3団体統一世界スーパーフライ級タイトルマッチ(WBA・WBC・IBF)
WBA・WBC世界スーパー フライ級チャンピオン |
クリスチャン・ミハレス(メキシコ) 戦績:41戦36勝15KO3敗2分 |
IBF世界スーパー フライ級チャンピオン |
ビック・ダルチニャン(オーストラリア・アルメニア出身) 戦績:32戦30勝24KO1敗1分 |
試合内容
WBA・WBC世界スーパーフライ級チャンピオンのクリスチャン・ミハレスと、IBF世界スーパーフライ級チャンピオンのビック・ダルチニャンが激突する3団体統一世界スーパーフライ級タイトルマッチ。2008年の軽量級の統一戦では、一番のビッグマッチですね。ミハレスとダルチニャンは軽量級を代表するチャンピオンで、同じサウスポーですが、タイプは全く違います。
WBA・WBCの2本のベルトを持つミハレスはサウスポーのテクニシャン。右ジャブとフットワークを使って相手との距離を大事に戦うボクサーで、2007年4月には同じメキシコ出身の人気ボクサー、ホルヘ・アルセに快勝、2008年5月には日本でもお馴染みの強打者、アレクサンデル・ムニョスに判定勝ちを収めてWBAタイトルを吸収するなど、ここ数年で一気に強くなったボクサーの代表です。
一方、IBFチャンピオンのダルチニャンは軽量級を代表する屈指のハードパンチャー。1階級下のフライ級タイトルを6度防衛後、2008年8月に当時のIBF世界スーパーフライ級チャンピオン、ディミトリー・キリロフに挑戦し、豪快なKO勝ちで2階級制覇を達成。総合力のミハレスか?攻撃力のダルチニャンか?軽量級を代表するチャンピオン同士の統一戦は1ラウンドから大きな見せ場が訪れます。
試合開始と同時に右ジャブを突きながら、お互いをけん制するミハレスとダルチニャン。管理人は試合前、ミハレスが離れて戦う安全策を取ると予想していたのですが、ダルチニャン相手に真正面から打ち合っています。
「お互いにとって危険な距離だな」と思っていると、ダルチニャンが残り30秒で左ストレートを連打。ミハレスがフットワークとガードで上手くかわしますが、今度はダルチニャンが左ストレートをフェイントにいきなりの左アッパーを突き上げます。これが見事にミハレスのアゴをとらえ、脳を揺らされたミハレスはたまらずダウン。何とか立ち上がったミハレスですが、ダメージは相当深そうです。
2ラウンドに入ると、ダルチニャンがプレッシャーを強め、一発一発力を込めてミハレスにパンチを打ち込みます。ダメージのため、足が動かないミハレスはガードをするので精一杯。ミハレスにとって、かなり苦しい展開ですね。その後もダルチニャンが攻撃の手を緩めず、プレッシャーをかけ続けながらミハレスにペースを渡しません。
6ラウンドの終了間際には、ダルチニャンが得意の左ストレートをミハレスの顔面に打ち込みます。普段のミハレスなら、これほど完璧なクリーンヒットをもらうことはほとんどないのですが、1ラウンドのダメージが残っているせいか、パンチに対する反応、体の動きが遅いようです。しかも、この試合のダルチニャンは手数が多く、パンチのキレも文句の付けようがありません。
9ラウンドの中盤には、ダルチニャンが左ストレートのボディーブロー、右フックから左ストレートをミハレスの顔面へクリーンヒットさせ、いよいよ試合を決めにかかります。ミハレスが必死にこらえて、迎えた残り10秒。ダルチニャンが左ストレート、右ジャブから左ストレートをミハレスのアゴに打ち込み、ダウンを奪います。ダウンの際、ロープに頭を打ち付けてしまったミハレスは立ち上がることができず、そのまま試合終了。ダルチニャンが完璧な試合運びを展開し、9ラウンドKO勝ちで3団体のベルトを統一しました。
ダルチニャン、めちゃめちゃ強かったですね。試合前、管理人は「左ストレートを先に当てたほうがペースを握るんじゃないかな」と予想していましたが、勝負のカギとなったパンチはダルチニャンの左アッパーでした。ダルチニャンは本当に相手をよく観察しながら戦っています。荒々しいボクシングスタイルですが、クレバーなボクサーです。パンチ力、パンチを当てる上手さとも申し分ないですね。
こうなると、ダルチニャンの今後に注目が集まりますね。ダルチニャンは一度敗れているノニト・ドネアにリベンジしたいようですが、この調子なら今度はダルチニャンが勝ちそうな気がします。個人的にはWBA暫定世界スーパーフライ級チャンピオンのホルヘ・アルセと戦ってほしいですね。めちゃめちゃ盛り上がると思いますよ。いずれにしても、この勝利でダルチニャンがスーパーフライ級戦線の中心になることは間違いなさそうです。
試合結果
試合結果 | ビック・ダルチニャンが9ラウンドKO勝ちで3団体のタイトルを統一。 |