン・テイラーとの距離を測り、残り1分で、左ジャブから右ストレートの強烈なワンツーを顔面へ叩き込みます。そのまま後退するジャーメイン・テイラーに対して、さらにワンツーを打ち込み、コーナーへ追い詰めるケリー・パブリック。
力なくコーナーへ追い詰められたジャーメイン・テイラーに反撃する力は残ってなく、最後はケリー・パブリックが右ストレート、左右のフック、左右のアッパーを含む怒涛の12連打!チャンピオンのジャーメイン・テイラーが崩れ落ちたところで、レフェリーが試合をストップし、ケリー・パブリックが7ラウンドTKO勝ちで全勝のまま世界チャンピオンになりました。
ものすごい試合でしたね。2ラウンドが終わった時点では「テイラーが勝つ」と思ったのですが、ケリー・パブリックが驚異的なタフネスと破壊力で逆境を跳ね返しました!ケリー・パブリックとジャーメイン・テイラーは再戦が決まっているようなので、もう一度両者の試合が観られます。再戦で勝ったほうが今後のミドル級を支える存在になりそうですね。
試合結果
試合結果 | ケリー・パブリックが7ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功。敗れたジャーメイン・テイラーはプロ初黒星。 |