IBF世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | ノニト・ドネア(フィリピン) 戦績:20戦19勝12KO1敗 |
挑戦者 | モルティ・ムタラネ(南アフリカ) 戦績:23戦22勝15KO1敗 |
試合内容
2007年7月、全勝の強打者、ビック・ダルチニャンが持つIBF世界フライ級タイトルに挑戦し、衝撃のTKO勝ちでタイトルを奪取したノニト・ドネア。2007年12月にメキシコの実力者、ルイス・マルドナドに快勝し、今回が2度目の防衛戦となります。
ドネアが今回対戦するのはランキング1位のモルティ・ムタラネ。ガードを高く構え、グイグイ前へ出て、距離が詰まるとパンチを連打して相手を仕留めるファイターです。フライ級最強の呼び声が高いドネアがパワフルなファイター、ムタラネを迎えてどんな試合を展開するのか、試合は序盤から両者の持ち味が発揮される好試合となりました。
序盤はチャンピオン、ドネアのペース。左ジャブ、左フック、左アッパーなど、得意とする左のパンチをムタラネのガード越しに力を入れて打ち込んでいきます。ドネアは本当に思いっきりがいいですね。ムタラネとして、ブロックしながら距離を詰めたいところですが、ドネアのパンチをガードするので精一杯です。
ムタラネは攻防兼備で本当に優れたボクサーだと思うのですが、ドネアのパンチ力がムタラネの上手さを消している感じです。ムタラネはドネアのパンチをほとんどブロックしているのですが、反撃することができないのでポイントを取ることができません。もしドネアにパンチ力がなかったら、一気にムタラネのペースになりそうな展開ですが、パンチ力があるボクサーの特権ですね。
4ラウンドに入ると、ムタラネがプレッシャーを強めて、ドネアの懐に飛び込もうとします。これに対して、チャンピオンのドネアは頻繁にスイッチを繰り返して、ムタラネの突進を止めにかかります。「いい試合になってきたな」と思っていると、6ラウンド、ドネアのパンチでムタラネが左まぶたをカットします。レフェリーのジョー・コルテスさんがドクターにチェックを要請し、ドクターの判断は試合続行不可能。ドネアが6ラウンドTKO勝ちでタイトル防衛に成功しました。
勝ったドネアはもちろん、敗れたムタラネも素晴らしい選手ですね。この試合に限って言えば、ドネアのボクシングの幅が基本に忠実なムタラネのボクシングを上回った感じがします。さすがはフライ級最強と呼ばれるドネアです。この調子なら、まだまだ防衛記録を伸ばしそうですね。
試合結果
試合結果 | ノニト・ドネアが6ラウンドTKO勝ちで防衛に成功。 |