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内藤大助が4度目の防衛か?山口真吾が悲願の世界タイトル獲得か?

WBC世界フライ級タイトルマッチ

チャンピオン 内藤大助(日本・宮田ジム)
戦績:38戦33勝21KO2敗3分
挑戦者 山口真吾(日本・渡嘉敷ジム)
戦績:30戦23勝9KO5敗2分

試合内容

内藤大助選手が山口真吾選手を迎えたWBC世界フライ級タイトルマッチ。チャンピオンの内藤大助選手は、2008年7月、清水智信選手と戦い、10ラウンドKO勝ちで3度目の防衛に成功した実力と人気を兼ね備えたボクサーです。変則的なボクシングで、相手に的を絞らせないテクニシャンですね。

一方、挑戦者の山口真吾選手は2度の世界タイトル挑戦経験を持つ実力者。ガードを高く構えて、前へ出るタフなファイターです。初の世界タイトル獲得へ向けて3度目の正直となるのか?それとも、チャンピオンの内藤大助選手が4度目の防衛を果たすのでしょうか?日本人ボクサー同士のプライドをかけた戦いは序盤から激しい打ち合いとなりました。

まずペースを奪ったのはチャンピオンの内藤大助選手。1ラウンド開始直後から左ジャブ、左フックを積極的に打ち込み、主導権を奪います。一方、挑戦者の山口真吾選手はガードを固めて、様子を見る静かな立ち上がりです。

2ラウンドに入ると、山口真吾選手も左ジャブ、右フックを中心に積極的にパンチを打ち始め、試合が動き出します。4ラウンドには、山口真吾選手が接近戦を仕掛けて、チャンピオンの内藤大助選手を打ち合いに巻き込み、ロープを背負いながら、内藤大助選手も応戦。「お互い、かなりのハイペースだけど、スタミナは大丈夫かな」と心配になるほど、パンチの交換が多い素晴らしい打ち合いですね。

序盤はお互い一歩も譲らない展開でしたが、試合が進むにつれて、両者の戦い方の違いが少しずつポイント差に表れ始めます。ボディーワークとフットワークを使って、常に頭の位置を変えながら戦う内藤大助選手は「相手のパンチを空振りさせるディフェンス」。これに対して、山口真吾選手はガードを高く構えて「相手のパンチをブロックするディフェンス」です。

試合が進むと、内藤大助選手ほど頭の位置を変えない山口真吾選手のほうがまともにパンチをもらう場面が増え、パンチによるダメージが蓄積してきます。驚異的なタフネスとスタミナでチャンピオンの攻撃に耐えてきた山口真吾選手ですが、10ラウンド残り20秒で、内藤大助選手の強烈な左フック、右ボディーブローをまともにもらい、動きが鈍ります。

そして、迎えた11ラウンド。ポイントで競り負けている山口真吾選手がラウンド開始と同時に前へ出ますが、足がついて行かず、逆に、内藤大助選手が左フック、右ストレート、左フックの3連打で反撃。さらに、右ストレートのダブルを打ち込み、ここまで我慢して耐えてきた山口真吾選手からダウンを奪います。

何とか立ち上がった山口真吾選手に対して、チャンピオンが左右のフックを連打!15発くらい打ち込んだのではないでしょうか?11ラウンドでこれだけパンチを連打できるなんて、内藤大助選手が普段から練習でスタミナ強化に取り組んでいる証拠ですね。

最後は、チャンピオンの左フックが山口真吾選手のアゴをとらえ、動きが止まったところへ、右ストレート、左フック、右ストレートの3連打を打ち込み、レフェリーが試合をストップ。内藤大助選手が見事なTKO勝ちで4度目のタイトル防衛に成功しました。

8ラウンドを終了した時点で、ポイントは78-74、79-73、、79-73でチャンピオンの内藤大助選手がリード。ポイント差を考えると、内藤大助選手は残りの4ラウンドを逃げ切ることもできたのですが、9ラウンド、山口真吾選手の打ち合いに応じたチャンピオンの姿勢は本当に見事でしたね。ボクシングの美学が凝縮された瞬間だったと思います。

チャンピオンの内藤大助選手、挑戦者の山口真吾選手、どちらも逃げることなく、打ち合った結果、内藤大助選手が勝者となりましたが、内藤大助選手、山口真吾選手のどちらにも大きな拍手を送りたいです。両者のボクシングに対する姿勢、情熱に心を打たれた日本人対決でした。

試合結果

試合結果 内藤大助選手が11ラウンドTKO勝ちで4度目の防衛に成功。
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