WBA世界バンタム級暫定王座決定戦
ランキング2位 | クリスチャン・ミハレス(メキシコ) 戦績:42戦36勝15KO4敗2分 |
ランキング3位 | ネオマール・セルメニョ(ベネズエラ) 戦績:16戦全勝10KO |
試合内容
技巧派サウスポーのクリスチャン・ミハレスと全戦全勝のネオマール・セルメニョがWBA世界バンタム級暫定タイトルをかけて激突します。スーパーフライ級の世界タイトルを8度防衛したクリスチャン・ミハレスはバンタム級へ階級を上げて、いきなりの世界戦。クリスチャン・ミハレスが勝てば、2階級制覇となります。
クリスチャン・ミハレスは、メキシコ軽量級を代表する技巧派サウスポー。スーパーフライ級時代はWBCタイトルを8度防衛し、川嶋勝重選手、菊井徹平選手に勝利を収めるなど、日本のボクシングファンにも馴染み深いボクサーです。2008年11月、ビック・ダルチニャンとの統一戦に敗れてタイトルを失いましたが、2階級制覇を成し遂げて復活をアピールしたいですね。
一方のネオマール・セルメニョは、シドニーオリンピックに出場後、プロへ転向したスタミナ豊富なアウトボクサー。プロ転向後、16戦全勝10KOのパーフェクトレコードを引っさげ、初の世界戦で、悲願のタイトル獲得を狙います。サウスポーのクリスチャン・ミハレスに対して、ネオマール・セルメニョがどんなボクシングで対抗するのか楽しみですね。
立ち上がりはクリスチャン・ミハレス、ネオマール・セルメニョのどちらもジャブをついて相手の様子を見る展開。ネオマール・セルメニョにとって、初の世界戦がクリスチャン・ミハレスの地元メキシコ開催ということで、「立ち上がりはミハレスのペースになるかな?」と予想していたのですが、ネオマール・セルメニョのほうがいいですね。
特に3ラウンドから打ち始めたいきなりの右ストレートが効果的です。また、サウスポーのクリスチャン・ミハレスが右ジャブを打つと、ネオマール・セルメニョが右ストレートを打ち返してくるので、クリスチャン・ミハレスは右ジャブを打ちづらそうですね。
しかも、ネオマール・セルメニョは打ち終わると、常にフットワークを使って立ち位置を変える(左回りをする)ボクシングに徹しているので、クリスチャン・ミハレスはパンチが届かず本当に戦いづらそうですね。ホルヘ・アルセ、川嶋勝重選手、菊井徹平選手など数々の強豪を打ち倒してきたテクニシャンのクリスチャン・ミハレスが、ネオマール・セルメニョの術中に完全にはまっているようです。
8ラウンドの終了間際には、ネオマール・セルメニョがクリスチャン・ミハレスをロープへ追い詰め、右ストレートの2連打を顔面へ打ち込みます。この試合一番のパンチです。ネオマール・セルメニョは決してパンチがあるボクサーではありませんが、手数とスタミナは驚異的ですね。
試合はこのままネオマール・セルメニョのペースで進み、クリスチャン・ミハレスの反撃に耐えたネオマール・セルメニョが12ラウンド判定勝ちで世界タイトル獲得に成功しました。敵地メキシコに乗り込んで、テクニシャンのクリスチャン・ミハレスに勝利を収めるのですから、ネオマール・セルメニョの技術、闘争心はすごいです。
個人的には、ネオマール・セルメニョがいきなりの右ストレートでクリスチャン・ミハレスのペースを崩したこと、クリスチャン・ミハレスが得意とする左ストレートから遠ざかる左回りに徹したことが勝因だったと思います。この試合はクリスチャン・ミハレスからあまり覇気を感じなかったので、ネオマール・セルメニョの勝負にかける執念がより際立つ試合になりました。
WBC世界バンタム級チャンピオンの長谷川穂積選手をはじめ、バンタム級は日本人ボクサーに関わりが深い階級なので、勝ったネオマール・セルメニョはもちろん、敗れたクリスチャン・ミハレスの今後の動向に注目したいです。いつかネオマール・セルメニョと長谷川穂積選手の統一戦が実現すると、ボクシングファンとしてはたまりませんね。
試合結果
試合結果 | ネオマール・セルメニョが12ラウンド判定勝ちで初の世界タイトル獲得。管理人の採点は116-112でネオマール・セルメニョの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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