IBF世界ライトヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | チャド・ドーソン(アメリカ) 戦績:28戦27勝17KO1無効試合 |
挑戦者 | アントニオ・ターバー(アメリカ) 戦績:32戦27勝19KO5敗 |
試合内容
チャド・ドーソンとアントニオ・ターバーの新旧スターが再び拳を交えます。2008年10月に行われた前回の対戦は、挑戦者のチャド・ドーソンがチャンピオンのアントニオ・ターバーをスピードで翻弄し、大差の判定勝ちでタイトル奪取に成功しました。今回の再戦はチャンピオンがチャド・ドーソン、挑戦者がアントニオ・ターバー、立場を入れ替えた直接のリマッチです。
試合は1ラウンドからお互いのプライドがぶつかり合う、手数の多い打撃戦でスタート。挑戦者のアントニオ・ターバーは前回よりも積極的に右ジャブを突き、しかも、前回ほとんど打てなかった左ストレートを1ラウンドから打ちこんでいます。前回は立ち上がりからチャド・ドーソンにペースを握られて、ジリ貧になってしまったアントニオ・ターバー、気合い入りまくりですね。
一方、チャンピオンのチャド・ドーソンは主導権を握られないよう、回転の速い連打で対抗しています。1ラウンドの手数だけを考えれば、チャド・ドーソンもアントニオ・ターバーも同じくらいですが、パンチのスピード、動きのスピードはチャド・ドーソンが1枚上手でしょうか?2ラウンドに入ると、チャド・ドーソンがプレッシャーをかけ始め、上下にパンチを打ち分けます。素晴らしいコンビネーションブローです。
チャド・ドーソンの手数が増えれば増えるほど、アントニオ・ターバーは両手を使ってガードをしなければならないので、ますますチャド・ドーソンが勢いに乗っているようです。少しずつ、前回の対戦と同じような展開になってきましたね。さらに勢いに乗るチャド・ドーソンは、4ラウンド開始直後から怒涛のラッシュをみせ、アントニオ・ターバーを防戦一方に追い込みます。これほど、パンチに力を込めて打っているチャド・ドーソンを観るのは初めてですね。
「ドーソン、気合い入りまくりだな。ターバー相手にKOを狙っているよ」と予想外のアグレッシブな攻撃に驚く管理人。ところが、5ラウンド開始直後、アントニオ・ターバーが右フックを狙おうとするチャド・ドーソンに対して、強烈なカウンターの左ストレートを叩き込みます。「あ、効いた」と思わず声を出してしまった管理人ですが、チャド・ドーソンが我慢しながらアントニオ・ターバーのボディーにパンチを集め、このピンチを切り抜けます。
チャド・ドーソンとアントニオ・ターバーは同じサウスポーで、身長やリーチが長く共通点も多いのですが、攻撃のスタイルは正反対。チャド・ドーソンはスピードを武器に戦う連打型、アントニオ・ターバーはタイミングを武器に戦う一発型です。もしチャド・ドーソンにスピードがなく、手数が多いだけのボクサーなら、アントニオ・ターバーとしては戦いやすいのかもしれませんが、ここまでの展開を観ると、チャド・ドーソンのスピードが試合を支配しているようですね。
想像以上に両者が序盤から打ち合ったこともあり、中盤以降はお互いにスタミを考えてか、序盤のような激しい打ち合いは観られず、手数で上回るチャド・ドーソンのペースで試合が進みます。アントニオ・ターバーはときどき左ストレートや左右のフックをチャド・ドーソンの顔面にクリーンヒットさせるのですが、攻撃が単発で、チャド・ドーソンを追い詰めることができません。
試合はこのままお互いに決定機を作ることができない展開が続き、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は、チャンピオンのチャド・ドーソンがアントニオ・ターバーに判定勝ちを収め、再戦に勝利。見事に、IBF世界ライトヘビー級タイトルの初防衛を飾りました。アントニオ・ターバーは前回より健闘したと思うのですが、またしてもチャド・ドーソンのスピードに自慢の強打を封じ込まれてしまいましたね。
圧倒的なスピードと手数で再戦を制したチャド・ドーソンは、前回より力強く、しかも試合中の休み方が上手になっている気がします。あとは、相手をKOできる力強さと勝負どころをかぎ分ける力を養えば、人気が出て、スーパースターの階段を上り始めるのではないでしょうか?チャンピオンクラスじゃないと、チャド・ドーソンを止めることは難しそうですね。統一戦に期待です。
試合結果
試合結果 | チャド・ドーソンが12ラウンド判定勝ちで再戦に勝利し、初防衛に成功。管理人の採点は117-111でチャド・ドーソンの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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