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計量失敗のネート・キャンベルが世界初挑戦のアリ・フネカと対戦

IBF・WBO世界ライト級タイトルマッチ

元チャンピオン ネート・キャンベル(アメリカ)
戦績:38戦32勝25KO5敗1分
挑戦者 アリ・フネカ(南アフリカ共和国)
戦績:33戦30勝25KO1敗2分

試合内容

2008年3月、12ラウンド激闘の末、ファン・ディアスに判定勝ちを収め、3団体統一王者に君臨したネート・キャンベルが世界初挑戦のアリ・フネカと拳を交えます。「ベテランのキャンベルが185センチのフネカを相手にどんな戦法を選ぶんだろう?」と楽しみにしていたのですが、まさかのトラブル発生です。

ネート・キャンベルが計量失敗で、試合前にタイトル剥奪!これにより、ネート・キャンベルの肩書きは「前チャンピオン」になってしまいました。「ギャボーン!悲しすぎる」と嘆く管理人。体重オーバーのネート・キャンベルは勝っても負けてもタイトルを手にすることはできませんが、計量をクリアしたアリ・フネカが勝てば、初の世界戦でタイトル獲得となります。ということで、アリ・フネカを応援することにした管理人。

試合は立ち上がりから身長185センチのアリ・フネカが恵まれた体格を活かし、懐の深いボクシングを展開。長い左ジャブを連打し、ネート・キャンベルを懐へ入れません。管理人は初めてアリ・フネカの試合を観ましたが、ライト級とは思えない身長、リーチ、基本に忠実な構えなど、どことなくディエゴ・コラレスに雰囲気が似ていますね。

ディエゴ・コラレスは左右のフックを得意とする打ち合いを好むボクサーでしたが、アリ・フネカは左ジャブ、右ストレートを武器に、中間距離で戦うタイプのようです。「フネカは左ジャブが本当によく出るなあ。このジャブが続くと、さすがのキャンベルも中に入れないんじゃない?」とアリ・フネカのボクシングに感心する管理人。

ところが、2ラウンド中盤、懐に入れないネート・キャンベルが中間距離からいきなりのオーバーハンドライトを強振!このパンチがアリ・フネカのテンプルへ直撃し、アリ・フネカがズルズルと後ろへ後退します。ネート・キャンベルは「ここがチャンス」とばかりパンチを集め、最後は右ストレートをアリ・フネカのアゴへ打ち込み、アリ・フネカがダウン!「うわ!続行できるかな?」というすごいダウンでしたが、アリ・フネカが何とか立ち上がり、このラウンドをしのぎます。

「相当効いているみたいだけど、次のラウンド大丈夫かな?」と心配になったのですが、3ラウンドが始まると、アリ・フネカが距離を取って左ジャブを突きながらダメージ回復に専念。力まず中間距離から左ジャブを連打することで、アリ・フネカにリズムが生まれています。長い左ジャブを連打されると、ネート・キャンベルも飛び込みづらいようですね。結果的に、アリ・フネカがダメージ回復に成功します。

2ラウンドにダウンを奪われましたが、3ラウンド以降はアリ・フネカが中間距離からパンチを集め、ネート・キャンベルが強打を振り回す展開。手数のアリ・フネカ、強打のネート・キャンベルという構図です。「アリ・フネカは離れて戦うと、持ち味の左ジャブと体格的なアドバンテージが本当に活きるなあ」と改めてボクシングにおける体格差を実感します。

ラウンド進むにつれて、アリ・フネカのリズムがよくなりますが、11ラウンド中盤、ネート・キャンベルのオーバーハンドライトが再びアリ・フネカのテンプルを直撃。ふら付くアリ・フネカに対して、ネート・キャンベルが左ジャブ、右ストレートを打ち込み、2度目のダウンを奪います。アリ・フネカは2ラウンドと全く同じパンチをもらっちゃいましたね。

2度目のダウンから立ち上がったアリ・フネカは、フラフラになりながらもネート・キャンベルの猛攻に耐え、12ラウンド終了のゴング。結果は3人のジャッジに委ねられ、2-0の判定でネート・キャンベルがアリ・フネカに競り勝ちました。判定を聞いて、「え?」と思ったボクシングファンは管理人だけではないでしょう。

2度ダウンを奪われましたが、アリ・フネカのボクシングは素晴らしかったと思います。ネート・キャンベル相手に互角以上の戦いでしたからね。なお、計量に失敗したネート・キャンベルが勝ったため、タイトルは空位となりました。微妙な判定だったので、再戦の可能性もありますね。アリ・フネカが気の毒なので、個人的にはできるだけ早く世界タイトルにもう一度挑戦させてあげたいです。

試合結果

試合結果 ネート・キャンベルが12ラウンド僅差の判定勝ち。しかし、ネート・キャンベルは計量失敗のため、タイトルを剥奪され、王座は空位となりました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 115-111 (ネート・キャンベル)
  • 114-112 (ネート・キャンベル)
  • 113-113
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