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アントニオ・デ・マルコとアンジス・アジャホの挑戦者決定戦

WBC世界ライト級挑戦者決定戦

ランキング1位 アントニオ・デ・マルコ(メキシコ)
戦績:23戦21勝15KO1敗1分
ランキング2位 アンジス・アジャホ(ベナン)
戦績:26戦25勝14KO1敗

試合内容

エドウィン・バレロが持つWBC世界ライト級タイトルの挑戦権をかけて、ランキング1位のアントニオ・デ・マルコとランキング2位のアンジス・アジャホが激突します。アントニオ・デ・マルコもアンジス・アジャホもリーチが長く、ストレートを得意とするボクサーですが、アントニオ・デ・マルコはサウスポー、アンジス・アジャホはオーソドックス。どちらが勝っても初の世界戦出場の切符を手にする大一番です。

試合はお互いが様子をうかがう静かな立ち上がり。試合開始から1分はアントニオ・デ・マルコもアンジス・アジャホもほとんどパンチを打たず、相手の動きを観察しています。「緊張感のある立ち上がりだな」と思っていると、会場のお客さんはブーイングを始め、打ち合いを煽ります。試合が始まったばかりで、パンチを出さないのはしょうがない気がするのですが、アメリカのお客さんは厳しいですね。

「1ラウンドは完全に様子で終わりそうだぞ」と思い始めたラスト10秒。アンジス・アジャホが左ジャブを突いたところへ、アントニオ・デ・マルコがカウンターの左ストレートを打ち込み、アンジス・アジャホの腰が一瞬落ちます。最短距離を走るお手本のような左ストレートですね。

2ラウンドに入ると、アントニオ・デ・マルコが右ジャブを上下に散らし、試合の主導権を握ろうとします。一方のアンジス・アジャホも左ジャブから右ストレートを上下に散らして応戦。手数は決して多くありませんが、レベルの高いジャブの突き合い、ストレートを打ち込むための心理戦は目が離せませんね。

序盤の戦いを観ると、アントニオ・デ・マルコのほうがアンジス・アジャホに比べて「待ちのボクシング」でカウンターに重点を置いています。と言っても、素晴らしい左ストレートと右ジャブを持っているので、その気になればアントニオ・デ・マルコも自分から攻めることができると思うのですが、初の世界戦出場の切符がかかっているせいか、慎重な立ち上がりを選んだようです。

4ラウンドになると、そのアントニオ・デ・マルコが自分から攻撃を仕掛けアンジス・アジャホにプレッシャーをかけます。これまで重心を後ろに置いていたアントニオ・デ・マルコですが、鋭い踏み込みから得意の左ストレート、そして、強烈な右ボディーを連打!タフなアンジス・アジャホも苦しそうな表情を浮かべています。

6ラウンドには、アントニオ・デ・マルコがアンジス・アジャホをロープへ追い詰め、打ち下ろしの左ストレートがテンプルを直撃!腰砕けになったアンジス・アジャホがアントニオ・デ・マルコにしがみ付き、何とかピンチを乗り切りましたが、ラウンドが進むにつれてアントニオ・デ・マルコがペースを握り始めたようです。最初はカウンターパンチャーだと思ったアントニオ・デ・マルコですが、伸び伸びとパンチを打っている姿を観ると、自分から攻撃することが好きなボクサーなのでしょう。

8ラウンドに入ると、アンジス・アジャホが勝負に出ます。開始直後から力いっぱい右ストレート、左右のフックを振り回し、アントニオ・デ・マルコをロープへ追い込みますが、アントニオ・デ・マルコも打ち合って応戦。強烈な左ストレートをアンジス・アジャホに打ち込み、リング中央まで押し戻すと、中盤以降は自分から攻めてペースを奪い返します。アントニオ・デ・マルコ、気が強いですね。

顔面が大きく腫れ、一気に失速したアンジス・アジャホに対して、アントニオ・デ・マルコは急所にコンパクトなパンチを当て、アンジス・アジャホにダメージを与え続けます。そして迎えた9ラウンド終了間際、アントニオ・デ・マルコの左ストレートがアンジス・アジャホの左目を直撃し、この試合2度目のダウンを奪います。

結局、アンジス・アジャホは10カウント以内に立ち上がることができず、アントニオ・デ・マルコが9ラウンドKO勝ちでエドウィン・バレロへの挑戦権を獲得しました。アントニオ・デ・マルコ、強かったですね。長身でリーチが長く、しかもカウンターが上手い!アウトボクシングだけでなく、インファイトもできてボクシングの幅が広いので、エドウィン・バレロにとって強敵になることは間違いなさそうです。

試合結果

試合結果 アントニオ・デ・マルコが9ラウンドKO勝ちで、エドウィン・バレロが持つWBC世界ライト級タイトルの挑戦権を獲得。
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