WBC世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | 内藤大助(日本・宮田ジム) 戦績:40戦35勝22KO2敗3分 |
挑戦者 | 亀田興毅(日本・亀田ジム) 戦績:21戦全勝14KO |
試合内容
内藤大助選手が亀田興毅選手と激突する因縁の日本人対決です。チャンピオンの内藤大助選手が勝てば6度目の防衛に成功、挑戦者の亀田興毅選手が勝てば2階級制覇を達成します。熱狂的なファンを持つボクサー同士の対決は1ラウンドから、お互いが持ち味を発揮する素晴らしい展開となりました。
1ラウンド、まずペースを握ったのは挑戦者の亀田興毅選手。体を振り、フェイントをかけながら距離を詰めようとする内藤大助選手に対して、亀田興毅選手はコンパクトな左ストレートでカウンターを奪います。オーソドックスの内藤大助選手は右ストレート、サウスポーの亀田興毅選手は左ストレートをリードパンチに使っているようです。
2ラウンド中盤、内藤大助選手の左フックに合わせて、亀田興毅選手が右フックを打ち込み、さらに左ストレートのカウンターでクリーンヒットを奪います。「亀田選手はパンチがコンパクトでインサイドから的確にとらえているなあ。内藤選手はちょっと力が入りすぎかな?スタミナを消耗しなければいいんだけど」というのが立ち上がりの印象です。
3ラウンドに入ると、内藤大助選手が手数を増やして反撃開始。ラウンド中盤には、強烈な右フックが亀田興毅選手の顔面をとらえ、少しずつリズムを掴み始めます。1、2ラウンドは亀田興毅選手に距離を取られ、パンチが当たらなかった内藤大助選手ですが、手数を増やしながら少しずつ距離感を合わせるところはさすがですね。
「内藤選手はオーバーペース覚悟で攻撃に出て、試合の主導権を取り戻そうとしているなあ。お互い、スタミナと神経を使う消耗戦になりそうだぞ」と試合の動向を注視する管理人。内藤大助選手、亀田興毅選手のどちらがペースを握ってもおかしくない展開ですね。
5ラウンドに入ると、左右のフックを強振して一気にペースを握ろうとする内藤大助選手に対して、亀田興毅選手はコンパクトなカウンターの左ストレートと右フックで内藤大助選手の出鼻を叩き、主導権を渡しません。
「亀田選手のパンチはインサイドから最短距離を走る効果的なパンチだよ。しかも、ガードを高く構えてアゴを引き、クリーンヒットをもらわないよう丁寧に戦っているなあ」と亀田興毅選手の戦いぶりに感心する管理人。階級を上げたことで、減量苦からも開放され、力強くなっていますね。
ディフェンスを大事にしながら、コンパクトなカウンターに徹する亀田興毅選手に対して、内藤大助選手は必要以上に力んだパンチが多く、打ち終わりを狙われてカウンターをもらってしまう悪循環。中盤以降は亀田興毅選手にペースを奪われ、苦しい展開が続きます。
8ラウンド終了後、途中採点(オープン・スコアリング・システム)の結果が発表され、1人が78-74、2人が77-75で、3人のジャッジすべてが亀田興毅選手を支持。9ラウンド以降、ポイントを挽回しようと内藤大助選手がラッシュしますが、亀田興毅選手は冷静にカウンターを狙うボクシングに徹し、12ラウンドを戦い抜きます。
結果は3人のジャッジすべてが亀田興毅選手を支持し、亀田興毅選手が日本人ボクサーとして6人目となる2階級制覇を達成しました。亀田興毅選手は肉体的にも精神的にも本当に強くなりましたね。フェイントをかけながら正面から入ってこようとする内藤大助選手に対して、カウンターの左ストレートでリズムを狂わせ、仮に距離が詰まっても右フックで回り込むサウスポーの利点を生かした見事なボクシングでした。
2階級制覇を達成し、新チャンピオンに輝いた亀田興毅選手。次の試合では、暫定チャンピオンのポンサクレック・ウォンジョンカムと対戦することが濃厚です。真価が問われる大事な試合になりそうですが、持ち味のスピードを生かしてポンサクレック・ウォンジョンカムを撃破し、タイトルを統一してほしいですね。
おしまいに、敗れはしましたが、最後まで勝利を目指して前へ出続けた内藤大助選手にも大きな拍手を送りたいです。「遅咲きのチャンピオン」と呼ばれ、決して器用なタイプではない内藤大助選手ですが、いじめられっ子から世界チャンピオンに登りつめ、ボクシングの素晴らしさと勇気をたくさんの人々に伝えた功績は、計り知れないものがあると思います。「因縁の対決」と呼ばれた両者の戦いは、内藤大助選手、亀田興毅選手の気迫がぶつかり合った素晴らしい日本人対決になりました。
試合結果
試合結果 | 亀田興毅選手が12ラウンド判定勝ちでタイトル奪取。日本人ボクサーとして6人目となる2階級制覇に成功。管理人の採点は115-113で亀田興毅選手の勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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