WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 西岡利晃(日本・帝拳ジム) 戦績:39戦32勝19KO4敗3分 |
挑戦者 | ヘナロ・ガルシア(メキシコ) 戦績:42戦36勝20KO6敗 |
試合内容
2008年9月、5度目の世界タイトル挑戦で、ついに念願の世界チャンピオンベルトを腰に巻いた西岡利晃選手。「スピードキング」の異名を持つテクニシャンのサウスポーで、今回のタイトルマッチが初防衛戦です。
挑戦者は、メキシコ出身のタフなファイター、ヘナロ・ガルシア。2006年、長谷川穂積選手が持つWBC世界バンタム級タイトルに挑戦し、判定負け。2007年、空位のIBF世界バンタム級タイトルをルイス・ペレスと争い、7ラウンドTKO負け。階級をひとつ上げて悲願の世界タイトル獲得に挑戦します。
試合は序盤から、前へ出てくるヘナロ・ガルシアに対して、西岡利晃選手がカウンターを打ち込む予想通りの展開。距離を詰めて打ち合いたいヘナロ・ガルシアですが、西岡利晃選手が右ジャブを突きながら回り込み、的確にカウンターを取っています。大振りのヘナロ・ガルシアに対して、西岡利晃選手のコンパクトなパンチがいいですね。
2ラウンドに入ると、西岡利晃選手が左ストレートのカウンターだけでなく、右フックのカウンターも打ち始めます。試合前、「ヘナロ・ガルシアの圧力をまともに受けると怖いなあ」と思っていたのですが、さすがは西岡利晃選手。距離をしっかりと保つ理想的な試合運びで、ペースを握ります。
4ラウンド開始直後には、飛び込んできたヘナロ・ガルシアのアゴへ左アッパーを突き上げ、ダウンを奪います。西岡利晃選手、完全に狙っていましたね。サウスポーが左アッパーのカウンターを打つと、ガードがオープンになる(相手の右フックが直撃しやすくなる、つまり試合が終わってしまう)ので、よほど自信がないと打てないパンチですよ。素晴らしいです!
5ラウンド以降も前へ出てくるヘナロ・ガルシアに対して、西岡利晃選手が的確なカウンターを顔面、ボディーへ打ち込み、完全に試合を支配。「前へ出てプレッシャーをかけてくるタフなファイターは、こうやって戦うといいよ」というお手本のような試合ですね。そして、迎えた12ラウンド。西岡利晃選手が「お年玉」をプレゼントしてくれます。
最終ラウンド、序盤から足を止めて接近戦で打ち合う両者。すると、チャンピオンが左アッパーを7連打し、ヘナロ・ガルシアのアゴを突き上げます。これまで驚異的なタフさで耐えてきたヘナロ・ガルシアですが、ピタッと足が止まり、最後は左右のフックから左アッパーで再び挑戦者のアゴを跳ね上げ、レフェリーストップ。見事なTKO勝ちで初防衛に成功しました。
ヘナロ・ガルシアはものすごくタフなボクサーで、伸び盛りの若手ボクサーが対戦すると、猛烈なプレッシャーと手数で潰されてしまうほどの実力者ですが、西岡利晃選手が相手だと、これほどの圧勝になるんですね。素敵な「お年玉」をありがとうございました。試合中に拳を痛めたようですが、大丈夫かな?
試合結果
試合結果 | 西岡利晃選手が12ラウンドTKO勝ちで初防衛に成功。なお、過去に日本人の世界スーパーバンタム級チャンピオンが防衛に成功したことはありません。西岡利晃選手が第一号です。 |