WBA世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | デンカオセーン・クラティンデンジム(タイ) 戦績:48戦46勝20KO1敗1分 |
挑戦者 | 久高寛之(日本・仲里ATSUMIジム) 戦績:25戦17勝6KO7敗1分 |
試合内容
2009年の大晦日、坂田健史選手に衝撃的なKO勝ちを収めたデンカオセーン・クラティンデンジムが地元タイに久高寛之選手を迎えて初防衛戦を行います。久高寛之選手にとって、今回が2度目の世界挑戦です。2008年7月、坂田健史選手に挑戦して判定負けを喫した久高寛之選手が、坂田健史選手にKO勝ちを収めたデンカオセーン相手にどんな作戦で挑むのか楽しみですね。
試合は立ち上がりからデンカオセーンが積極的にプレッシャーをかけ、久高寛之選手がカウンターを狙う予想通りの展開。今回のタイトルマッチはタイの屋外に設置されたリングで行われ、相当暑いと思うのですが、地元のデンカオセーンは1ラウンドから積極的に前へ出ていますね。一方の久高寛之選手はデンカオセーンの距離をじっくりと測るかのように、計算しながら戦っている印象です。
「久高選手が少し戸惑っているようだけど、デンカオセーンのプレッシャーが予想以上に厳しいのかな?それとも、踏み込みが思ったより速いのかな?デンカオセーンは前半強いけど、試合が進めば進むほど失速する傾向が強いので、序盤パンチをもらわず、スタミナを温存することができれば、試合終盤、得意の右ストレートのカウンターを打ち込むチャンスが増えるはずだよ。タイ特有の応援と暑さにペースを惑わされないで」と応援に力が入る管理人。
すると、管理人の声援が届いたのか、5ラウンド中盤、デンカオセーンの左ジャブに合わせて、久高寛之選手が右ストレートのカウンター!抜群のタイミングで放たれた右ストレートはデンカオセーンのテンプルを的確にとらえ、デンカオセーンが前のめりに倒れます。ところが、レフェリーの判断はスリップダウン!すかさず「世知辛いよ、それ」と悲しみにくれる管理人。ダウンを取ってもらえませんでしたが、久高寛之選手が少しずつカウンターのタイミングを掴んできたようです。
ところが、6ラウンドに入ると、地元タイの大声援を受けるデンカオセーンが体ごとぶつかり、接近戦でとにかくパンチを出す作戦に切り替えます。久高寛之選手のペースを崩す作戦のようです。「デンカオセーンが手数で久高選手を圧倒しているなあ。クリーンヒットの数は久高選手のほうが上なんだけど、もう少し手数が出さないとポイントもらえないかも」と久高寛之選手の奮起に期待する管理人。
8ラウンドに入ると、序盤から勝負をかけたデンカオセーンが失速し始め、少しずつボクシングが荒っぽくなります。明らかにクリンチが増え、体力的に苦しそうなデンカオセーン。8ラウンド終盤、クリンチ際にラビットパンチを放ったデンカオセーンは減点1を取られ、勝敗の行方が本当にわからなくなってきました。
「残り4ラウンド全部取ったら、久高選手が勝つんじゃないかな?デンカオセーンはもうスタミナが残っていないんで、自分から攻撃に出てポイントを取りたいよ」とますます応援に力が入ります。11ラウンドには、「伝家の宝刀」、右ストレートのカウンターを叩き込み、デンカオセーンの動きを止めた久高寛之選手ですが、地元の大声援を受けるデンカオセーンからダウンを奪うことはできず、12ラウンド終了のゴング。勝敗の行方は3人のジャッジに委ねられます。
結果は2人のジャッジがデンカオセーン、もう1人のジャッジが久高寛之選手を支持。2-1のスプリット・デシジョンで、デンカオセーンが久高寛之選手を破り、初防衛に成功しました。いやー、惜しかったですね。もう少し手数を出しながら試合の主導権を握っていれば、チャンピオンベルトは久高寛之選手の腰に巻かれていたかもしれません。最後はヘロヘロで、ラフなボクシングになりながらも「絶対にタイトルを防衛するぞ」というデンカオセーンのすさまじい執念を感じた試合でした。
試合結果
試合結果 | デンカオセーン・クラティンデンジムが12ラウンド判定勝ちで初防衛に成功。管理人の採点は115-112でデンカオセーン・クラティンデンジムの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
|