WBC世界ウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | アンドレ・ベルト(アメリカ) 戦績:24戦全勝19KO |
挑戦者 | ファン・ウランゴ(コロンビア) 戦績:23戦21勝16KO1敗1分 |
試合内容
全勝のWBC世界ウェルター級チャンピオン、アンドレ・ベルトが、1階級下のIBFスーパーライト級チャンピオン、ファン・ウランゴの挑戦を受ける3度目の防衛戦です。スーパーライト級屈指の強打者、ファン・ウランゴのボクシングが、驚異的なスピードを武器に全勝街道を進むアンドレ・ベルトにどれだけ通用するのか?階級を超えたチャンピオン対決が始まります。
試合は1ラウンドからお互いが持ち味を発揮するスリリングな戦い。ウェルター級チャンピオンのアンドレ・ベルトが自慢のスピードを活かしながらヒット・アンド・アウェイでペースを握ろうとするのに対して、スーパーライト級チャンピオン、サウスポーのファン・ウランゴは体を小刻みに振りながら、左ストレートと右フックを狙ってるようです。お互いに動きは良さそうですね。
「スピード豊かなベルトに対して、ウランゴが体をよく振って対抗しているなあ。ルイス・コラーゾ戦を観る限り、ベルトはサウスポーがあまり得意じゃないんで、意外と苦戦するかも」と思ってしまうほど、ファン・ウランゴが徹底的に頭の位置を動かして、アンドレ・ベルトに的を絞らせないようにしています。ファン・ウランゴ陣営はアンドレ・ベルトをよく研究していますね。
アンドレ・ベルトとファン・ウランゴを比較すると、「パンチ力は互角、スピードは1階級上のアンドレ・ベルトが上、タフネスとスタミナ、突進力は1階級下のファン・ウランゴが上」という興味深いボクシングスタイルの差が見えてきます。お互いにKO率が高く、世界的な人気を誇るボクサーですが、ボクシングスタイルは正反対ですね。
序盤3ラウンドはアンドレ・ベルトのスピードにファン・ウランゴがついて行けず、アンドレ・ベルトが有利に試合を進めますが、4ラウンドに入ると、ファン・ウランゴがこれまで以上にパンチを集めながらプレッシャーをかけて主導権を奪い返そうとします。「お、ウランゴがいい感じだよ」と思ったのですが、ここからアンドレ・ベルトが接近戦を避けて距離を取り、自慢のスピードを活かしながらポイントを取る作戦に変更します。
「ベルトがアウトボクシングを徹底すると、ウランゴは厳しいよ。リングの中央でボクシングをすると、パンチが当たっても単発に終わるんで、ウランゴは何とかロープに詰めてパンチを連打したいなあ」とファン・ウランゴの反撃を期待する管理人。9ラウンドには、ファン・ウランゴがアンドレ・ベルトをコーナーに詰めてパンチを連打しようとしますが、アンドレ・ベルトがカウンターの右アッパーを突き上げて脱出に成功します。
その後も1階級下のファン・ウランゴが1階級上のアンドレ・ベルトを追い回し、必死にポイントを挽回しようとしますが、アンドレ・ベルトが自慢のスピードを活かしてファン・ウランゴの強打を封じ込め、12ラウンド終了のゴング。結果は、アンドレ・ベルトが3-0の判定でファン・ウランゴに勝利し、3度目の防衛に成功しました。
アンドレ・ベルトのスピードがファン・ウランゴの強打を完全に封じ込めた試合でしたね。アンドレ・ベルトの強打を期待したボクシングファンにとっては少し期待外れに終わってしまった感がありますが、「苦手なサウスポー相手に取りこぼさないよう、慎重に試合を進めた」と言うこともできそうです。前回のルイス・コラーゾ戦がかなり際どい内容だったので、「勝利を最優先した戦い」に徹したのでしょう。次戦は力強いアンドレ・ベルトが観たいですね。敗れはしましたが、ファン・ウランゴは「ウェルター級でも通用するよ」と思わせてくれる内容でした。
試合結果
試合結果 | アンドレ・ベルトが12ラウンド判定勝ちで3度目の防衛に成功。管理人の採点は117-111でアンドレ・ベルトの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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